作家。 1958年4月25日宮城県仙台市生まれ。1984年東京電機大学卒業後、数学教員、保険代理店業を経て、1997年『ウエンカムイの爪』で第10回小説すばる新人賞。2000年『漂白の牙』で第19回新田次郎文学賞。2004年『邂逅の森』で第17回山本周五郎賞・第131回直木賞(平成16年度上半期。同時受賞作は奥田英朗『空中ブランコ』)受賞。(下記の「直木賞のすべて」というサイト、及び朝日新聞紙面より引用、抜粋しました)
第三十一話 メコオヤシ Chikahiro Kobayashi Amazon ゴールデンカムイ 31 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:野田サトル 集英社 Amazon 今ならプライムビデオで無料で「4期」まで見れます。 毎日楽しみに鑑賞続けて2018年の1期から2023年の4期まで見終わりました。 傑作です。 またロスですよ。 ただゴールデンカムイはなかなかにヘビーでビターな一面でもあるので、ひとまず終わったことに安堵もあります。まだ続くようですが。 ここがいいんだよ!ゴールデンカムイに入りたいと思います。 ※少しネタばれあり 「ゴールデン・カムイ」ここがいい ①これって…熊…
我は景祐: 幕末仙台流星伝 (新潮文庫 く 31-4) 作者:熊谷 達也 新潮社 Amazon 「我は景祐」 熊谷達也(著) 新潮社 あらすじ 歴史のテストで出てきた奥羽越列藩同盟 まとめ こんな人にオススメ こんにちは、ちわぷ〜です! いよいよゴールデンウィークが始まりましたね! 皆さんはいかがお過ごしでしょうか〜? 私は3日から休める予定ですので、休み期間中に読む作品をリストアップし、完全に引きこもって読書に勤しむ予定です(^ ^) 本日は時代小説で、なかなか玄人向けの作品になりますが、良かったら覗いて行ってください☆ 「我は景祐」 熊谷達也(著) 新潮社 あらすじ 東北の仙台藩に、桂小五…
幕末から明治維新までを舞台にした小説はたくさんあって、「幕末・維新物」と呼ぶカテゴリーを設けたいほどです。 その時代の人気ヒーローと言えば坂本龍馬か、西郷隆盛か。吉田松陰のような学者もいます。一方で幕府側には勝海舟、幕府海軍を率いて函館に籠り、海外に向けて独立を宣言した榎本武揚。いや、忘れるわけにいかない新撰組があった。結核に倒れた若き剣士・沖田総司に近藤、土方ら。多士済々の顔ぶれが小説に漫画にと、時代を超えて活躍してきました。 彼らを中心人物に据えるのが「幕末・維新物」の本流とすれば、あえて視点を変えた流れがあります。先日紹介した「幕末遊撃隊」(池波正太郎)や、「壬生義士伝」(浅田次郎)など…
邂逅(かいこう)の森 作者:熊谷 達也 文藝春秋 Amazon 「邂逅の森」 熊谷達也(著) 文藝春秋 あらすじ 大正期のマタギの一代記 まとめ こんな人にオススメ こんばんは、ちわぷ〜です! 先日の出張の際に、ずっと読みたかった長編小説を一気読みしましたので、ご紹介させていただきます! 直木賞&山本周五郎賞W受賞の良作になります☆ 「邂逅の森」 熊谷達也(著) 文藝春秋 あらすじ 秋田の農村に貧しい小作の倅として生まれた富治は、伝統の阿仁マタギに加わり、狩猟と山の魅力に取りつかれてゆく。 富治は地主の一人娘、文枝と恋に落ちるが、二人の恋は阻まれ、富治は村を追われてゆく… 大正期のマタギの一代…
気仙沼をモデルにしたと言われる仙河海市を舞台に、中学教師の奮闘を描いている。 語り手の和也は32才の数学教師で、陸上部の顧問をしている。持ち上がりの三年生の担任となる一学期が始まる直前、転校生を担当することに。急遽の転校生には何か事情があるのかもしれないと思われたが、スケバンファッションで現れた早坂希に学校は騒然、なかなかにスリリングな幕開けである。 教師に反抗的な希は様々な問題行動を起こすばかりだが、和也は諦めずに丹念にアプローチしていく。 物語はいい方向に向かっていくのだが、友達のために万引きをするような問題行動の背景が簡単過ぎるような気もする。まぁそれでも読後感は良かった。リアスの子 仙…
