「フィロソフィア・ピュシス(philosophia physice)」の訳語。 自然を総合的かつ統一的に解釈しようとする哲学のことをいう。 古代ギリシャにおける自然の原理的探究として始まり、近代以降における自然科学の根本概念や前提について認識論を考察する哲学に及ぶ。 アリストテレスが、第一哲学に位置づけた「神学」と「形而上学」に対して、第二哲学の内容として「自然哲学(自然学:physica)」と呼んだことに始まる。
第一哲学、第二哲学、フリードリヒ・シェリング、ドイツ観念論
久しぶりのブログ更新. 先日,日本ライプニッツ協会第11回大会にて,「延長とは何か?──連続体の本性と起源をめぐるライプニッツの考察──」と題して,研究発表をしてきました. 実は,初めて世に出した論文の中で,連続体の迷宮に対する積極的な回答が,力の概念にあると述べ,ライプニッツが形相的な原理を要請した理由を,彼の数学的自然学の基礎をめぐる力の形而上学の展開において考察することが今後の課題である,としたものの,最近までこの課題に取り掛かれていませんでした(池田真治,「ライプニッツの無限論と「連続体の迷宮」」,『哲学論叢』第31号,2004, p.47-48). 自身のこれまでの怠惰と,困難な課題…
皆様こんにちは。 前回は陰陽論についてでしたが、今回は五行論についてお話しします。 五行論は自然を構成する基本要素を木・火・土・金・水の5つに分け、それぞれの関係性と秩序を説いたものです。 五行の秩序をつくる関係性は相生と相剋と言われる原理です。 相生は母子関係(木→火→土→金→水:相互に助け合う関係)であり、相剋は剋する関係(木→火→土→金→水:相互に制御する制御し合う関係)です。 たとえば、この五行に臓腑を割り当てると、木は肝、火は心、土は脾、金は肺、水は腎となり、臓腑の関係は相生と相剋で説明できるようになります。 相生では「肝は心の母であり、心を養い育てる臓」となります。 したがって、心…
自然哲学/世界史編 紀元前 BC7000-3200 四大文明 BC753 古代ギリシャ BC594 アテネ BC551 孔子・春秋戦国時代 BC334 アレキサンダー BC247 始皇帝 AC30 キリスト 184 張角・三国志 239 卑弥呼 375 フン・ゲルマン民族 392 ローマ国教、天然痘 481 フランク王国 570 ムハンマド 610 イスラム教 737 天然痘 1054 キリスト教分離 1274 モンゴル・元寇 1346 ペスト 1430 ジャンヌダルク 1500 大航海時代 1600 江戸時代 >人類誕生 アフリカから世界へ 粘菌の広がり www.youtube.com >メ…
既にご紹介した通り、古典期のギリシアで西洋哲学が始まったこと、またソクラテスが西洋哲学の祖と目されていることは確かです。しかしこれらのことは、必ずしも事実ではない――より正確には、事実の全てではありません。ソクラテス以前の哲学者、と今では呼ばれるようになった人たちが、ソクラテスがこの世に生まれる以前から様々な思索を巡らしてきたこともまた事実であり、その一部は現代にも受け継がれています。 少し乱暴にまとめると、ソクラテスがものごとの「定義」を求めたのに先駆け、彼らはものごとの「原理」を探求したのだと言うことができます。その意味で、哲学のルーツのもう一方を担う存在なのだと言ってもいいでしょう。また…
『想像力は万事を左右する。それは美や正義や幸福を作る。それらはこの世の万事である。パスカル』 「想像力の欠如」を嘆く声が、あちらこちらから聞こえてきます。 また、「KY」なる言葉がはやった時期もありました。 「KY」とは「空気を読めない」という意味合いで、あの人は鈍感だと揶揄する隠語です。 今では、ワザと「空気を読まない」利己的な動きが跋扈しているように感じられます。 本来は、自分を大切にし、他人も大切にするという共存共栄の大らかさを感じる世の中でした。 しかし、近年の風潮は、人と人を分断して、ギスギスした社会にされているように感じます。 そろそろ、方向を切り替えて、想像力を再学習して、再構築…
アンティステネス はソクラテスの影響を受け、禁欲を重んじ、貧しい人々に教えを説いた。弟子のディオゲネスは過激な禁欲生活を送り、「犬のような生活」から「犬のディオゲネス」と呼ばれた。ディオゲネスは「コスモポリテース(世界市民)」という言葉を作り、後のコスモポリタニズムの源流となった。キュニコス派はシニカルの語源となり、ストア派に影響を与えた。一方、メガラのエウクレイデスもソクラテスに学び、メガラ派を開いた。メガラ派では近代の命題論理に近い論理学が発展し、エウブリデスはパラドックスでアリストテレスの論理学に対抗した。メガラ派の論理学はストア派に受け継がれた。 Antisthenes, influe…
