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診療情報提供書

(社会)
しんりょうじょうほうていきょうしょ

医師が患者が次に行く事になる病院宛に作成する紹介状の事。
長い間、医師の紹介状による患者の紹介は慣行として行われてきたが、日本国が医療のあり方をインフォームドコンセントに変えていく事にした際に紹介状の提供は診療情報提供として健康保険制度の項目として扱われる事になった。

健康保険制度における診療情報提供

診療情報提供は健康保険制度においては診療情報提供料(I)*1および診療情報提供料(II)*2にその扱いについて記述されている。ここで診療情報提供料(I)は別の病院への紹介、診療情報提供料(II)はセカンドオピニオンの受診についてのものとなっている。
内容について、厚生労働省の通知により診療情報提供料(I)では

保険医療機関が、診療に基づき他の機関での診療の必要性等を認め、患者に説明し、その同意を得て当該機関に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に算定する。

診療情報提供料(II)では

診療を担う医師がセカンド・オピニオンを求める患者又はその家族からの申し出に基づき、治療計画、検査結果、画像診断に係る画像情報等、他の医師が当該患者の診療方針について助言を行うために必要かつ適切な情報を添付した診療状況を示す文書を患者又はその家族に提供した場合に算定できるものである。なお、入院中の患者に対して当該情報を提供した場合であっても算定できるものである。

と定められている。これらはインフォームドコンセントのコンセプトの下に患者が関わる事で、継続的な医療の確保、適切な医療を受けられる機会の増大、医療・社会資源の有効利用を図ろうとするものであるとされる。

付随事項

これが無い場合、診察に際し追加料金を支払ったりする必要があったり、大病院では診察を断られたりもする。*3
保険適用ではなく自費扱いでの紹介状発行を行う所も多いが、この場合は大体3000円程度で発行される事が多い*4。(※しかしながら保険医療機関において自費扱いの紹介状発行を行う事は混合診療を行っている事になる。これは健康保険制度における禁止事項なので最寄りの地方厚生局の指導監査課に相談通報するべき状況である*5。保険医療機関においては診療情報提供書は保険項目の中で扱われるものである。)

*1:参考:B009 診療情報提供料(I) | 平成26年診療報酬点数表 | しろぼんねっと

*2:参考:B010 診療情報提供料(II) | 平成26年診療報酬点数表 | しろぼんねっと

*3:ただし医師には医師法19条1項の応召義務(診察の求めがあれば応えなければならない)があるのでこれを持っていないからといって診察を断るのは違法と判断される。診療情報提供書は絶対に必要なものというわけではない。

*4:保険診療では診療情報提供料(I)は250点の診療報酬。本人3割負担で750円〜

*5:この問題については傷病手当金も参照のこと

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