あの時、本当にクライドリが効いたのかどうかは、今もって疑問だ。だが、理屈には合わないようなことが、山の中ではしょっちゅう起こるのも事実だった。 (p.39) 主人公の松橋富治は、マタギである。物語の舞台は大正三年。富治は二十代半ば。ここから、何十年にも渡る富治の半生が描かれる。 私はこの小説を読むまで、マタギについての知識は「クマを仕留める仕事」程度の浅はかなものしか持ち合わせていなかった。読み終えた今は、マタギ最強、と軽率に叫んでしまいたくなるくらい、厳しい自然と、獣の命を奪うことの意味、そして山の神に向き合い続けている凄すぎる職業=生き方だと思うようになった。 それくらいマタギという職業の…
せっかくの電車通勤なので、本を読まなければもったいない。 そう思って、自分の本棚から取り出した2冊。 田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」 2003年に妻夫木聡と池脇千鶴主演で映画化されてたけど、去年はアニメ映画になっていたから、もう1回読んでみたくなった。 大好きでそばに居てほしいのに、「来ていらん!」と言ってしまう、そう言うしかないジョゼの大阪弁に涙腺がゆるんでしまう切ないストーリィ。 ジョゼと虎と魚たち (角川文庫) [ 田辺 聖子 ]価格: 660 円楽天で詳細を見る 向田邦子「あ・うん」 これも大好きな1冊だけど、昭和初期は、夫が何かにつけて妻の頬を叩くシーンが気になった。今だったらDVだ…
今回「邂逅の森」もブロガーさんの影響で手に取ってみた一冊。 この数年は自分に読む体力というか、気力と言うものが失われていたため、小説らしい本は読めていなかった。 先日の「火花」と一緒に古本屋で買い求めたが、実は「邂逅の森」は手に取ってみると厚かったので躊躇した。今の自分に、これだけの本が読み切れるのか?(いま測ってみたら2cmあった) やめておこうかと考えながら、裏表紙を見た瞬間に買うことを決めた。 なんと、解説が田辺聖子さん。 読む運命だ。 ほとんどを読んでしまった私にとって、田辺聖子さんの文章を新たに読める発見に嬉しくて仕方がない。 田辺聖子さんの解説は、次のようにあった。 私は、人生の終…
不定期に市立図書館で本を借りている。しかしながら保守的な僕は、新しい本2冊、今まで読んだことのある本5冊(7冊借りることができる)を借りるパターンが多い。今回もそうだった。そのうちの4冊が以前読んだことのある熊谷作品だ。 「オヤジ・エイジ・ロックンロール」(2009)、「バイバイ・フォギーデイ」(2012)、「調律師」(2013)、「ティーンズ・エッジ・ロックンロール」(2015)の4冊である。 昨日書いた「マタギシリーズ」等の自然をテーマにしたものが初期の熊谷作品だった。それからはとにかく色々なジャンルの作品を発表している。僕が好きなのは音楽ものだ。 大体音楽ものは、色々な作家によってたくさ…
今年(昨年の冬休み)は当然のことながら、讃岐うどんを食べに香川県まで行くことはできなかった。 香川に行ってうどんを食べた後に必ず「宮脇書店」という本屋に寄ることにしていた。普通の本屋さんなのだが、不思議なことに讃岐うどんの旅で宮脇書店に寄って見つけた本には「当たり」が多い。思いつくところでは、花村萬月「たびを」(2005)、岡村靖幸「岡村靖幸 結婚への道」(2015)だ。 今日の「邂逅の森」(文庫本2006)もそんな「当たり」の本だった。しかしこれはいわゆるジャケ買いだった。作家の熊谷達也のことも全然知らない。何となく面白そうだな、と思って買ったらあっという間にその物語世界にもっていかれてしま…
「『仕事を始める』を扱った作品」の第三弾は、熊谷達也『新参教師』(徳間文庫、2009年)。慣れない仕事に対する心配や不安は、なにも新入社員に限られるわけではありません。転職して新しい職場で働き始めるケースもあるからです。この場合、なにかにつけ、前職での経験と比較してしまいがち。新入社員とはまた違ったレベルでの戸惑いや悩みが生じることとなります。本書は、損保会社の支社長から中学校の教師に転職した安藤亮太42歳の物語です。中学校教師たちの仕事とは、彼らの悩み事・心配事とはどのようなものなのか。大変よくわかります。元中学教師である著者の経験が生かされているためか、教師という仕事の実態がリアルに描かれ…
