注意が散漫になったり落ち着いて物事に取り組むことが困難になるといった特徴がみられる高次脳機能障害の一つ。
事故や疾病で脳に損傷を受けた場合などに起こる。注意力が低下し、ぼうっとしている、あくびが多い、呼びかけにすぐに応答できない、物事に集中できずすぐに飽きてしまう、二つのことを同時にしようとすると混乱する、などの状態がが症状としてみられる。
すごい久しぶりの投稿になりました。私の言語症状を引き起こしている神経症状と目の持病が悪化して文章を整理して作ることが難しい状態になっていました。現在は回復して、特に目の持病の対処方法を確立できたようなので文を書けるようになりました。 あと、これまで私は言語症状を抱えているのに、論文調だったり解説系ブログ調といった、私にとっては難しい文章を作ってきましたが、負担が重すぎました。これからは自分のキャパにあった量の文章を作って気ままに投稿していこうと思います。 私は早稲田大学在学中の20歳だったころに悪心を伴わない嘔吐を発症して、両目の潜伏性内斜視が発覚などいろいろあったが、このとき精神症状にも悩ま…
今回は「注意障害」についてお送りします。 「注意」には色々な機能があって、リハビリに取り組む際はどこから良くしていくかが大切です。 皆様の参考になれば幸いです。 <注意には大きく分けて4つの機能があります> 注意障害というのは、注意が低下した状態ですが、一口に「注意」といっても注意にも様々な機能があります。 注意の機能は大きく分けて、注意の持続、選択性の注意、注意の転換、注意の配分があります。 <まずは「注意の持続」の改善が大事> 注意機能の中でもベースとなるのは「注意の持続」です。 注意の持続は簡単に言うと「集中力」です。 注意障害がある方は、まずは、一つのことに集中できる集中力を身に付けま…
半側空間無視の発現に関わる神経メカニズム ~続き~ 人間が目的もって作業している際には、トップダウンに対象に対して注意を働かせる。この際、対象への注意の選択・集中は、後頭葉の視覚領域とともに、頭頂間溝、上頭頂小葉、前頭眼野といった脳の背側領域を活性化させる。この神経ネットワークを背側注意ネットワークと呼ぶ。 一方、予期していない刺激が外部から入り、その刺激に対して注意を即座に向ける場合に腹側領域が活性化する。こうした刺激誘導的なボトムアップ制御に腹側領域が関与し、これを腹側注意ネットワークと呼ぶ。 このように、注意の神経ネットワークには、前頭ー頭頂葉の機能的連結によって、意図的に注意を割り当て…
半側空間無視の責任病巣およびネットワーク 今日では、多くの研究より、USNは損傷箇所というよりも、右半球のネットワーク障害により起こると考えられている。したがって、頭頂葉損傷や前頭葉損傷であっても、あるいはそれらを結ぶ白質線維損傷でも、USNは出現するといえる。 近年では、USNは注意ネットワークの障害としてとらえられており、側頭ー頭頂部から前頭葉へと走っている神経線維の損傷の程度が無視症状の重症化と関連し、起始・停止の領域双方の皮質機能を低下させることが報告されている。 また、Karnathらは、USNの急性期の病巣は右の前頭葉や頭頂葉、側頭葉と多岐にわたるものの、慢性化の病巣は右側頭葉に限…
今回も前回に引き続き、「注意障害」についてQ&Aでお送りします。 ひとくちに「注意障害」といっても様々な症状がみられます。 注意障害についてさらにご理解いただけると嬉しいです。 Q1. 一つのことに集中すると切り替えられないのはどうして⁈ A1. 転換性注意の障害です →一つのことに注意を向けているときに他の別のことに気づいて注意を切り替える注意力を注意の転換と言います。 この注意力が低下すると、注意を切り替えることが難しく、何かを始めると、必要に応じて注意を切り替えて対応することが難しくなります。課題を変えることが苦手になったり、直前にやっていたことと混乱したりします。 Q2. 2つのことに…
今回は、高次脳機能障害の「注意障害」について、Q&A形式でお送りします。 注意障害は脳卒中の方の半数以上にみられるものなので、皆さまに知っていただけたらと思います。 Q1. 脳卒中や脳外傷になるとボーっとしちゃうのはどうして⁈ A1. 全般性注意障害といわれる症状です →脳卒中や脳外傷後などの脳に損傷を受けた後は、ボーっとしている、全体的に反応が鈍い、という症状がよくみられますが、これらは全般性注意障害といわれます。 外からの刺激に対して反応が鈍くなっている状態です。 時間の経過とともに徐々に反応が良くなってくることが多いですが、それに伴い、今度は個々の注意力の問題が目立ってきます。 Q2. …
