(2023/10/26) 『江戸怪奇標本箱』 藤巻一保 花輪和一 柏書房 2008/2/1 <霊界の乗り物の怪> <過去を容れておける壺> ・壺公(ここう)という仙人がいる。葛洪(かつこう)の『神仙伝』に登場する古代の仙人で、壺のなかの仙界、壺中天(こちゅうてん)に住んでいた。費長房(ひちょうぼう)という役人がそれを見て壺公に弟子入りし、のちに彼も壺中に入ることを許されて、地仙という位の低い仙人になった。 壺公らが入りこんだ壺というのは、“タマの宿り場”の一種だ。 タマとはヒトダマやタマシイ、祖先の霊を祀るお盆のタママツリなどのタマで、霊魂や神を表す日本の古語だ。 このタマには、特徴的な習性が…