仏・菩薩の説法の音声が大きいことのたとえ。
海潮音は、1905年に出版された上田敏(1874-1916)による訳詩集。 1902年頃から手がけたフランス象徴派、高踏派の訳詩を集め、序として解説を施したもの。 日本の象徴詩運動の先駆となった カール・ブッセの詩を訳した「山のあなた」は特に有名である。
海潮音―上田敏訳詩集 (新潮文庫)
弥生三月になった今日は、夜来の雨が上がり(千葉県東方沖が震源の地震で未明、震度2~3で目が覚めましたけれど・・・)、日中は、セイヨウミツバチなら巣箱から出ようかどうしようかと思案する15℃前後のいい天気でした 上田敏訳の海潮音は、冒頭、この詩で始まりますね。 燕の歌 彌生ついたち、はつ燕、 海のあなたの靜けき國の 便(たより)もてきぬ、うれしき文を。 春のはつ花、にほひを尋(と)むる あゝ、よろこびのつばくらめ。 黑と白との染分縞は 春のこころの舞姿。 弥生來にけり、如月は 風もろともに、けふ去りぬ。 以下、割愛・・・ 原作: イタリアのダンヌンチオ作『フランチェスカ・ダ・リミニ』 これは、い…
高校3年生の現代文の授業のときです。先生がいきなり板書しました。 山のあなたの空遠く… 「大学に合格後は、自分は山のあなたか…」。 詩歌が好きでなかった私が、文学部に進み国文学を専攻するなんて夢にも思いませんでした。 人生は不思議です。 山のあなたの空遠く 「幸」住むと人のいふ
今週のお題「575」 日本には、俳句や短歌がある。俳句は5・7・5、短歌は5・7・5・7・7だ。昔の日本人は、この形式で情景や心情を表した。伝統は今も脈々と受け継がれて、俳句や短歌を作る人の数は多い。いろいろな同人誌も数多あるようだ。 亡き父は俳句を作り、母は短歌を詠んでいた。二人とも趣味の会を楽しんでいたようだ。父の入っていた会の同人誌が2冊ほど手元に残っている。その中の父の一句が印象深い。 「火車を待つ広野コスモス波のごと」たぶん、父の少年の頃の情景だと思う。おそらく大陸にいた頃だ。汽車を待つ線路の向こうに広がるコスモスの野原。渡る一陣の風に、コスモスが一面サーっと波のように揺れる。それを…
お題「ささやかな幸せ」 3月と言えば、スーパーでも、春物野菜を見つけることが出来ます。 まだまだ旬ではないけれど、緑の葉物を見れば、気持ちも春めきます。 菜の葉も、雛祭りでも、ちらし寿司に使ったり、菜の葉の煮びたしと、春を感じる食材です。 そうそう、菜の花の漬物もありますよね。 上ミ京の花菜漬屋に嫁入りし 虚子 高浜虚子の俳句にありましたね。 昭和16年4月の「ホトトギス」の発表の句のようです。 虚子と言っても、もちろん、男性ですよ。 里の幸が、菜の花なら、この時期、海のモノなら、はまぐりでしょう。 雛祭りの吸い物には、はまぐりの吸い物が登場します。 そうそう、すこし意味深な古川柳見つけました…
(1)ふるさとと西脇順三郎 西脇順三郎は1894年、新潟県小千谷に生れました。1911年中学を卒業し、画家を志し上京。藤島武二を訪ね、彼の内弟子になります。1912年慶應義塾大学に入学、1917年卒業論文「純粋経済学」を全文ラテン語で書きます。1920年慶應義塾大学予科教員に推され、この頃から文章を執筆し始めます。上田敏の『海潮音』の雅文調、美文体に激しく反撥し、萩原朔太郎の『月に吠える』に大きな衝撃を受けます。順三郎が朔太郎に出会ったことは、近代詩、現代詩を語る上で、不可欠の出来事で、朔太郎の『月に吠える』(1917)と順三郎の『Ambarvalia』(1933)は、大正、昭和期を代表する詩…
2月22日(木)、 自分に期待する気持ちは、本当に即座に落胆に変わる。朝、とても寝覚めがいい時なんかは、僕は本当に何でも出来ると感じる。それで、喜び勇んで英語の勉強や、ギターの練習などを始めるのだけど、ほんの少し時間が経つと疲れてきて、あっという間に「何にも出来ない。駄目かもしれない」と思って、何もかも放り出してしまう。寝逃げしようと思っても、もう眠れない。 2月23日(金)、 いつか僕の心臓をなだめることが出来るだろうか? 2月24日(土)、 部屋の壁紙を貼り替えた方がいいのかもしれない。天井には僕の手形が付いていて、何だか事故物件みたいだ。僕が自殺したら、この部屋には幽霊が出ると噂されるか…
お題「わたしの癒やし」 今日は晴れのち曇り。 今朝、「ANA機」が音も立てずにゆっくりと飛来しているのを目撃した。 その様子は次の写真(6枚)のとおりである。 そして、正午前には、東方から西方に向かって空高く飛んで行く「ANA機」を目撃した。 その様子は次の写真(2枚)のとおりである。 ANAの正式名称は、全日本空輸株式会社(All Nippon Airways/ANA_公式)。 そして、その愛称の呼び名等は、一般的に❶全日空(非公式名)、❷エイ・エヌ・エイ(公式名)、❸アナ(公式不使用名)❸NH(便名の2レターコード/前身会社名の頭文字)が使用されている。 これについて、上記❶はかって使用さ…
1月13日(土)から「キリスト教文化入門」が開始されました。初日はL.M.モンゴメリ作「赤毛のアン」の題名や題辞等について思い巡らしました。題辞には本のテーマやモットー等が示されています。 アンの名前はアンナから来ていること、アンナはルカ2:36-38の女預言者アンナであり、イエス様のことを話すという使命が与えられているように、アンも言動を通してイエス様のことを伝える使命があるのではないかとお話ししました。 アンは赤毛にコンプレックスがあり、イスカリオテのユダは赤毛だったという伝説があるように、悪いイメージがあるということも話しました。そして、原題の「Anne of Green Gables」…
