「今回の審議がどうぞ再び大政翼賛会のような形にならないように、若い皆さんにお願いをしたい」。1997年の国会で、京都選出の野中広務氏が刺すような高い声を張り上げた。 米軍用地の継続使用手続きを簡素化する法改正が、野党が加わり圧倒的多数で可決されたことに対する怒りだった。法改正を審議した衆院の特別委員長として、経過報告の中で言い放った。 「国会が僅差で可決するくらいの緊張感をみせ、沖縄の厳しい基地への思いを米国に表すべきだと思っていた」。(8月15日付京都新聞社説「終戦の日に<下>「大政翼賛会」にならぬよう」) 日本の国会は、残念ながら、「多数決」による決定こそがすべてであるかのようである。が、…