津田塾は日本初の女子留学生・津田梅子が1900年に麹町で開いた女子英学塾を前身とする名門私立女子大学である。 幼くして米国の価値観の中で育ち、フィラデルフィアにあるブリンマー大学で生物学の功績を修めた梅子は、帰国後、日本の女子教育のあり方に疑問を強めた。明治の女子教育といえば、高貴な華族子女を対象とし、イエ制度の影響の強い家政学が主であり、男子が修める高等教育とは質の異なるものだった。 梅子は婦女子も同等の高等学問を積んで力を発揮し、男子と切磋琢磨し合うことこそ自立への道につながるとの信念を掲げ、華族・平民の別なき新たな女子教育を推進した。 1970年代半ば、国は高度経済成長をひた走りながらも…