吉岡平のライトノベル『宇宙一の無責任男』シリーズを原作とするTVアニメ。
1993年1月25日から7月19日までテレビ東京系にて放送された。全26話。
2017年7月よりTVアニメ第2作『無責任ギャラクシー☆タイラー』が放送開始。
無限に広がる銀河系。宇宙歴6999年。地球がリードする惑星連合宇宙軍は、若干16歳の少女、アザリン皇帝率いる異星人国家・神聖ラアルゴン帝国と一触即発の状態にあった。
勇猛果敢にして戦巧者のラアルゴンに押され、人材不足に悩む惑星連合宇宙軍に、ひとりの若者が入隊を希望する。その名はジャスティ・ウエキ・タイラー、20歳。一流企業への就職の道を断たれ、「軍隊も悪くない」と発想を転換したタイラーは、軍の面接で「出世して楽したい!!」と大豪語。そんな態度がたたってか、オンボロ駆逐艦「そよかぜ」の艦長を命ぜられたタイラー。けれど持ち前の強運と食えない態度で数々の難事件を乗り切り、気付けばラアルゴン帝国の名将・ドム率いる大艦隊に、たった1隻で勝利してしまうのだった。おまけにアザリン皇帝までタイラーに興味を持ちだして…!?
大宇宙を股に掛け、無責任が轟き渡る!
本作『無責任艦長タイラー』は、吉岡平のSF小説『宇宙一の無責任男』シリーズをアニメ化したもの。原作の方は、かの植木等の映画『無責任』シリーズへのオマージュを含み(主人公ジャスティ・ウエキ・タイラーの名は、勿論、植木等と『ニッポン無責任時代』の主人公・平均[たいら・ひとし]に因む)、様々なパロディを盛り込んだ軽快なコメディSFで、累計100万部を超え、現在もなお、新シリーズ『真・無責任艦長タイラー』シリーズが書き継がれているベストセラー作品だ。
こちらのアニメ版では、低年齢層向けに、原作小説の設定を大きく変更しつつも(中でも、小説版では中年だった主人公・タイラーが、20歳にされた他、キャラの年齢が全体的に下げられ、視聴者の少年少女が感情移入しやすくされた)、ひょうひょうとした異才・タイラーを中心に、エリート崩れの副官ヤマモトや、有能だが性格のきついヒロイン・ユリコ、タイラーをライバル視するドムら、一癖も二癖もある個性派揃いのキャラクターが織りなす群像劇、という『無責任』シリーズ本来の魅力を余さずストーリーに盛り込まれ、原作を知らない人間でも、容易に世界観に入り込め、かつ原作ファンも満足できる、懐の広い娯楽作品に仕上げられている。
特に物語の要となる、宇宙戦艦艦隊や宇宙戦闘機による戦闘シーンの作画は、非常に力が入っており、第13話や第23話等、大規模な艦隊戦のシーンは必見だ。
SFやミリタリー系のアニメだからと言って、構えずにまずは頭を空っぽにして、第1話を見て欲しい。普段はのらりくらりとしていながら、時にシリアスに、核心をついた台詞や行動をとるタイラーの魅力的なキャラクターに、いつしか引き込まれていることだろう。