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矮新星

(サイエンス)
わいしんせい

明るさが変わる星「変光星」の一種。
普段の暗い状態から突然「アウトバースト」と呼ばれる明るい爆発状態が観測される。アウトバーストの間隔は短いもので数週間、長いものは数十年に一回のものもある。増光振幅は3等から8等くらい。新星や超新星に比べると小さいので名前の頭に「矮」の字が付く。英語名「dwarf nova」。
現在まで300個ほどが知られている。その正体は白色矮星と低温度星との連星系。お互い非常に近いところをまわっているため、低温度星の表面のガスが白色矮星に流れ込んで、その周りに降着円盤を形成している。この系で最も明るいのは、静穏時は低温度星から流れて来たガス流が円盤とぶつかる所、アウトバースト時は降着円盤、であり、白色矮星も低温度星もそれらに比べると暗い。従って、矮新星がアウトバーストしている時、私達は核融合エネルギーの結果(恒星)を見ているのではなく、重力エネルギー解放の結果(降着円盤)を見ていることになる。矮新星アウトバーストは降着するガスの量が突然増加することによって、円盤が明るく輝くものと考えられている。
矮新星はそれ自体、研究者の大きな関心を集める天体だが、同時に降着円盤研究の面からも重要とされる。例えばブラックホールX線連星も中心天体がブラックホールなだけで矮新星と似た連星系だが、その降着円盤は外縁は可視光、内縁はX線を放射するので、同時観測が難しい。矮新星の降着円盤は外縁から内縁まで可視光で観測できるので、歴史的に円盤の理論モデルの検証と改良のために理想的な「天然の実験上」を提供してきた。


リスト::天文学

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