猟官とは、字義通り、官職を手に入れようとすること。
猟官運動とは、単純には官職を手に入れようと有力者に働きかけたり、何らかの形で経綸を述べたり、あるいは大っぴらには言えないようなことをすることである。
なお、「官職」とは単純には公務員としてのポストであるが、場合によっては位階(冠位)を得ようという努力についても、この語が用いられることがある。
近代的な官僚制度が整備される以前、官職とは給料以外にも特権や余録を含んでいるのが常であり*1、それを手に入れるためにある程度の代価を払うのが当然と思われていた時代もあった。
またそのような事情がなかったとしても、「適材適所」を言葉通りの意味で実現・保証する手段が存在しない以上、何らかの形で「有力者」が公務員人事に容喙するのは珍しいことではなかった。
*1:むしろそれらを前提にまともな手当てがないこともあった