90年代のウォーハンマー周辺の思い出 晶華「1991年に彗星のごとく登場して、出版元の社会思想社さんが92年から93年に経営不振から、ゲームブックやRPGのサポートから撤退したために、ファンから惜しまれながら展開終了したウォーハンマー初版です」 NOVA「まあ、AFF『タイタンふたたび』のGMを山本弘さんから受け継いだ友野詳さんが、続いてウォーハンマーのGMを務めて人気を獲得した実績もあって、氏の代表作GURPSリプレイから始まった『ルナル・サーガ』の立ち上げにもつながる土台となったわけで」 【合本版】新装版 ルナル・サーガ 全6巻 (角川スニーカー文庫) 作者:友野 詳 KADOKAWA A…
表題にある2階から卵を割らずに落とす方法という本を読んでみた記録。 科学技術史を扱った本なのだが、子供向けのかなり平易にかかれていて、説明の後に簡単にできる実験も紹介されているのが本書の特徴。 私は科学を紹介するデモンストレーション的な実験も好きなのだが、そういったもののヒントになるかもと思って読んでみた。 そういう意味ではあまり狙い通りではなかったのだが、気になったところをメモしておく。
アイザック・ニュートン『プリンキピア』(1687年) 回っているのは地球か、太陽か 印刷技術がなければ、「科学革命」も違った姿になっていたことでしょう。これは17世紀のヨーロッパで生じた科学知識の急速な発展のことです。中でも天動説から地動説への転換は、最も劇的な進歩でした。 ヨーロッパでは、長らく天動説――宇宙の中心に地球があり、他の天体がその周囲を回っている――という宇宙モデルが信じられていました。これは紀元前400年ごろにプラトンが考案したモデルに基づいています[11]。紀元前3世紀にはアリスタルコスが地動説――太陽が宇宙の中心にあり、その周りを地球やその他の惑星が回っている――というモデ…
カール・アンダーソンが贈るナチュラル・ハイジーン・クラシックス 以下、翻訳です。 "INHSの会員であり、長年の衛生学者であるカール・アンダーソンが、"Dr. Shelton's Hygienic Review "やその他の出版物から興味深い記事を集めて紹介する。「シェルトン博士の文章を知らない人たちがシェルトン博士のことを知り、自分でも研究してみたくなることを願って、これらの記事を掲載しました。私は個人的に、HMSは私にとって "最終的な "権威のひとつであると考えています」。 記事集の続きはこちら 病気は治療活動である-HMシェルトン 衛生評論第XXIV巻、1978年7月、第11号病気は治…
2024年 早稲田大学法学部 国語(現代文パート) 解答解説第三問(三)16点 ◎本文展開(マッピング)第一意味段落(①~③) ① ブルーノ(ルネサンスの哲学者)・・・コペルニクスの地動説を敷衍 宇宙の( A )性と世界の( B )性を提唱 ② ブルーノがコペルニクスから読み取ったもの ↓ ・知の新たな基礎づけ=彼自身の野心的な哲学プログラムに呼応する宇宙論の素材 ・不和と虚栄にまみれた人間社会の中で真理を語るという道徳の判例 ↓ (1)コスモ土ジーとモラルの二つに関して、ブルーノは自身と共鳴するものをコペ ルニクスのなかに読み取った ③ ブルーノ・・・同時代の天文学の研究成果を吸収/自身の自…
紀元前3世紀にアリスタルコスが宇宙の中心に太陽が位置するとした太陽中心説を唱えたことは広く知られているものの、資料が乏しいため、その学説の詳しい内容についてはよく分かっていない。アリスタルコスの太陽中心説についての情報源としては、時代的にも近く高度な数学的知識を持ったアルキメデスによる記述が最も信頼できる。また時代的に少し離れていて高度な専門性は期待できないが、プルタルコス(紀元46頃 ~120頃)によるものもある。紀元前1世紀のウィトルウィウスは、その『建築書』において数学的技芸の達人としてアルキメデスらと並べてアリスタルコスの名前を挙げ*1、また月の満ち欠けについてのアリスタルコスの説明も…
Wal Thornhill・ Stars in an Electric Universe, Part 1 ・ NPA18 ウォル・ソーンヒル・ 電気的宇宙の恒星、パート1 ・ NPA18 1 ――――――――――――――――― 2Well it's my great pleasure to introduce Wal Thornhill as the 2011 John Chappell memorial lecturer. さて、2011年のジョン・チャペル記念講演者としてウォル・ソーンヒルをご紹介できることを大変嬉しく思います。 3Wal is a guru, who knows his …
