日本語の活用形のうち、名詞を修飾することができるもの。
ラ行変格活用の場合は終止形の活用語尾が「り」とイ段音のため、聴覚推定の助動詞「なり」と視覚推定の助動詞「めり」をウ段音接続にする便宜の為にこの形が使われることがある。
>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%B2%BB%E5%9B%BD>「新治 筑波を過ぎて幾夜か寝つる>(新治、筑波を過ぎて、幾夜寝たことであろうかと)」 係助詞「か」は、「か」の前の部分が疑問文になる。「寝つる」が名詞句で「か」が動詞だ。 新治筑波を過ぎて幾夜 か 寝つる … 疑問文 … 動詞+名詞句新治筑波を過ぎて幾夜 寝つる+か … 平叙文 … 名詞句+動詞 「寝つる」が疑問なのでなく、「幾夜」が疑問だ。「か」の前の部分が疑問になっている文だ。 >岩波古語辞典補訂版p1500> 倉橋の山を高みか夜隠り(よごもり)に出で来る月の光乏しき>=夜…
ひとつ前に書いた、バリエーションとしてあげた下の疑問文だが (0)いとあやしきさまを人 や 見つらむ … 原文 これは「見つらむ」を名詞句としている。だから平叙文=見つらむ+や(あり)=名詞+動詞=正置疑問文=や(あり)+見つらむ=動詞+名詞=倒置 これが抱合語なんだろうね。 (1)いとあやしきさまを や 人見つらむ … 「人見つらむ」が名詞句(2)いとあやしき や さまを人見つらむ … 「さまを人見つらむ」?(3)いと や あやしきさまを人見つらむ … 「あやしきさまを人見つらむ」?(4)や いとあやしきさまを人見つらむ … 「いとあやしきさまを人見つらむ」が名詞句 「いとあやしきさまを」を…
係助詞は「そ、なむ、や、か」で文末が連体形で終わる。「こそ」が已然形で終わる。 「ぞ、なむ」が強調文で、「や、か」が疑問文、「こそ」が強調と教科書に書いてある。 >出典源氏物語 若紫>「あないみじや。いとあやしきさまを人や見つらむ」>[訳] まあ大変だこと。ひどく見苦しいさまを人が見てしまっているだろうか。 「人や見つらむ」=人+や+見+つ+らむ=人+あり(公理1)+見(用)+つ(終)+らむ(体)=人+あり+見て+しまった+と思う=人が見てしまっているだろうか? ※品詞分解人=名詞や=係助詞見=動詞連用形 み-未然 み-連用 みる-終止 みる-連体 みれ-已然 みよ-命令つ=完了の助動詞、連用…
みなさん、こんにちは。 今回は、タミル語の歌詞を一部だけ翻訳してみます。 このブログでは初の試みです。 筆者のタミル語レベルは、まあ日本語でいうN5よりも低いと思います。 なので、自分の勉強を兼ねて、また、タミル語の文型などをまとめた情報があまりにも少ない現状を見かねて、チャレンジしてみようと思います。
伝聞推定の「なり」は終止形接続(ラ変型は連体形接続)、断定の「なり」は体言・連体形接続で、接続がかぶっていることがある。 例えば、直前の語がラ変型だった場合や四段活用だった場合だ(四段活用は終止形、連体形が同型)。 このような場合にどう判断するかを覚えていこう! 重要 終止形・連体形が同型の語 + なる +名詞 → 伝聞推定 例 ほどもなしとか言ふなる身より思ひたまへあまりぬるを、(うつほ物語) 品詞分解 ほどもなし → 人の命は短いという意味とか → 格助詞「と」 + 係助詞「か」言ふ → ハ行 四段活用 終止形(形から終止形と判断)なる → (伝聞推定 なり 連体形)伝聞 ~そうだ、~とい…
●歌は、「鹿背の山木立を茂み朝さらず来鳴き響もすうぐひすの声」である。 京都府木津川市鹿背山東大平万葉歌碑(田辺福麻呂) 20240123撮影 ●鹿背山歌碑は、京都府木津川市鹿背山東大平にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「讃久迩新京歌二首幷短歌」<久邇の新京を讃(ほ)むる歌二首 幷(あは)せて短歌>である。一〇五〇歌(長歌)と反歌二首、一〇五三歌(長歌)と反歌五首の歌群である。この歌は第二群の反歌の四首目である。 第二群の長歌からみてみよう。 ◆吾皇 神乃命乃 高所知 布當乃宮者 百樹成 山者木高之 落多藝都 湍音毛清之 鸎乃 来鳴春部者 巌者 山下耀 錦成 花咲乎呼里 左壮鹿乃 妻呼秋者…
