芸術家。作家、画家。 ハイレッド・センター、櫻画報、路上観察學会、トマソン観測センター、ライカ同盟、日本美術応援団などの活動を行う。 千円札を印刷して芸術作品としたため、刑事事件に問われ有罪となった(千円札裁判)。また、老人力を提案するなど独特の視点を持つ。 小説家としての筆名は尾辻克彦。 参考リンク:http://www.pluto.dti.ne.jp/~imasa/akas.html 2014年10月26日死去。享年77。
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2018年9月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 日曜日の午後、思い立って玉川学園の尚子さんを訪ねた。芸術家、赤瀬川原平さんの奥さんである。赤瀬川さんが亡くなったのは2014年10月26日。あれからもうすぐ4年である。 「奥さん」と書くと、「そういう呼び方が女性を差別している」と思われる方もあるだろうが、尚子さんの場合、この呼び方がしっくりくる。妻、パートナーというとちょっと違和感がある。 赤瀬川さんが亡くなった日、私は尚子さんに電話で呼び出され、かけつけた。頬の冷たくなった遺体のそばで、娘の桜子さんと尚子さんとしばらく共に過ごした。そして、夕暮れを前に南伸坊さんら友人らが…
2014年12月号掲載 毎日新聞地方部編集委員/藤原章生(当時) ここ2週間余り、風邪で臥せっていた。のどの痛みから始まり、37度台の熱にせき、たんがともなう、典型的な風邪だが、ずいぶんと長い。風邪薬や抗生物質をのんでも完治しない。単に抵抗力が落ちているようだが、何年かに一度、こういうことがあるので今回もそのパターンだと思う。 例えば、南アフリカや、メキシコを離れる直前、ギリシャ危機の取材が山を越えたころに、同じようなことがあった。その例から見ると、長い緊張から解けたあとに必ず起きている。熱心に仕事をして走り回っているときではなく、「そろそろ終わり」「山を越えた」という時期を選んで、このパター…
土曜日、 暑い。青い。まぶしい。 時刻は5時半。この時間でこの暑さ、この青空、この日差し。確かにもう6月後半に入ったタイミングではあるけれど、一応まだ梅雨だと思う。 まあ豪雨と比べれば全然ありがたいけれど、こんだけ晴れていると、なんだか天気に突き動かされてタスク処理をしているようで、ちょっと違和感がある。天気が悪いと、 「こんな天気でも頑張ってやっている自分」として、まるで自分がこの世界を動かしている、みたいなしょうもない魔法使いのような感覚に陥ることがある。 お天道様にはかなわない、そう思った。 さて、とにかくこんな日は世の中が混む。徹底的にテキパキと終わらせて、カフェに向かう。しかし、なん…
かつて赤瀬川原平さんの本から植物ワイパーというものを教えてもらったことがあります。観察してみると至る所に存在しています。 ”トマソン”という言葉も長らく認知していましたが、赤瀬川原平さんが命名に関与していたとは。語源はある人物由来なのですが、ご本人は知っているのでしょうか。 トマソン 不動産に付属し、まるで展示するかのように美しく保存されている無用の長物。(役にたたない・非実用) 柔軟で豊かな発想をお持ちの赤瀬川さんが、千利休、無言、前衛、についてあれこれ思索します。きっかけは映画の脚本でした。 この本は資料としては何の価値もない。 とあとがきにあります。確かに千利休のことについてはもっと詳し…
www.scaithebathhouse.com 以前こちらの記事で言及した故赤瀬川原平の写真展 su1264i.hatenablog.com 先週ふと思い出して、滑り込みで行ってきました。良いタイミングで思い出してよかった~ ギャラリーの外観はこんな感じ こじんまりとしたサイズに比して割合多くの人がひしめき合っていました。 赤瀬川さんの遺した写真を六人のアーティストやキュレーターが厳選し、展示するという企画展。鈴木康広さんという人のセレクションが私は好きでした。 この人の見ていた世界は、一体どれだけの密度と解像度で迫っていたんだろう。。改めてそんな途方もない気持ちになる展示でした。日々そうい…
