この日は特に忙しい日だった。 調停に行き、父の退院を迎えに行き、実家に連れて帰る予定だった。 調停は結局、相手方である妹たちは来なかった。そのことは想定していたので特に驚かなかった。 調停員は初老のおじちゃんとおばちゃんだったが、そもそも調書すら目を通さずに調停に出てきた。 なので、言われるままに最初から最後までのいきさつを説明したのだが、おじちゃんは理解力がないのか、何度も問いただしたり確認したり、質問してきた。明らかに調書を読んでないと感じたのでそのまま、 「調停員さんは忙しいのでしょうね。でも、数枚の調書すら読んでないのですね。」 と嫌味を言うと、図星なのかモゴモゴしながら、 「いや内容…