漢文学者。文学博士。 1883年6月4日、新潟県南蒲原郡庭月村(現・三条市)に生まれる。 東京高等師範学校卒業後、主に儒学を研究、大学教授を経て、1957年都留文科大学学長に就任。1928年から1960年にかけて大漢和辞典編纂の偉業を成し遂げ、1965年に文化勲章を受章。1982年12月8日死去した。 生家を含む小高い丘には記念館や庭園、道の駅などが建設され、一帯は「漢学の里」と称されている。
おはようございます。 読書がライフワークになっている 医療業界のコンサルタント ジーネット株式会社の小野勝広です。 長年、読書をしていると どうしても好きな作家さんとか 好きなジャンルに偏りがちですよね。 できるだけそうならないように 様々なチャレンジをするようにしていますが、 いつの間にか偏ってしまうのは 人情というものでしょうか。 自分のなかで 最近パターン化されてきてるなと思う時は あえて普段は読まないようなジャンルに手を出します。 私の積ん読本棚には ちゃんとそういう本も用意されております。 今回ご紹介する書籍は、 【 孔子・老子・釈迦「三聖会談」 】 です。 本書をピックアップした理…
東北新幹線に乗ると、各座席に『トランヴェール』という広報誌が置いてある。たいていは目を通す。年度末に息子と関西に行った時、往路は3月号で、北陸新幹線の敦賀延伸に関する特集だった。中に、「水月湖が語る過去、現在、未来の地球」と題して、福井県若狭町の「福井年縞博物館」を取り上げた記事があった。特に面白かったのは、その末尾にコラム的に枠で囲った「ミランコビッチサイクルはめぐる」という部分である。 博物館の2階に、ミランコビッチの著書『地球における太陽放射のリズムとその氷河期問題への応用』という本が展示してあるらしい。それに関する記事だ。 ミルーティン・ミランコビッチという人が、地球が受ける太陽放射量…
「『大漢和辞典』の百年」(池澤正晃、大修館書店、2023年12月、3400円)を読み終えた。出版は文化なのだというのが感想だ。すごい本に出会った。「諸橋漢和」を読むことはないだろうが、せめて図書館で見てきたい。諸橋轍次さんは初代の都留文化大学学長だった言うのも知った。 最後の方で、酸性紙から中性紙へと本に利用する紙の質の転換のことも知った。それと、大漢和辞典のデジタル化が完成したとのことも知った。 <平成三十年(2018年)9月10日、大修館書店は創業百周年を迎えた。その前日、9月9日の全国各紙の朝刊には、「性器の大出版、デジタル化成る」の大見出しと共に『大漢和辞典(デジタル版)』発売の全面広…
この本は私に迫ってくエネルギーがある。辞書とは学ぶとは学問とは人間とはを付きつけてくるのである。 「大漢和辞典」を作った諸橋轍次とはいかほどの逸物であったのかと思う。 <東京師範学校の授業の中で、諸橋は学生を前にして「満州国は失敗であった」と言ったことがあった。その場にいた中田祝夫は、挙手をして、「先生、どういう点で満州国は失敗であったのですか」と質問した。中田の質問は、満州国は立派に発展しているし、東洋の安定に寄与しているはずなのに何故?」という思いからだったが、「しかし、諸橋博士は」ちょっと口ごもられるようであって、精しくは答えて下さらなかった。長い長い沈黙があって、やがて授業に移って行か…
今日はよい天気となり、満開とはいかないまでも、桜も二三部咲きそうな気配である。 中央公園の桜を見に行こうと思う。この一週間のニュースは、何といっても尊富士の優勝である。2敗こそしたが、足の怪我をおしての優勝は見事である。14日目の取り組みで足を痛めたときには、もうだめだと思った。足を引きずって退場し、4時間も病院で手当を受けた報道があったので、気合で出ても満足な試合運びはできないのではと心配した。ところがどっこい、結果は足をかばいつつ、押しの一手で優勝を勝ち取った。まだまだ伸びしろがあるので、来場所の活躍を期待したい。プライベートの一週間は、月曜から息子の家の犬をあずかり、我が家は3人家族にな…
