中央公論新社主催の文作賞。選考は非公募で年に1回、ただし該当作のでない年も多い。受賞は『中央公論』誌で発表される。
新人輩出のために1956年(昭和31年)より設けた「中央公論新人賞」を、中央公論社創業80周年を記念して同賞を発展的に解消し、全文壇を対象とする「谷崎潤一郎賞」を1965年(昭和40年)に、新たに設定したもの。(以上、イーエスブック・文学賞ページを参考にしました)。谷崎賞。
新潮社「波」3月号が届いておりました。表紙は、なんとガルシア・マルケスで ありまして、これはいよいよ「百年の孤独」の文庫本が発売になるのかと、巻末の 3月文庫リストを見たのですが、いまだでありました。 マルケスの小説「出会いはいつも八月」の宣伝をかねてのことでありました。 3月にこの作品がでるということは、文庫化されるのはいつのことになるのでしょう。 いまだ自宅内で「百年の孤独」を発掘することができずにいる当方は、近々にでる のであれば、再読するのは文庫が発売になってからと思っているのでありますが、 さて、どう考えればよろしいのでしょう。 この文庫は多くの売上が期待されているのでしょうから、そ…
ミトンとふびん吉本ばなな新潮社2021年12月20日 発行 2022年4月20日 五刷 2022年、第58回谷崎潤一郎賞(中央公論新社主催)を受賞した作品。短編集。ここ何年も、ばななさんの本を読んでいなかったので、久しぶりに読んでみる気になった。図書館で予約した。2か月くらい、、待ったかな。 本書は、短編集。ちょっと縦が短い、不定形な形の単行本。美しい絵の表紙。”Pearl” © Emma Hartman(2016) とあった。 吉本ばななさんは、吉本隆明さんの次女だ。1987年の『キッチン』がデビュー作、かな?ばななさんは1964年生まれ、私にとっては年上のお姉さん。10代のころに初めて読ん…
三大・渋い文学賞(個人的印象です) 芥川・直木以外にも文学賞はいろいろ(本当にいろいろ……)ありますが、谷崎潤一郎賞・泉鏡花文学賞・川端康成文学賞の三つは、個人的に「あまり目立たない賞だけど、いつも面白そうな小説が受賞しているなあ」という渋い賞という印象があります。(最初から失礼な物言いで申し訳ないのですが……) また全体的に、新人賞ではなくある程度のキャリアのある作家に与えられる賞という感じもしますね。(厳密にそういうわけではないです) 今回は自分用メモも兼ねて、とりあえず2010年以降のこの3賞の受賞作をリストアップしてみました。 谷崎潤一郎賞 中央公論新社主催 選考委員:2010年から …
今年の本屋大賞が発表されましたね これは大賞ではなく惜しくも2位だったけど、偶然というか、私は手にとって読んだのでこれもいいよ 『水車小屋のネネ』は、津村記久子による長編小説で、2024年本屋大賞ノミネート作品であり、第59回「谷崎潤一郎賞」を受賞しています。この作品は、生活に疲れたり方向を見失ったりした人々にとっての逃げ場となり、再び歩み始めるための力を与えるような物語です。小説は、18歳と8歳の姉妹が新たな町に着き、しゃべる鳥「ネネ」に出会い、その後の変わりゆく人生を、助け合いながら支え合う人々を描いています。 この物語は、家出を決意した姉妹と、彼女たちと交流を持つさまざまな人物たちの人生…
来たる4月10日。いよいよ、今年の本屋大賞作品が発表されます。今回の記事では、ノミネート作品10冊を一気にご紹介します! 黄色い家 君が手にするはずだった黄金について 成瀬は天下を取りにいく スピノザの診察室 星を編む リカバリー・カバヒコ レーエンデ国物語 存在のすべてを 放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件 水車小屋のネネ 黄色い家 あらすじ 惣菜店に勤める花は、昔の知人・黄美子が、監禁、傷害の罪で逮捕されたという記事をネットで見つける。20年前、ひとつ屋根の下に暮らした女性。あの家で私たちがしたことは…。 善悪の境界が曖昧になる、スリリングな犯罪小説 読売文学賞、王様のブランチB…