『京都、オトナの修学旅行』 赤瀬川原平 山下裕二 著 ちくま文庫 自分は、なぜか中学、高校どちらの修学旅行も関西だった。 中学の時は普通に奈良・京都。 高校の時はグループ行動で門限時間までに宿泊場所へ辿り着ければよいというアバウトなルールではあったが、その宿泊場所が奈良・京都だった。あらかじめ公共交通機関の時刻表等を取り寄せてグループの行動プランを作る“予習”の時間が設けられていたし、モデルプランも提示されていたが、放任主義な高校で、時代的にもおおらかだったことから、“予定通り”の行動にならないグループが続出した。 朝食と夕食は宿泊場所で出されるものを食べるのだが、昼食はグループごとの自由行動…
「超芸術トマソン」を読了しました。 booklog.jp ↓トマソンとは? bijutsutecho.com 近年でもツイッターとかでこういう感じの投稿がよくあって、なんともいえない見落としがちでどうでもいい情報や景色が鮮やかに肉薄してくる感じ…とでもいいましょうか、それがたまらなく好きです このサイトみたいなのね。 shirouto-kenkyu.com トマソン関連ではないですが、特に好きなのはこの記事で、好きすぎて数年に一回読み返しています shirouto-kenkyu.com こういう世の中にほとんど認知されていない感じ、我々の観測で初めて実体が立ち現れてくる感じが良い。軍艦島みたい…
「眠れる森の美術」展 赤瀬川原平 中村正人。1997.10.10~11.3。 上野の森美術館(別館) THE BATHHOUSE 東京芸術大学(交渉中) 1997年 ワークショップもあり、それが日程が合わないと、見ていないことも多く、印象としては、中村政人のインタビュー集が強く、他のことはほぼ覚えていなかった。 赤瀬川原平 「今回は、彼が今最も興味を持っている写真にスポットをあて、猫の写真展をTHE BATHHOUSE」「で開催します。そして、煙突上には2m大の眠り猫を設置します。関連して、子どもたちを対象にしたネコのワークショップや、ペット探偵との対談を予定しています」。 中村政人 「この企…
待っていたメールが・・・届いた。 『 応募人数が定員を超えたので抽選を行った結果、残念ながら選外となりました 』 あさって日曜日の路上観察会、見事落選 (^^; 『 落胆されないで下さいね。日を改め追加募集を予定、希望される方は・・・ 』 捨てる神あれば拾う神あり、こちらは当選。 トマソンを探せ、今から楽しみ (^o^)/ 赤瀬川源平さんの展覧会、ほかに3人の方と共同展示。 中でも、牛島光太郎さんの作品が印象に残った。 添えられた言葉の豊かさ、詩のようでもあり短編小説のようでも。 たまには、こんな空間でのんびりするのもいいね。 さりげなく置かれた椅子、エレベーターですらアート。
まずメインの展示室、赤瀬川原平さんの作品バシャバシャ撮影。 鑑賞しながら、けげんな顔でワシをチラ見しよん皆さん。 『 ここって、ダメじゃないの? 』そんな声も・・・。 控えおろう、この撮影許可腕章が目に入らぬか! ダハっ (^^; 無用の長物、トマソン1号『 四谷階段 』 この発見を機に観察対象をひろげ、路上観察学会を創立。 役立たずを、芸術へと昇華させた。 一番笑ったのが、作品『 駐車場の中の主 』とトマソン報告用紙。 ええわ~こげん遊び、芸術やらこ難しいのは横に置いとこ。 そげん視点で館内を見れば、怪しげなオブジェあちこち。 思うように、動かん体がうらめし~。それでん、はまっちデベソおいさ…
日本の名随筆 (別巻73) 野球 作品社 Amazon 野球が大好き。年間365冊読む本のウチ、野球関連だけでも20冊は読むかなあ!そんなにあるのって思うかもしれないけど、あるのよー!!!(*^^*) さて、この本は野球に関しての随筆を集めたもの。スゴいのは宮沢賢治、正岡子規、夏目漱石が野球について書いた文章もあるのよ!!!スゴいでしょ!!!そのエッセンスを紹介しよう。 ・愉快とよばしむる者ただ一ツあり ベース、ボールなり 凡そ遊戯といへども趣向(プリンシプル)簡単なれば、それだけ興味薄く。さりとて囲碁、将棋の如きは精神を過度に費し、且つ運動にならねば遊戯とはいひがたし 運動にもなり しかも趣…