一条真也です。3月22日は、「世界水の日(World Water Day)」です。淡水の保全と持続可能な淡水資源管理の促進への人々の意識を啓発し、各国の行動につなげるため、1992年12月の国連総会で制定されました。 ユニセフ公式HPより 「世界水の日」の制定以降、世界中で毎年3月22日やその前後に、さまざまな催しやキャンペーンなどが行われています。制定の背景には、地球上のすべての経済活動や社会活動は、質の良い淡水とその供給に大きく依存しているにもかかわらず、人口と経済活動の増加により、多くの国が急速に水不足に陥ったり、経済成長に行き詰まったりしている現状への危機感がありました。 今日の「世界…
昨日の朝日歌壇に <アルバムを見て思ふ背広など着たことのなき父の一生(大分市 野田孝夫)>、という歌が載っていた。おそらくこの方の父親はひたすら仕事着を着て働いてその姿をこどもに見せて去っていったんだろう。この歌を読んで私の父をおもい浮かべた。やはり背広は一つ革靴も一つ、冠婚葬祭用の黒服が一丁、あったと思う。高等小学校の学歴だ。私が五歳頃に家を新築した。それを祝いしてか地元の父の同級生会を父の家で行ったことがあった。そのとき「俺の父ちゃんは案外と人気があるのかな?」と思った記憶がある。貧しい家であった。ボロボロの国語辞典が一冊しかなかった。本というものは他になかった。しかし、新聞を購読していた…
○日曜日の朝、2月11日、森 大宰問於子貢曰、夫子聖者与、何其多能也、子貢曰、固天縦之将聖、又多能也、子罕六 呉の大宰である嚭、子貢に問う、孔夫子は聖人であられるも、どうして諸事多能であられるのか。子貢はいう、孔夫子は天より許しを得た、真の聖人であられます。その上に天より多能も授けられたのです。 「高弟の子貢であれば、当然ながら孔夫子の出自も存じているし、聖人は多能ではない先王の教えも知っている。故にこのように、多能も天からの命であると嚭にお答えしたのだ。孔門きっての秀才、子貢らしい返答だし、子貢が如何に孔夫子を尊敬しているのかも伝わってくる」 #論語 ○日曜日の朝、自宅 「ここ半年、アトピー…
外篇 第十一 在宥篇より 【「天下を治めるという人為がなくては、人の心をよくすることができないのではありませんか」 すると、老子は答えた。「お前は人の心を乱すようなまねを慎むがよい。人の心は、おさえつければ下にさがり、おだてれば上にあがるもので、上下しているうちに身をとらえて殺すものだ。人の心というものは、それがしなやかであるときは、剛強なものを柔らげる力をもっているが、いったんこれに角をつけたり削ったりして細工を加えるようなことをすると、もえる火のように熱くなったり、いてついた氷のようになったりして、手におえないものとなる。その動きの速さは、またたくうちに世界のまわりを二周もするほどである。…
○日曜日の午後、1月21日、自宅 詩云、戦戦兢兢、如臨深淵、如履薄氷、而今而後、吾知免夫、小子。泰伯篇三 曽子、傷のない手足を見せていう、詩経にこうある『戦々恐々として深き淵に臨みて、薄氷の上を歩むが如く』と。臨終を迎え、ようやくこの心配から離れられるのだ。お前たち、よく理解するのだよ。 「孝とは親に心配をかけない、=親から与えられたこの身体を傷つけ、欠損させないこと。しかし、この乱れた世の中を生き抜くには並大抵のことではなく、文字通り、薄氷を踏むが如く、慎んで生き抜くことの大切さを曽子は臨終にて弟子たちに述べた」 #論語 ○月曜日の朝、通勤 曾子有疾、孟敬子問之、曾子言曰、鳥之将死、其鳴也哀…