「を」には格助詞、接続助詞、間投助詞の三種類がある。 「を」を問われる問題として出てくることはほとんどないが、いたるところに「を」はあるから必然的に識別は必要になってくる。 今日は格助詞の「を」を見ていこう! 体言・連体形 + を → (格助詞)基本的には「~を」と訳す。状況に応じて、「~を通って、~を過ぎて」など付け加えて訳すこともある。 ※ 格助詞か接続助詞か間投助詞かの判断は現代語訳をして判断する。 例 伊勢、をはりのあはひの海づらを行くに、波のいと白く立つを見て(伊勢物語) 伊勢 → 名詞 おはり(尾張) → 名詞 の → 格助詞 連体格 ~の あはひ → (名詞)間、間柄、おり、情勢…
前回(2024/4/15)に引きつづき『猿丸集』歌の再確認をします。今回は第34歌です。 1.経緯 2020/7/6より、『猿丸集』の歌再確認として、「すべての歌が恋の歌」(付記1.参照)という仮説を検証中である。12の歌群を想定し、3-4-33歌まで、すべて類似歌とは異なる歌意の恋の歌であることを再確認した。歌は、『新編国歌大観』より引用する。 2.再考の結果概要 3-4-34歌 ① 『猿丸集』の第34番目の歌と、その類似歌と諸氏が指摘する歌は、次のとおり。 3-4-34歌 山吹の花を見て いまもかもさきにほふらんたちばなのこじまがさきのやまぶきのはな 3-4-34歌の類似歌: 1-1-12…
現代語でもその形を少し残しているので何となくわかりやすい接続助詞「ものの」。 出題頻度はそれほど高くはないが、きっちりとおさえておこう! 連体形 + ものの → (接続助詞)~けれども、~とはいうものの 例 冬の夜の澄める月に、雪の光あひたる空こそ、あやしう色なきものの、身にしみて(源氏物語) 冬の夜 → (冬+の+夜)名詞 の → 格助詞 連体格 ~の ※ 連体格は次に体言がくるが、「澄める月」を一つの体言と考えている。 澄め → (マ行 四段活用 已然形)くもりがなく明らかになること、物の音がさえる、しんと静まりかえる、人気がない る → 存続 り 連体形 ~ている 月 → 名詞 に → …
おはようございます。理加です。 いつもお読みいただきありがとうございます。 庭のツツジがもう咲きはじめています。 今年は咲くのが早いですね、といってももうすぐ5月です。 そういえば、ツツジって漢字が激ムズですね。。 躑躅と書くようです。。 それでは、今日も古語、いきます! など (疑問、反語表現を作って)どうして。なぜ。 今日は、副詞「など」のご紹介です。 これは、なぜ?という意味を表す語ですが、代名詞「なに」+格助詞「と」の変化したものか?と考えられているようです。 「など」系の語は他にもたくさんあり、副詞「などて」、連語の「などか」、「などかは」、反語的な表現で使われる「などてか」、「など…
●歌は、「埼玉の小埼の沼に鴨ぞ翼霧る おのが尾に降り置ける霜を掃ふとにあらし」である。 埼玉県行田市埼玉 前玉神社万葉歌碑(万葉灯籠)(高橋虫麻呂) 20231119撮影 ●歌碑は、埼玉県行田市埼玉 前玉神社にある。 ●歌をみていこう。 一七四四歌の刻されている箇所をアップ 20231119撮影 題詞は、「見武蔵小埼沼鴨作歌一首」<武蔵(むざし)の小埼(をさき)の沼(ぬま)の鴨(かも)を見て作る歌一首>である。 ◆前玉之 小埼乃沼尓 鴨曽翼霧 己尾尓 零置流霜乎 掃等尓有斯 (高橋虫麻呂 巻九 一七四四) ≪書き下し≫埼玉(さきたま)の小埼の沼に鴨ぞ翼霧(はねき)る おのが尾に降り置ける霜を掃…
今回は受身。 これもまた曲者。 対象を表す格助詞「に」が上にあれば簡単なんだが、そうでない場合も多い。 とにかく練習だ! 「る」 れ/れ/る/るる/るれ/れよ 接続 四段活用、ナ変、ラ変の未然形 「らる」 られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ 接続 上以外の未然形 意味 受身(れる、られる) 尊敬(~なさる、お~になる) 可能(~できる) 自発(自然と~れる) 「受身、尊敬、可能、自発」の見分け方 ① 高貴な人物+「る・らる」 → 尊敬 ② 感情・心中を表す語(思ふなど) + 「る・らる」 → 自発 ③ 上に「~に」とある、ない場合は補える → 受身 ④ 下に打消語がある → 可能 ※ あ…