今回は、高次脳機能障害の「注意障害」について、お送りしたいと思います。 注意障害は注意の低下、集中力の低下ともいわれます。 必要なものやことに注意を向け、集中し、それを維持することが難しい状態です。 必要に応じて注意を切り替えることも難しくなります。 <症状> ・注意散漫になりやすい ・周囲の刺激によって気が散りやすい ・集中を維持できない ・人の話を最後まで聞けない ・話の内容を十分に理解できない ・自分が気になるものには異常なまでに注意を向けることがある ・自分が気にならないものには注意を向けられない ・物事を終わらせるのに時間がかかる <周囲の対応> ・余計な刺激をなくす(静かな環境を作…
探し物は、誰でも経験はあるはずです。しかし、この探し物が増えること自体が認知症の初期症状として注目されているものでもあるため、ありふれた出来事であっても、私たちは注意深く精査することをしていたりします。探し物はものをなくすことでもありますが、なくしてしまったものを探すと、どんなに頑張っても見つけられないときも残念ながらあるでしょう。しかし、その頻度は、多くはないでしょうけど、やはり誰でもあります。ものをなくす、探し物について、考察を深めてみたいと思います。 一般的に探し物やものをなくしたりする事が発生する原因としては、以下のようなことが考えられるでしょうか…。 1.いつもと違うところに片付けて…
こんにちは、ラミマルです。 連日、高次脳機能障害の前頭葉障害についてお伝えしています。 今日はその中でも注意障害をピックアップしたいと思います。 注意障害は、高次脳機能障害の中でもよく起こってくるもので、どういうものか知っておいて損はないと思います。 では今日も進めていきましょう。 もくじ 注意障害とは 注意機能の評価 注意障害での関わり方 家族として、どう関わっていくか 注意障害とは 高次脳機能障害の中でも4割近くの方に注意障害が出現すると言われています。注意障害は主に全般性注意と方向性注意の2つに分けられます。 方向性注意は、空間に対して一定の方向にしか注意が向かず、この障害によって起こる…
こんにちは、ラミマルです。 今日も前頭葉障害についてお伝えしていきます。 先日も前頭葉障害について書きましたが、原因疾患に関して少し加筆していこうと思います。 前頭葉障害の原因と症状とは? - ラミマルブログ 前頭葉障害のリハビリや関わり方とは!? - ラミマルブログ あわせて読んでもらうと分かりやすいかと思います。 もくじ 前頭葉障害とは 前頭葉障害が起こりやすい病気 脳梗塞 脳出血 クモ膜下出血 脳外傷 脳腫瘍 低酸素脳症 最後に 前頭葉障害とは 事故や脳卒中にて、前頭葉つまり脳の前方にダメージを受けると様々な症状が起こります。厚生労働省が定めた前頭葉障害の4つの症状は 遂行機能障害 記憶…
Biomarkers in Alzheimer’s disease: role in early and differential diagnosis and recognition of atypical variants.Dubois, Bruno, et al.Alzheimer's Research & Therapy 15.1 (2023): 175. Common diseaseを勉強しないと...。 1. 背景アルツハイマー病 (AD) は認知症の最も一般的な形態であり、全体の約2/3を占める。全世界における未診断の認知症患者の数は4100万人に上ると推定されており、臨床的に同定…
高次脳機能障害は脳卒中や外傷などで脳に損傷を受けると、 なんと60%以上の方に出現すると言われています。 そうなると、高次脳機能障害の知識は避けては通れません。 しかしながら高次脳機能障害を理解するのはなかなか難しいと感じるセラピストは少なくありません。 今日は私が経験した高次脳機能障害の患者様についてお話します。 患者様の動作指導がうまくいかないのは高次脳機能障害だった リハビリの中で移乗動作の動作指導をしていても 「そっちじゃないですよ。こっちから方向転換してください。」と 何度指導しても、修正できなくて 「何でそんなやり方するんだ?」なんて思っていたのですが、 その背景に高次脳機能障害と…
2024年度版:新卒に向けて、花向けの記事を送ります。 今回は、法律武装してみました。 今、この時代、ワイが学生だった場合、どのような就職活動を行うかを考えますと 就職先はどこもポンコツなので、それすら考えません。 fal-ken.hatenablog.com 「正社員で普通に仕事してればそれでいい」という価値観すらも残念ながら通用しません。 皆さん諦めて、会社内では「紛争」があることを前提に就職して頂きたいなと思います。 令和のこの記事を読んだZ世代の皆さんは、皆さんより上の世代の人たちよりあっとうてき法律武装をした状態で就職するので、かなり最強の状態で就職できるのではないかなと思いますので…
