政府が国民の自由や権限を制限し、自治体行政の意思決定に介入する法整備が着々と進む。戦後日本の防衛政策が覆され、自衛隊増強が進む。沖縄戦の経験を踏まえ、「新しい戦前」の到来とも呼べる状況に沖縄から抗(あらが)いたい。 沖縄戦を戦った第32軍の創設から80年の日を迎えた。第32軍の作戦指揮によって県民は戦場に駆り出された。「集団自決」(強制集団死)やスパイ視虐殺という住民犠牲の要因を生んだ軍隊でもあった。私たちは沖縄戦の実相と第32軍の罪科を厳しく見つめ、非戦の誓いを立てたい。 第32軍は、沖縄戦の最大の教訓である「住民を守らない」軍隊そのものであった。牛島満司令官が発した1944年8月31日付の…