○日曜日の午後、1月14日、ウオーキング 子曰、若聖与仁、則吾豈敢、抑為之不厭、誨人不倦、則可謂云爾已矣、述而篇三十三 孔夫子はいわれた、学問の道の目標とは、自らを聖人や仁者へと近づけることであるが、私は未だにそれらに及ばない。ただ、止まることなく学問の道を歩み、飽きることなく人に教えることだけだな。 「若聖與仁、則吾豈敢とあるも、常に学ぶ、省みて実践する人こそ聖人であり、仁者なのだと思う」 #論語 ○日曜日の夜、自宅 「毎日、根本通明先生の論語講義を少しずつ繰り返し読み、ノートに写経している」 「参照として、諸橋轍次先生の論語の講義を横に開くと、どうも形が良くない、机上が狭すぎる」 「明日が…
2024年、新年あけましておめでとうございます。 2024年=令和6年、今年の干支は「たつ」。 たつ年。あなたはどちらの「たつ」の漢字を使いますか?↓ 実際どっちの漢字が正しいのでしょうか。 「龍」を簡単にした字が「竜」です。現在,「龍」は人名用漢字で,「竜」は常用漢字です。歴史人物の表記については,統一のルールがあるわけではありません。複雑で難しい字ではなく,できるだけ常用漢字を使うべきだという考えと,本人が使った字を使うべきだという考えの両方があります。 「竜」と「龍」はどちらが正しいの? | 生徒の広場 | 浜島書店 龍・・・人名用漢字 竜・・・常用漢字 なんだそうです。 常用漢字(じょ…
『大漢和辞典』の偉業 〜なんちゅう話だ 大修館と『大漢和辞典』 生涯を掛けた一大事業 困難を極める道のり 〜活字作成、戦争、病気、長い時間… 完成した世界最大の漢和辞典 国家事業並みの民間事業 参考となる本 【大漢和辞典】 『大漢和辞典』の偉業 〜なんちゅう話だ さて、ついでに戦時中のすごい出版話として『大漢和辞典』という漢和辞典について紹介してみたいと思います。 大修館と『大漢和辞典』 『大漢和辞典』は大修館という出版社から出ています。大修館は辞典出版で有名な出版社です。この文章を読んでくださっている方の中にも、学生時代に使っていた辞書の中に大修館のものがあるかもしれません。もし学生の方がい…
三国志の前半を盛り上げる人気者、袁術。この人の名前を普通に音読すると「えんじゅつ」ですが、「えんすい」という読み方もあるという話を聞いたことがある方も多いと思います。一体「えんすい」という読み方は何なのか、エンジュツとエンスイどちらで読めばいいのか?調べてみたところ、『礼(らい)記(き)注疏(ちゅうそ)』にヒントがありました! 意味によって発音が変わる漢字には要注意 あざなと関係のある字義の読み方で読めばよい 大漢和辞典に載っている二つの読み方 そもそもどうして「えんすい」説があるのか? 胡三省が言ってる「月令の審らかに径術を端すの術」って何?? どうして『礼記』「月令」の「術」は「遂」と読む…
1)第5段 要旨 とにかく静かに内省的な隠遁生活を送ることを至高のこととし、それを、顕基(あきもと)中納言という人がいったという「冤罪の身ながら配流された流刑地で見るような月を見たい」という、インテリ共通の知識らしいことばを引用することで、強調しているようです。 顕基中納言のことばをどう理解したらいいのかということに、昔から多くの識者や学者さんたちが取り組んできた歴史もあったみたいです。 0)前置き以下の4点を参照しつつ『徒然草』を、下手の横好き読解しています。①旺文社文庫『現代語訳対照 徒然草』(安良岡康作訳注/1971初版の1980重版版) ②ネット検索 ③『角川古語辞典』(昭和46年改定…