「電機産業を扱った作品」の第二弾は、江波戸哲夫『小説 盛田昭夫学校』(上下巻、プレジデント社、2005年)。井深大とともに、前身となる「東京通信工業」を創設し、巨大企業ソニーを築き上げた人物・盛田昭夫とその後継者たちの活躍を実名で描いたドキュメンタリー作品。新たに好奇心を刺激する獲物=製品に出会うと、それまで取り組んでいたものに対する関心を急速に失ってしまう井深。それに対して、盛田の方は、一つの商品を営業的に大きく育てることに強い関心を持ち、絶えず新しいアイデアを生み出し、製品化に向けた試行錯誤を繰り返したのです。二人のコラボなくしては、今日のソニーは成立していなかったことでしょう。ソニーの発…