4月21日朝、南九州一帯は快晴でした。平和であれば、機上から見た出水の初夏の景色はことのほか美しくみえたことでしょう。 しかし、3日ぶりにB-29 の大編隊が九州に向けて飛行中との情報が入ると、出水基地に駐留していた梅本大尉以下のゼロ戦部隊14機は一斉に上空哨戒ならびに邀撃のために発進。高度7000mで敵機来襲を待ち構えていました。 すると南東方向から8機のB-29 が高度4500mで出水をめざしているのが確認できました。優勢な占位を生かして各小隊4機編隊で前方上方から一斉に射撃を加えました。 第2小隊一番機の水谷中尉機が放った20㍉機銃が先頭を行くB-29 の前方銃座に命中、撃破一機を記録し…