アントン・ブルックナーの作品、と言っても私は交響曲以外ほとんど知らないのだが、私はその数少ないブルックナー作品に、若い時分から心を惹かれていた。 最初のきっかけは、不眠症対策だった。京都の学生時代、あれこれ悩みも多くて眠れない日が続くので、西洋古典音楽に詳しい友人に「よく眠れる音楽作品はないか」尋ねた。彼の答えは「ブルックナーでも聴いてみたら?」であった。研究室にクラシック好きな助手の先生がいて「あれはダルイでぇ・・」と勧めて(?)くれた。それやこれやで、ブルックナーのLPを聴くことになった。ちなみに、その助手先生はモーツアルトが好きで、特にクララ・ハスキルを好んでいらした。その後、私もヴァイ…