2017年9月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 わかり合えない溝があったのか。 先日、エッセイストの酒井順子さんにインタビューした後、少し落ち込んだ。うまく話を聞き出せないまま終わった感じがしたのだ。 それは、男と女という属性の違いなのか。私と彼女の間に感覚の違い、物を考える前提や筋道の違いがあったのか。丁々発止で話が進まなかった。 インタビューは、こちらと先方の話が3対7か4対6くらいで、向こうに語らせる時間がより多い方が効率が良い。だが、今回は5対5か6対4で、こちらがしゃべりすぎた感がある。だが、それは相手を刺激するためのもので、必ずしも、結果が悪いということにはな…