米大統領選が激化するにつれて、内向き志向がさらに強まることが心配だ。 鉄鋼業界の大型再編を巡り、米国で保護主義の動きが顕在化している。日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収問題だ。 日鉄が昨年12月、約141億ドル(約2兆円)を投じて買収すると発表した。先進国最大市場の米国で高級鋼材の需要を見込む。粗鋼生産量は単純合計で世界4位から3位に浮上する。 世界最大の鉄鋼会社だった老舗の買収に、全米鉄鋼労働組合(USW)は「組合員と国の利益を危険にさらす」と反発した。 日鉄は「USスチールが米国の象徴的な企業であり続けるための最適なパートナー」だとして、一時解雇や工場閉鎖を否定する。これに対しても…