ジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか』(10) 今回は、第3章 無の小史 の続き(p.86~)である。 空間とは何か 哲学者の間では、空間(時空)とは本当は何なのかについて、2つの対立する見方がある。 1) 実体的な見方は、ニュートンに遡る。その見方では、空間は実際に存在するもので、それ固有の構造があり、例え、中に含まれているものがすべて消滅しても、空間は持続すると考える。 2) 関係的な見方は、ニュートンの最大のライバルだったライプニッツに遡る。それによれば、空間は、それ自体ではものではなく、もの同士の複雑な関係に過ぎない。ライプイッツの見方では、空間は、それが関係するものから離れると、もは…