能登半島地震*1では震源地から離れた石川県内灘町でも、主に「液状化」による大きな被害が出た; NHK石川放送局「内灘町 住宅被害が深刻 道路もいたるところで陥没や隆起」https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20240106/3020017826.html 「石川で液状化現象 1m以上の段差も 専門家“広範囲に被害か”」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240108/k10014313851000.html 堀潤*2「奥能登だけではない「もう故郷に住めなくなる」液状化で深刻な被害 内灘町の住民は「激甚災害」指定を待つ」ht…
2024年01月14日号(通巻782号) 表紙:ガザ・サーフ・クラブの皆さん 1月13日(土)公開 『ガザ・サーフ・クラブ』 https://unitedpeople.jp/gazasurf/
以下、日記です(7万3千字くらい) 大作ゲームを1作50時間くらいやりました。大分小休止。 <喧嘩商売>シリーズを再読しマッチメイクの巧さを再確認しつつステゴロの相違を確認し、山風『魔界転生』のままならないマッチメイクに思うところありつつも蒼い幻想文学ぶりに気づかされ、『フールナイト』1~7巻(←区切り良い。)一気読みし世界構築とそれを物語や画面設計へ活かした作劇に感動。『WIRED』vol.50のテッド・チャン氏の問いにたいする思考法に感銘をうけ、『AC6』をやり廃墟・奇景欲を刺激された半クール。 ※話題にしたものごとへのネタバレがあります。ご注意ください※
抜群に面白い日本詩史の本があったので、読書メモ代わりに紹介しようと思う。 www.amazon.co.jp 亀井俊介『日本近代詩の成立』南雲堂、2016年 亀井俊介(1932-2023年)は『アメリカン・ヒーローの系譜』や『対訳 ディキンソン詩集』などで知られる、比較文学・アメリカ文学研究者だ。今回取り上げる『日本近代史の成立』は、彼が本業の傍らで書いていた日本近代詩を扱う論考(最古の初出は1957年)をまとめ、大幅に加筆修正を加えたものになる。 84歳という高齢で上梓された本文530ページもある厚い本だが、明晰かつ信頼できる内容で、するする読めて面白い。語り口・文体のちょうどよさ、テクスト読…
中国の先生から御恵投いただきました。学術雑誌『海潮音』です。興味深い内容ばかり。これからじっくり読むのが楽しみです。
静かな夜です。 目を瞑れば風の音と、心臓の鼓動と、車が道を通り過ぎる音が耳に入ります。 この宇宙は音だな、と私は思うのです。 音で出来てるんだなあ・・・と。 観音経にはこの宇宙には4つの音が響いていると書かれています。 曰く 妙音観世音梵音海潮音 それは宇宙の拍動です。 それら音の余韻が私たちの存在を無より浮き立たせているのでしょう。 音は放っておけばやがて止みますが、共鳴を繰り返せば永遠に響き続けます。 ですから、共に響き合って行きましょう。 それがこの宇宙を存在させ続ける秘密です。 🌙 未來のメールマガジン毎週日曜日発行中 🌕 🌖 🌗 🌘 🌚 🌒 🌓 🌔 🌕 ランキング参加中あなたの世界観…
島田謹二『翻譯文學』(至文堂 1951年) 「日本文學教養講座」というシリーズのうちの一冊。このシリーズでは、ほかに『神話傳説説話文學』というのを持っています。島田謹二の本はいろいろ持っていますが、読んだのは『ポーとボードレール』だけ。文章が論文調でなく、語りかけるような調子なので、とても読みやすい。講義を聞いているような感じです。 まず大きく目についたのは、開国後の日本が西洋の文化を取り入れようと志して、それを徐々に身につけてやがて独り立ちしようかというところまでを、大局的に時系列に追っていることです。明治34年生まれで、同時代を生きた人ならではの感想が色濃く表われています。現代のわれわれは…
ビードロ、ぎやまん、硝子 うつせみのあなたに 山のあなたの空遠く あなた(かなた)・彼方・貴方(貴男・貴女) マラルメとうつせみ ビードロ、ぎやまん、硝子 ガラス。硝子。ビードロ。ぎやまん。 ガラスという言葉で、ビードロという言葉を思い出しました。あれもたしかガラスじゃないか――と辞書で調べてみるとポルトガル語から来ているらしいのです。 西洋の事物が日本に渡来する順では、ポルトガル語が先でオランダ語が次だと学校で習った記憶があります。キリスト教の布教と経済活動つまり交易が目的だったわけですね。 ガラスを意味する上の言葉の中では「硝子」が気に入っています。 * ガラスという意味である「ぎやまん」…
来月、新潟での全国大会にも出場される三重の実力合唱団、ESTさんの第30回となるコンサートのお知らせです。 ヴォーカルアンサンブル《EST》第30回コンサート 時 2023年11月5日(日) 14:00開場、14:30開演 所 三重県文化会館大ホール 前売 一般1,500円、大学生1,000円、高校生以下750円*TIGET(電子チケット) *エムズネット https://p-ticket.jp/center-mie/ 曲目 Opening 「Les fleurs et les arbres」C.Saint-Saëns 1ステ 「平和への祈り」 ①Ой у лісі(おお、森の中で)ウクライナ…