地球から見たときに太陽が月の影に隠れ一部または全体が見えなくなる日食のうち、月が太陽を完全に覆い隠せないために月の外側(周囲)に太陽がはみ出し、環状(光輪状、リング状)に見える場合を金環食、または金環日食と呼ぶ。英語表記はannular eclipse。
※画像はWikipediaより。
環状とは皆既日食で見られるコロナとは異なり、月により隠された部分は見えなくなるが、月の周囲にはみ出している太陽が光の輪っかのように観測できる状態である。これは「太陽→月→地球」の位置関係で綺麗に並んではいるが、地球から見たときに太陽より月の方が少し小さく見える距離(月および地球の楕円軌道によって地球から月が遠地点となる)にあるために起こる。また、太陽による月の本影が地球に届かない状態でもある。
逆に皆既日食は、地球から見て太陽より月の方が少し大きく見える距離(地球に月の本影が届く状態)にあるため全体が隠される。その他に、食の経路の途中で太陽と月の視直径(見かけ上の大きさ)がまったく同じになるような場合は、金環皆既日食(参照)となることもある。
日本天文協議会日食委員会は、金環食を肉眼で直接見るのは危険なので専用のグラスで見ることを促している。
2009年7月の部分日食・皆既日食の際、視力低下などの「日食網膜症」になったケースが14例あった。
天体における環(わ)とは、一般的には土星などで惑星の周囲を公転する塵やその他の小さな粒子が平らな円盤状の領域に分布しているリング状の構造のことである(参照)。金環食における環もリング状のことであり、金は光り輝く太陽のことである。
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