「る・らる」の中で最も分かりにくいのが尊敬。 文脈判断に頼る部分があるのである程度内容を把握しないと尊敬だと言い切れない。 見抜けるように練習していこう! 「る」 れ/れ/る/るる/るれ/れよ 接続 四段活用、ナ変、ラ変の未然形 「らる」 られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ 接続 上以外の未然形 意味 受身(れる、られる) 尊敬(~なさる、お~になる) 可能(~できる) 自発(自然と~れる) 「受身、尊敬、可能、自発」の見分け方 ① 高貴な人物+「る・らる」 → 尊敬 ② 感情・心中を表す語(思ふなど) + 「る・らる」 → 自発 ③ 上に「~に」とある、ない場合は補える → 受身 ④ …
この句が良寛の辞世の句と言われ、「今美しく咲いている桜でもいつかは必ず散る」、「散る桜も残る桜もやがては等しく死を迎える運命にある」などと注釈されると、つい納得してしまいます。「私は命を終えていくが、残されたあなたたちも命を終えていく「諸行無常」の定め」などとなれば、なおさらです。さすがに、「咲いたからには散るのは覚悟」と言われると、賛成する人は多くないでしょう。「桜花 散るも残るも 散る桜」は論理的に違和感がなく、「散る命 残る命も 散る命」は良寛の句と似ているが、「白桜 赤い桜も 白桜」となると支離滅裂になる、と考えたA君は普通の注釈に不満を持ちました。 最初の「散る桜」と次の「残る桜」の…
今回は可能の「る・らる」を取り上げていきます。 「る・らる」の中でも比較的簡単です。 仮に現代語訳判断になったとしてもそれほど難しくはないのでサクッと覚えよう! 「る」 れ/れ/る/るる/るれ/れよ 接続 四段活用、ナ変、ラ変の未然形 「らる」 られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ 接続 上以外の未然形 意味 受身(れる、られる) 尊敬(~なさる、お~になる) 可能(~できる) 自発(自然と~れる) 「受身、尊敬、可能、自発」の見分け方 ① 高貴な人物+「る・らる」 → 尊敬 ② 感情・心中を表す語(思ふなど) + 「る・らる」 → 自発 ③ 上に「~に」とある、ない場合は補える → 受身…
「悪い子」の反対は「よい子」なのか「いい子」なのか、 「行く」の読みは「いく」と「ゆく」どちらが本来の姿なのだか。 調べ始めたらとんでもないことが出てきた。 私はこれまで何を学んできたのだろう。という話。(写真:フォトAC) 【「悪い子」の反対は「いい子」なのか】 次の◯◯に入る言葉はなにか。「◯◯子、悪い子、普通の子」 1980年代前半に一世を風靡した「欽どん!」というテレビ番組の人気コーナーの名前です。リアルタイムで見ていた人たちはかなりの年齢になるかと思いますが、知らなくても◯◯に入る言葉は予想がつくでしょう。その上で「良い子」なのか「いい子」なのかは問題になります。 答えは「良い子」。…
Facebookの元教え子の日本語表記が気になる。 「ゆう」は「いう」、「そうゆう」は「そういう」に、 それぞれ書き換えるべきではないか―― そう思って調べたら、とんでもない事実が判明した。 という話。(写真:フォトAC) 【四半世紀前の教え子にいうべきか】 10数年前Twitterを始めとするSNSの興隆に乗り遅れまいと、片っぱしアカウントを取ったのですが、現在、日常的に稼働しているのはLINEくらいのもの。X(旧Twitter)やFacebook、Youtubeはほぼ毎日開きますが、投稿することは稀。Youtubeとインスタに至っては登録時に動画や画像を上げただけで、以後、自分から発信する…
前回(2024/4/1)に引きつづき『猿丸集』歌の再確認をします。今回は第33歌です。 1.経緯 2020/7/6より、『猿丸集』の歌再確認として、「すべての歌が恋の歌」(付記1.参照)という仮説を検証中である。12の歌群を想定し、3-4-32歌まではすべて類似歌とは異なる歌意の恋の歌であることを再確認した。歌は、『新編国歌大観』より引用する。 2.再考の結果概要 3-4-33歌 ① 『猿丸集』の第33番目の歌と、諸氏が指摘するその類似歌とは、次のとおり。 3-4-33歌 あめのふりける日、やへやまぶきををりて人のがりやるとてよめる はるさめににほへるいろもあかなくにかさへなつかしやまぶきのは…