泉屋博古館はこの秋開催の表装の愉しみ -ある表具師のものがたりをもって、リニューアル工事に入る。2025年の春までしばしのお別れである。東京分館がおしゃれな作りになったのに触発されて、京都の本館もおしゃれに生まれ変わるのか楽しみである。 しばらく展示企画がないにも関わらず表装と地味なテーマとなっている。今年春に大和文華館で開催された染織品と松浦屏風 ―織物・染物・刺繍 いろとりどり―でも表装が取り上げられており、普段は表装にほぼ目を向けていないことを知った。その続きの展示会ぐらいに思って見に行ったが、さすが住友財閥と感じさせる内容だった。 大和文華館は戦後に設立された美術館で、初代館長の矢代幸…