大沢在昌「新宿鮫XII 黒石」 新宿鮫は相変わらず中国人と戦っていた。 新宿鮫読むといつも思うんだけど、最終的な対決は割とあっさりしているよね。ハリウッド映画におけるカンフー的なアクションシーンがメインではない、というか。リアリティではある。 最後の黒石の述懐はとても怖い。まあ、そういうことになるよなあ...。 これ読んでたら「新宿鮫ってどういう鮫なの」と妻に質問を受けた。最初、質問の意図がわからなかったけど、どうやら都心部の水族館で飼われている鮫の物語だと思ったらしい。ハートフルなイメージである。 河崎秋子「ともぐい」 「ともぐい」は直木賞作品で、熊谷達也の「邂逅の森」もそうだけど、直木賞は…
読み始めから、歯切れのいい文章のテンポに引き込まれました。北海道の厳しい自然と、街に馴染めず、独り猟師として生きる男の息遣いが立ち昇ってきます。 「ともぐい」(河﨑秋子、新潮社)は、2023年下半期の直木賞受賞作。主な舞台は明治後半の北海道、人里離れた山中。男は相棒の犬と鹿や熊を追い、愛用の村田銃で獲物をしとめて暮らしています。 山から下りるのは、肉や毛皮をお金に換えるため。その金で弾薬を買い、米や酒を仕入れる。生きるために、街の人びととの最低限の交わりは必要です。この二つの世界の対比、描き分けが作品を立体的にし、結果として自然の荘厳さが際立っています。 ある日、雪に残った血痕をたどって、瀕死…
こんにちは。DOIC0330です。 【当ブログはアフィリエイト広告を利用しております】 本日は雨の高知です。 昨日はバレンタインデーでしたね。 いかがお過ごしでしたか? わたしは例によって帰りの遅いダンナさんに、米粉のチョコバナナパウンドケーキを作りました。 作りながら氷結タイムだったのですがいい感じになり味見用に切り分けたケーキを食べ、コタツで寝落ちしておりました(割といつも?) するとケーキが食べられていたことが衝撃だったようで帰ってきたダンナさんにFacebookに投稿されましたとさ。 …ネタにされました。探さないでくださいね。 さて今回はずっと止まっていた書店員時代の本について。 do…
熊谷達也作品。図書館に久しぶりに熊谷作品の新しい本が入っていた。良かったなあ。新しいと言っても2022年6月の出版だ。やっぱり熊谷作品は分かりやす文章でいいねえ。東北の香りがする、仙台の香りがする。 『明日へのペダル』 時はコロナ禍がそろそろ始まったことの話。55歳の印刷会社の室長本間優一。教師の妻を持つ。健康診断で中性脂肪や悪玉コレステロールが危険水域と診断されて一念発起してジョギング・走るとか考えている時に同じ会社の水野唯という社員からロードバイクの素晴らしさを教えられてサイクリングの道へ。なんと自転車は上を見るときりがないが50万円程度のもので妻を説得する。ロードバイクにはまり体重も効果…
昨年来、熊野出没や人が襲われて怪我をするニュースが後を絶たなかった。 自然保護団体の活動や東北のマタギの狩猟生活、写真家など それぞれの立場によって考え方が異なる、 雑誌ライターの女性が主人公かな。 東北の山奥深く立ち入って取材をする立場から様々な考え方が伝わってきて、 とても面白かった。 熊谷達也のマタギシリーズは飽きがこず、 また関連本が読みたくなってきた。
主人公は、かつて御小人目付(おこびとめつけ)として剣と隠密探索の達人だった九十九九十郎(つくもくじゅうろう)。ある事情で職を辞して、「仕舞屋」と称して事件のもみ消し屋を営んでいる。歳は50代だろうか、江戸時代ではおじいさんと呼ばれる頃合い。 imidas.jp 徳間文庫のために書き下ろされ、その後シリーズ化され4巻出ているが途中で止まっているようす。 ある日、父母を失ったという「七(しち)」と名乗る童女が、賄の職を求めて現れ、強引に九十九九十郎の家事仕事をするようになる。剣の腕がたつという噂を聞いて、いつか敵討ちをするために、侍の家に奉公をしようとする料理の上手な七。九十九九十郎はある事件の謎…
ともぐい 作者:河崎秋子 新潮社 Amazon 「ともぐい」 河崎秋子(著) 新潮社 あらすじ 猟師文学系としては読みやすい! まとめ こんな人にオススメ こんにちは、ちわぷ〜です! 直木賞や芥川賞の候補が発表されると、ついつい読み比べて一人選考委員ごっこをしてしまいがちな読書家たち。 全部読めるか微妙ですが、私もご多分に漏れずにやっちゃってます(笑) 今回の直木賞候補作ではこれで3冊目になります☆ 「ともぐい」 河崎秋子(著) 新潮社 あらすじ 明治後期の北海道の山。猟師の熊爪は、獣と静かに対峙している。 ロシアとの戦争の足音が聞こえる時代。そして盲目の少女… 熊爪の運命の歯車は少しずつ、確…