本の買取強化中です。JR小倉駅北口「小倉の古本屋」古書城田 JR小倉駅北口(新幹線口)の古本屋、古書城田です。北九州市内をはじめ福岡県内&近県、本の出張買取、本の遺品整理を行なっています。大量歓迎です。査定無料、出張費無料です。どうぞご相談くださいませ。 (買取専門)090-8839-9159 メール:shirota@mx71.tiki.ne.jp 古物商許可証 [第32483号/福岡県公安委員会] 全国古書籍商連盟北九州古書組合所属 店舗はJR小倉駅北口、徒歩1分の場所にございます。ファミリーマート小倉駅北口店さんのすぐ裏手となります。ご来倉の折は、どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。 〒…
舟を編む 三浦しおん 光文社 電子書籍 再読。NHKBSで放送中のドラマを見て、こんなエピソードあったかな?と、10年以上前の記憶を確かめた。出版社の辞書編纂部門の話だが、ドラマは原作の後半部分から始まっていた。そういえば映画もあった。原作は読みやすく、登場人物はコミック風で軽いタッチだが、会社で違う部署に異動になり、戸惑いながらも新しい仕事に向かって行く様子が面白かった。10年以上前の原作だから、ドラマでは辞書のデジタル化云々も出てくるのだろう。 探してみると、わたしの本棚に辞書・辞典・事典の類はもう一冊しかなかった。終活で他は潔く処分した。惜しい気もしたが、老眼であの小さな字が読めなくなり…
日曜日。曇。 NML で音楽を聴く。■モーツァルトの 二台のピアノのためのソナタ K.448 で、ピアノはマルタ・アルゲリッチ、セルゲイ・ババヤン(NML)。モーツァルトの傑作の、よい演奏。この曲についてはアルゲリッチはラビノヴィチ=バラコフスキーとの録音もあって(参照)、そちらの方が演奏の生命感はあると思うが、いまのわたしにはこれの方が好ましかった。この演奏は 2021.12.17 にも聴いているみたい。セルゲイ・ババヤンについてはわたしは何も知らないが、(一部で?)高い評価を受けているピアニストらしい。 ■プロコフィエフのピアノ協奏曲第五番 op.55 で、ピアノはセルゲイ・ババヤン、指揮…
花粉はスギの精子であるから、私たちは日々鼻腔や眼球に射精されていることになる。精子が体内に蓄積された結果アレルギーという受精卵が宿り、花粉症という種子(あかちゃん)となって私たちの体に一生残り続ける。私たちはスギの竿姉妹なのだ。スギは私たちを無責任に孕ませ、子には責任を持たず養育費(治療費)も支払ってくれないのだから無慈悲だ。蚊の次くらいに人を舐めくさっている生物である。 赤瀬川原平もアンディウォーホルも(※どっちもすごいとは思うけどなんか好きじゃない)、既存のモノに対して自分らが見方を変えることによって価値を創造している。この発想は、人間がモノに手を加えたり逆に減らしたりといった加工をするこ…
⭕️ 昨日の東日本大震災13周年のNHK報道より。22222の数字を見て9日に見たアートフェアと同室展示の松沢宥さんの話題に舞い戻ったと思いました。 松沢宥さんは1922.2.22の生まれです。2と2のゾロ目は松沢宥さんの世界へ誘うキーワードの一つです。 ⭕️ ψの部屋にて。日付は2018年10月14日 13回忌の集いにて。 中央に小宇宙の研究の文字。原子爆弾の開発者のオッペンハイマーが表紙のLIFE誌が右下に見て取れます。 机のあったコーナーにて。 ⭕️ 3月9日 国立近代美術館の開館時間が8時までの日だったのでアートフェアからホテルに行き荷物を置いて国立近代美術館の拙作に会いに行きました。…
日時 2024年3月24日(日)13:00開会(12時30分より受付) 会場 札幌大谷大学A棟3F・A304 交通アクセス(札幌大谷大学) 校舎案内・周辺環境(札幌大谷大学) インフルエンザや新型コロナウイルス感染対策として、以下の点にご留意ください 発熱等の風邪症状がある場合は、来場をお控えください。 会場入口には消毒液を設置しております。手指の消毒にご協力ください。 会場内においては、適宜マスクの着用をお願いします。 PDF版ポスターダウンロード(※発表タイトルに一部誤りがあり、3/8にポスターを差し替えました。改めてこちらからダウンロードをお願いします) 〈開会の辞〉 上戸 理恵(札幌大…
