1929年生まれ、1990年没。京都生まれ。イギリスロマン派の研究家、評論家、稀覯本蒐集家。「君美」は新井白石の幼名。
フランス文学の澁澤龍彦、ドイツ文学の種村季弘とならび、「ヨーロッパ幻想文学の三大巨匠」とならび称されることがあったが、残念ながら現在ではほとんどの著作が絶版となっている。
3歳で東京に転居。読書好きの少年であったが、高校時代に平井呈一の面識を得る。
学習院大学哲学科卒業後、慶應義塾大学文学部大学院に進み、西脇順三郎を指導教授とする。
修士課程終了後、NHK国際局嘱託に。のち、慶応義塾大学に戻り、英語教師となる。
新進気鋭の英文学者として活躍し、1965年、高橋康也の推薦により、東京大学英語科助教授となる。以降、停年まで駒場キャンパスに勤務する。
その幅広い知識から、1970年より、学科を超えた全学共通ゼミを開講。高山宏、武田崇元、脇明子、四方田犬彦などを輩出した。
1989年東京大学を停年退職。翌90年、喉頭がんにより死去。
『椿説泰西浪漫派文学談義』
『みみずく古本市』
その他
G・スタイナー<脱領域の知性>、<言語と沈黙>の翻訳
S・ソンタグ<反解釈>、ヴァン・デル・ポスト著作集
<至高体験>(C・ウィルソン)共訳
<大泉黒石全集>、<ノヴァーリス全集>、<世界のオカルト文学>等の編纂