日没 (岩波現代文庫, 文芸352) 作者:桐野 夏生 岩波書店 Amazon 日没 (岩波現代文庫, 文芸352) 著者 : 桐野夏生 岩波書店 (2023年10月14日発売) f.2024/3/4p.2023/11/6 from amazon site 小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末は――。足下に拡がるディストピアを描き日本を震撼させた衝撃作、待望の…
『名誉と恍惚』上下 松浦寿輝 ★★ 岩波書店[岩波現代文庫] 2024.03.21読了 数年前に上海1泊3日の弾丸ツアーをしたことがあって、上海ディズニーランドだけを目的に楽しむという旅だった。泊まったホテルも出来たばかりのトイ・ストーリーホテル。日本のディズニーランドに比べると待ち時間も全然耐えられるし人の多さもそんなに気にならない。圧巻だったのが「カリブの海賊」で、これは2回も乗り今でも鮮明に憶えている。 と、、上海といえば私の中でその記憶が新しいのだが、近代史からみると上海事変など日本とは重要な関わりを持っている。この物語の舞台は1937年、日中戦時下の上海で、日本人警官芹沢一郎は陸軍将…
親密な手紙 (岩波新書) 作者:大江 健三郎 岩波書店 Amazon 親密な手紙 (岩波新書 新赤版 1993) 著者 : 大江健三郎 岩波書店 (2023年10月20日発売) f.2024/2/28p.2023/10/23 from amazon site 「窮境を自分に乗り超えさせてくれる「親密な手紙」を、確かに書物にこそ見出して来たのだった」。渡辺一夫、サイード、武満徹、オーデン、井上ひさしなどを思い出とともに語る魅力的な読書案内。自身の作品とともに日常の様々なできごとを描き、初めて大江作品に出会う人への誘いにもなっている。『図書』好評連載。 大江 健三郎1935年愛媛県生まれ。東京大学…
原田マハ『板上に咲く』(audible ORIGINAL)を聴き終わった。 原田マハの3年ぶりの長編大作だ。 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh (幻冬舎単行本) 作者:原田マハ 幻冬舎 Amazon 「わだば、ゴッホになる」との目標を持ち、西洋画から日本の伝統の木版画にたどり着き、「板画」に到達した棟方志功を妻・チヤの目から描いた作品。板画の発想は、チヤが毎日使う、まな板だった。 「神様、仏様、ゴッホ様」とゴッホをあがめる棟方志功は、ゴッホにはならずに、あるいはゴッホを超えて、世界の棟方になった。 棟方志功は苦節の後に、展覧会場でもめているところを3人に問われ、持…
そろそろ暖かくなってきたりそうでもなかったりする今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。中華圏でも旧正月が終わってようやく新年が始まっております。最近は出版社や書店がニュースの主役になることもなんだか多く、それぞれの役割がいろんな方向から問われているなあと感じつつ2月刊行の面白そうな新刊をまとめました。 ロ・ギワンに会った (韓国文学セレクション) 作者:チョ・ヘジン 新泉社 Amazon 韓国の現代文学を代表する作家の一人による、脱北者の青年を主人公とする小説。他の邦訳書に『光の護衛』『天使たちの都市』など。訳者はほかにチョン・ヨンジュン『幽霊』を手掛ける。 優しい暴力の時代 (河出文庫 …
