稲荷山古墳から出土した鉄剣。鉄剣の主「乎獲居臣」を従えた「大王」とは。既成概念に与する事無く忠実に論証を重ね、関東に独自の国家権力が存在したという事実にたどりつく。巻末付録に現地講演録「関東の大王と稲荷山古墳の鉄剣」をあらたに所収。対話形式で極めて読みやすい。好評の古代史コレクション第二八巻。待望の復刊。 著者の研究に触発された研究者が、栃木県藤岡町の大前神社に「磯城の宮」という地名を発見する。ということは鉄剣銘の「〇多支〇大王寺在斯鬼宮時」の「〇多支〇大王」は関東の王であり、その皇居は、栃木にあり、大和朝廷以前に複数の朝廷があったことを意味する。 「定説」を提出した大研究者たちからの反論の声…