山口悟・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…・8 山本弘・MM9・B 夢枕獏・キマイラ・12曼荼羅変・B 香月美夜・本好きの下剋上・二部・神殿の巫女見習い・3-4・B 三部・領主の養女Ⅰ・C 篠原悠希・2後宮に月は満ちる・B 上遠野浩平。ブギーポップ8・カウントダウン・エンブリオ浸蝕・B 熊谷達也・氷結の森・B 宝島社・昭和の「黒幕」100人・「巨魁」たちの時代・B 蘇之一行・剣と魔法と裁判所・B 森村誠一・悪道/B 和久田正明・夫婦十手・B 池波正太郎・剣客商売・春の嵐・C 甘未亭太丸・異世界忍者無双・俺の異世界特典が…・C 柴田勝家・ニルヤの島・C 佐藤健志・幻滅の時…
昨日に届きました「本の雑誌」11月号の特集は、「方言と小説」でありました。 冒頭には方言というか、いわゆる標準語以外で小説を書いて、発表している作家 さんによる鼎談となっています。 当方はまるで読んだことのない作家さんでありまして、黒川博之さん、熊谷 達也さん、そして進行役として池上冬樹さんの三人が語っています。 読んだことはないのですが、黒川博之さんは、先週に見物にいった「BAD LANDS」 の原作「勁草」の作者でありました。 勁草 (徳間文庫) 作者:黒川博行 徳間書店 Amazon www.youtube.com 黒川さんはもっぱら関西地方の方言を使っているようですが、なかでも大阪 弁…
谷保恵美さんの「谷保」姓は確かに珍しいが/本物のアホだった故勝谷誠彦/「ひがしの」と「とうの」 - kojitakenの日記 直木賞というと最近では2006年に東野圭吾の極悪ミステリ『容疑者Xの献身』に何の間違いか授与してしまったことが一大痛恨事だったと私は考えている。あれが契機になって大量の「東野信者」が生み出されてしまった。1999年に宮部みゆきが『理由』で直木賞を獲ってからしばらくの時期は、日本を代表するミステリ作家といえば宮部というイメージだったが、今ではすっかり東野にとって代わられた*1。 直木賞を過大評価するにも程があります。 直木賞受賞(2006年)が彼の知名度、人気をより高めた…
どこへいこうか? 本の世界は広い 無事のお帰りをお祈りします。 本の彷徨い方 *時間軸、世界線は保証しかねます。 日本・岩手県 あ 蒼き蝦夷の血 今東光➡ 青ノ果テ -花巻農芸高校地学部の夏- 伊与原新➡ あこがれ 石川啄木➡ アンゴルモア 元寇合戦記 博多編 12 たかぎ七彦➡衣川館(ころもがわのたち)岩手県西磐井郡平泉町にあったとされる イーハトーブ探偵 鏑木蓮➡ イーハトーブの幽霊 内田康夫➡ 愛しの座敷わらし 荻原浩➡ いぬかみっ 有沢まみず➡ 祈りの照明 森村誠一➡ 恨みの陸中リアス線 西村京太郎➡ 影裏 沼田真佑➡ SL銀河よ飛べ!! 西村京太郎➡ 奥州後三年記 奥州平泉殺人事件 …
熊谷達也著「邂逅(かいこう)の森」(2004年直木賞受賞)を読んだのがきっかけで訪れた阿仁マタギとももうお別れです。 今回は、まだ、これから、田沢湖、松島へ行かねばなりませんので忙しいです。 マタギのことについて知ったのは、マタギ小屋だけでした。 マタギ小屋 これは観光用ですので、中にストーブがあります。 これだけ見て、すぐに、阿仁マタギ駅へ送ってもらいました。 お見送りは、かがしさんたち 駅のホームに隣接する待合室には奥阿仁の案内図がありました。 昨日、来た道 今日、進む道 このあたりの比立内⇔松葉間29kmは、1922年の計画から67年を経て1989年に やっと秋田内陸縦貫鉄道として全線開…
私がこの地を訪れるきっかけは、熊谷達也著「邂逅(かいこう)の森」(2004年直木賞受賞)というマタギを描いた小説でした。1890年(明治23年)生まれの小作の子が主人公。山深い地で耕地も少なく、狩猟を生業とする人々を描いています。 マタギは、巻き取りと言う方法で熊を取ります。 スカリと呼ばれる首領の指示に従い、セコが熊を追い、ブッパが鉄砲で撃ってしとめます。 農耕に慣れ親しんだ私としては、とても、神秘的な生活形態に興味を持ちましたが、まさか、この地を訪れるとは思っても見ませんでした。 この旅行を計画する時、家内が「五能線に乗った後、乳頭温泉に行きたいけど、その間にどこか良いところはないかな?」…