真珠とダイヤモンド下:桐野夏生著のレビューです。 ☞読書ポイント 感想(ネタバレなし) 桐野夏生プロフィール 真珠とダイヤモンド(上)レビュー ☞読書ポイント 上下巻で読むのが大変かと思いきや、上下ともに面白くあっという間に読める一気読み系小説です。バブルの恩恵を受け、札束が飛ぶような派手な生活から、バブル崩壊後の転落の様子は恐怖そのもの。バブル世代も、知らない世代も必読の一冊。 上巻はどんな話だったか➡(上巻レビュー) 感想(ネタバレなし) 真珠とダイヤモンド 下 どういう展開になるのか、まだまだ掴めなかった上巻。証券会社に勤める男女3人の行方はどうなるのか。上巻はバブル景気に沸き立つ日本で…
日本芸術院会員 https://www.geijutuin.go.jp/info/202402000315.html 令和5年度日本芸術院【第二部(文芸)】第七分科(小説・戯曲)会員候補者として2月8日に日本芸術院長より文部科学大臣に上申され、令和6年3月1日付けをもって、文部科学大臣より発令の予定とのことです。 報道発表資料記載の推薦理由は以下の通りです。 「筒井康隆氏はSF作家として出発したが、その後、小説ジャンルの様々な可能性を実験的な手法(ユーモア・諧謔性、物語性、言語遊戯と批評性)を駆使して、優れた作品を生み出してきた。 それらの作品は多くの熱心な読者を獲得し、今も魅了し続けている。…
12日(月) 振替休日 今日は村のオコナイさん。村のお宮さんにこの一年の豊作やら無事を祈念します。滋賀県湖北地方の伝統行事ですけれど、ま、これも私の組では、コロナの影響もあって、オコナイさんはしますけれど、その後の直会など親睦行事はずいぶんと簡略化されました。時代の流れでもあるのでしょうけれど・・・。 オコナイさんの時には天気が荒れることが多い、とか言われることもあるのですが、今日も朝は雪が降り、お宮さんに集まったときも重たい積もらない雪が降ってました。すぐ霙になり、雨になりましたが。 午後は晴れてきました。新年度になり新しいファイルを買いに出ると伊吹山が春の西日を浴びていましたので何度かパチ…
Kindle Unlimitedが最近特に偉大で、 電車に乗ってる隙間時間やタバコをふかしながらの隙間時間にスマホでさっと読めるので、 インスタやTwitterなどなど目的もなくネットの海に彷徨わずにすむのが、気持ち的に有意義だなと思ってます。 月額980円かかるものの、本屋で買うのに躊躇うものや、もう店では出会わない本達を気兼ねなく読めるのもまた、 新たな出会いとしていいです! ビレバンで見つけて気になっていた作者:川上未映子に手を伸ばしてみました。 『シャンデリア』 タイトルの「シャンデリア」と聞いて皆さんは何を想像したでしょうか。 あめだまは、西洋建築の食堂の真ん中に堂々と吊るされている…
冬に子供が生まれる posted with ヨメレバ 佐藤 正午 小学館 2024年01月30日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す さて出る本。佐藤正午「冬に子供が生まれる」(1/30)、いよいよ発売です。直木賞を受賞した「月の満ち欠け」から7年ぶりの新作長編。いやぁ、下のアマゾンの紹介文を読むだけでなんだかドキドキしてきます。
小説というものには作者の生まれ育った地域の影響が少なからず出ているように思います。そこで北海道に住んだことのある作家を一覧にしてみました。受賞歴や映像化、漫画家された馴染みのある作品を中心に紹介したいと思います。(50音順) ア行 朝倉 かすみ(あさくら かすみ) 主な受賞歴 東 直己(あづま なおみ) 主な受賞歴 映画化作品 安部公房 (あべ こうぼう) 主な受賞歴 映画化作品 荒巻 義雄(あらまき よしお) 主な受賞歴 漫画化作品 有島武郎(ありしま たけお) 映画化作品 おすすめ作品 池澤 夏樹(いけざわ なつき) 主な受賞歴 石塚 喜久三(いしづか きくぞう) 主な受賞歴 石原 慎太郎…
毎月1日と15日にはオクーのハーフムーンランキングを発表しています。半月ごとの注目の本やイベントなどの紹介です。どうぞよろしく!*1月上旬はボケ〜っとしてたらランキングに挙げてたものがみんな終わっちゃったのでヤメました。すみません。