A Real ‘Theory of Everything’ 本当の「万物の理論」by Wal Thornhill | January 1, 2006 8:05 amThe editorial of New Scientist of 10 December 2005 is headlined: 2005年12月10日の『ニュー・サイエンティスト』社説の見出しはこうだ:“Ideas needed: The hunt for a theory of everything is going nowhere fast.” 「アイデアが必要です:万物の理論を探求することは、決して早くは進みません。」 It…
近代科学の方法論における革新者、フランシス・ベーコン。彼の名前は、経験論の父として、そして帰納法に基づく科学的探究の方法を提唱したことで、科学史に不滅の足跡を残しています。イギリス出身のこの哲学者は、自然界の法則を理解する新しい道を開き、後世の科学者たちに大きな影響を与えました。ベーコンの生涯と業績を通じて、彼がいかにして現代科学の基礎を築いたかを探ります。 生涯と業績 フランシス・ベーコンは、イングランドのロンドンで生まれました。彼の父はエリザベス1世の下で務めた法務官であり、若いベーコンは最高の教育を受ける機会を得ました。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで学んだ後、フランスの大使館で働…
未だお店の名前を決めてなくて 「エーテル」という名前にしました。 (エーテルの意味) 光が波動として伝搬する為に 必要な媒質された物質。 自然哲学上の概念で天界を 構成する第5元素。 等が有ります。 地球に生きる全てのものは宇宙と繋がっています。 そんな意味でお店の名前にしました。 手から見えないエネルギーが 放出されていると言われています。 誰にでも備わっている癒やしの力は 特別なものでは有りません。 想いは相手に伝わるものです。 ストレスや悩みで体調を崩したり 毎日が辛い方の力になれたらと思います。 勿論、健康な毎日を送りたい方は 心と体をケアしてみませんか? 香川県女性専用リラクゼーショ…
『涙とともにパンを食べたものでなければ 人生の味はわからない。ゲーテ』 人生の苦労や苦悩を記したゲーテのフレーズです。 パンがあるだけ有難い状況なのかも知れません。 涙を流しながらパンを食べるという経験を持っている方も多いと思います。 私にも似たような経験があります。 それは、経済的などん底です。 商売の方法を知らずに赤字、手元資金も心許なく、どうなるのかと不安を強く感じたときがありました。 お金のメドが立たないと、お金を動かす優先順位が、考えられないのですね。 自分の健康が一番なので、食生活は基本に、キチンとする必要があるのに、それが、できていなかったのです。 これも、一種のセルフネグレクト…
伊藤亜紗さん、アダム・タカハシさんと「新しい文理のデザイン」というテーマでお話ししました。 掲載はDISTANCE.mediaで、編集部による記事へのリード文はこんなふう。 グローバリゼーション、デジタル化、環境問題、紛争、分断などが、私たちの前に複雑な課題を突きつけている。これらの問題の多くは、伝統的な学問分野の既存の枠組みでは適切に対処できない。異なる学問分野の統合や再編成を通じて、「文系/理系」という二項対立に象徴される従来の知のパラダイムを変革することが不可欠である。そこで、特集「文理のエコロジー」では、アカデミアの役割を問い直し、新たな知のデザインを探る。 この鼎談では、「他者の言葉…
問題と目的 人を助ける、援助するという事が人間社会の中の制度となった歴史は、医療や法律といった人間社会の古くからある制度に比べ新しくまだしっかりとした構造とはいえないと考えられます。古くは、宗教がその多くを担っており、寺院や教会などの施設では、神の代わりに手当て(care)と、歓待(hospitality)をしていたと考えられます。また、法律の制度の成り立ちからは神の代りに人を裁くという、神(権威)の代行者(あるいは預言者)という構造をみることができます。 例えば、対話による援助技術のひとつであるカウンセリングでいえば、パーソンズらの職業ガイダンス運動、ピアーズの精神保健運動、知能検査の発展と…