雪は激しくなり、日も暮れてきて、窓外はまったく暗鬱な風景へと変わった。 物理的な暗さを言えば、周囲にほとんど人工的な明かりのない我が家の方がずっと深いのだが、これはそもそも人のいないためで、人が少なからず住んでいるであろう集落に、明かりの点っている家がほんのぽつんぽつんと見えるだけなのは何とも寂しいものである。 中には空き家らしい建物もないではないが、立派な構えの屋敷でも灯を見せているのは稀で、まだ多くの人が勤めから戻っていない時間帯にしろ誰かは残っていそうなことを思い合わせると不思議な気がした。 しかしながら、個人的にこの情趣は嫌なものではない。 三時間乗車を続け、越後川口へ着いた時には辺り…