作者は『現代美術史』(山本浩貴著)に記された日本現代美術史を取り上げ、「驚くべきことに〈ネオ・ダダ〉は〈ハイレッド・センター〉の項目の中で、赤瀬川原平を語る際(「赤瀬川原平とネオ・ダダ」という小見出しが付され)わずか10行の記述にとどまり、解説以前の扱いになっている。」と語っている。アート史に埋もれつつある「ネオ・ダダ」を救済しようという試みが、本作の主題である。 ネオ・ダダとは、1910年代半ば~1924年に起こったアート活動である「ダダ」(1916年にトリスタン・ツアラが命名)の現代版である。ダダの流れから1924年、アンドレ・ブルトンが『シュルレアリスム宣言』を発表し、解剖台の上のミシン…
DTM、Desk Top Music デスクトップ=机の上で何でもできて、使い方もネットで学習できるようになって、もう20年ぐらいは経つのかな。 高機能なソフトが無料で配布されているから、オーケストラ曲を一人で演奏することもできる。 悪天候が続いたこともあり、家にこもって音楽ソフトの操作に悪戦苦闘していた。 満載された機能を操作するには30インチ以上のディスプレイが必要で、覚えたはずの新しい記憶は一週間で消える。 5歳児が盗み見た技を直ぐに真似て、ずっと覚えているのとは大違い。 赤瀬川原平が「老人力」と呼んだ無能化は日々進行し深まっている。 スケッチや墨書も楽しいがちょっと飽きてきた。 無駄な…
小学館の「図鑑NEOアートはじめての絵 画」を見た、読んだ。図書館のこどもエ リアで見つけて、そうそう発行された時 話題になって見たいと思っていたのを思 い出して借りてきた。 30年以上前に美術に興味を持ち、それま でマネとモネの違いもわからなかったの でなにかいい本、入門書はないかと探し たが、まだ当時はほとんどなくて画集か 岩波新書か専門書くらいしかなくて、結 構むつかしく困った。そこへ赤瀬川原平 が登場してきて読み漁ったことを思い出す。 そう、そのときにこの図鑑があれば5年 くらいは理解が早かっただろう。 絵画を説明するのはむつかしい、わたし が知りたいのは、ある気に入った絵画を なぜわ…
手塚治虫とモダニズムについては、われながら新しい見方で面白いと思ったが、これまで日本のモダニズムなるものについて、論評などはあまり読んだことがないので、最近になって少し本をあさっている。昭和初期の日本モダニズムは、あまり思想的なものはなく、風俗重視が特徴だという通説の通り、評論類はあまり面白いものが見つからない。 自分自身の読書歴をふりかえってみると、モダニストといってもよい著者のものを好んで読んできたような気がする。たとえば、マンガや美術評論では、石子順造。石子のことを、要するにモダニストだと高野慎三氏が対談か何かで語っていた。高野氏も銅板建築の写真集を出すくらいだから、モダニスト的なところ…
市川力・井庭数崇『ジェネレーター 学びと活動の生成』(学事出版)を読了。 ジェネレーター 学びと活動の生成 作者:市川 力,井庭 崇 学事出版 Amazon 二人の著書は自分たち教師の役割を、ティーチャー、インストラクター、ファシリテーターから、創造型社会の要請に応じてジェネレーターへと進化させようとする提言の書である。 ジェネレイトとは「生成する」という意味だ。新しいものごとが生成する場に参加し、役割を自ら担う。それをこの本ではジェネレーターシップと呼んでいる。 ものごとの生成の場では、「参加」という言葉を無自覚に使うことが多いが、「参加」という概念は幅広く、ただ集まるだけの参集、観察主体に…
レポート課題 任意の写真を一点選び、その写真が「何を」「どのように」表しているかを記述した上で、講義で触れた写真の理論(複製技術論、ストリート写真論)を踏まえて論述する。 字数:本文1200〜2000字(参考文献表、註などをのぞく) 書式:A4用紙横書き、明朝体 PDF形式で提出すること 取り上げたイメージやモノの図版を、必ずレポート内にレイアウトすること。 提出期限:2024年2月9日(土)23:59 提出場所:セイカポータル 講義 路上と写真 超芸術トマソン 赤瀬川原平『超芸術トマソン (ちくま文庫 あ 10-1)』 徘徊→観察→採集→分類 みうらじゅん『アイノカテゴリー』 『街のヘンなも…