Hatena Blog Tags

野口冨士男

(読書)
のぐちふじお

のぐち・ふじお(1911-1993)

明治44年、東京麹町に生まれる。慶應義塾幼稚舎では岡本太郎と同級だった。普通部を経て文学部予科に進むが中退し、文化学院に転ずる。卒業後、紀伊国屋書店出版部で「行動」の編集に携わり、徳田秋声の知遇を得た。

昭和15年刊行の『風の系譜』が初の著書。戦後はスランプに陥ったが、その折に徳田秋声の伝記考証に精進し、15年がかりで『徳田秋声伝』の出版にこぎつけた。

昭和19年に海軍に召集され、このときにひそかにつけていた日記がのちに『海軍日記』として刊行されている。

還暦のころから創作に脂がのり、『暗い夜の私』などの、昭和文壇史を扱った実名小説や、『なぎの葉考』などの花柳小説に新境地を開いた。その一方で、『わが荷風』『感触的昭和文壇史』といった作家ならではの文学史・文学研究といった貴重な仕事をしている。また、『私のなかの東京』のような東京エッセイも余人の追随を許さない深みがある。

晩年の数年間は夫人の介護のためほとんど外出せず。80歳の誕生日を迎えた平成3年7月、河出書房新社より『野口冨士男自選小説全集 上下』が刊行された。夫人の死の数カ月後の平成5年11月22日、82歳で他界。生前からの希望により、埼玉県越谷市立図書館に「野口冨士男文庫」が開設されている。

旧宅から大量の日記が発見されており、その一部が2005年11月に越谷市立図書館における講演会で初公開された。

このタグの解説についてこの解説文は、すでに終了したサービス「はてなキーワード」内で有志のユーザーが作成・編集した内容に基づいています。その正確性や網羅性をはてなが保証するものではありません。問題のある記述を発見した場合には、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

関連ブログ