こんにちは。 起きれたり起きれなかったりしている日々です。(今日はばっちり6時起き・・。) 最近思ったことで、「机を綺麗にしておくと物事に取り掛かりやすい」ということを実感しました。 YouTubeや本を読んだ中で得た情報をもとに考察すると どうやら人は「一日で使える注意力が限られてる」ようです。 注意障害を持つからこそわかることですが、 「注意力とはつまり集中力」です。 要は、1日の集中力に限界があるようです。 注意力は日々の生活の中で無意識的に使われることが多いです。 代表的なのが、「選択」です。 話は戻りますが、机が綺麗だと選択肢が減ります。 選択肢が減るということは集中力を使う機会が減…
おはようございます。 まもなくい一月が終わろうとしていて早すぎてビックリしています。 今日は僕が編み出した、記憶術のご紹介です。 私は脳卒中になったので、後遺症で高次脳機能障害があり、主には記憶障害や注意障害があります。 日常では短期的な記憶が弱くなるのでコミュニケーションにおいて少し前のことについての話題が抜けたり と少しずつ困ることがあります。 注意障害もいてしま絵ば、その時にし注意して何かを行う。注意とは超短期記憶みたいなものなので、記憶には大きく関わっています。 今回ご紹介する記憶術はとてお使えるものなので、記憶に困っている人、ひいては何かを暗記したい大学生などにもおすすめです。 方式…
F-1-004 原文 Wong, W. I., van der Miesen, A. I. R., Li, T. G. F., MacMullin, L. N., & VanderLaan, D. P. (2019). Childhood social gender transition and psychosocial well-being: A comparison to cisgender gender-variant children. Clinical Practice in Pediatric Psychology, 7(3), 241–253. https://doi.org/1…
臨床において脳血管障害の患者様で高次脳機能障害を持つ 患者様との関わりで悩むことは多いはずです。 私自身、訪問分野で働いていても高次脳機能障害があることで、 活動量は高くてもなかなか安定した日常生活を送れないという方に 悩む機会は多いです。 特に 半側空間無視 注意障害 視野欠損 失行 失認 といった症状は 臨床の中でありふれた症状ではないでしょうか? 課題遂行がうまくいかない 注意の移り変わりが激しい なかなか意欲を高めることができない こうした問題でリハビリの進め方に悩んでいるのであれば、 このブログで解決するヒントを得られるかもしれません。 高次脳機能障害に分類される症状について さて、…
一昨日だったか、明け方1階からの声で起こされた件。 「お父さん、テレビの音が出ない」 ダイニングの壁掛けテレビはテーブルに手元スピーカーを置いている。妻は音が聞こえないとすぐにテレビの音量を上げる。すると自分や以前は同居していた子どもからは、音が大きいとクレームが出る。 5歳下でその頃は還暦にさしかかるかかからないか。これは加齢による難聴かというと、どうもそうではない。やはり障害の影響なのだろう。脳梗塞による注意障害である。普通の人はさまざまな外部からの情報をなんとなく受け止めてそれで対応できる。人と会話しながらでもテレビの音や画像を普通に聞いたり、見たりができる。でも注意障害のある人は、まあ…
こんにちは。 なんだかんだで、寝坊してしまい、今日は7時起きとなってしまいました・・。 さぁ今日から本当の年明けのお仕事です。 年末年始休みに加えて、土日成人式の3連休。。そのため、今週からついに始動です。 昨年、転職したばかり、課題は変わらず小さなミスをしないことです。 確認、確認、確認! ミスをしないための方法に関する本も昨年は何冊か読みました。 結果ミスしない方法は、意思の力で無理なので、仕組み化して、 こうすれば、どんな人でもミスが起きない!という仕組みの構築が重要です。 私は注意障害があります。ゆえに、細かいミスが起こりやすいです。 ミス確率が99%だとしたら、いかにその%を落とすか…
年末年始、ブログをお休みしておりました。 遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 年明けから地震、飛行機事故と悲しいニュースが入ってきていますね。 被災されている皆さまのご無事と安全をお祈りいたします。 本年、最初の投稿は「前頭葉の働き」についてお送りします。 前頭葉は、人が人らしく生きていくための働きをしているので、皆さまに知っていただけますと幸いです。 (Instagramでは、イラスト付きでさらに分かりやすく説明しています。) <前頭葉の働き> 前頭葉は、大脳の前部分に位置し、思考、感情、創造性、運動などを司ります。 前頭葉は、司る領域によって大…
初めましてこんにちは。 私は東京在住男性、27歳で仕事中に脳出血を起こし、左の方麻痺、高次脳機能障害(主に注意障害や記憶障害)の後遺症を負った 34歳の障害等級 「1種2級」の身体障害者です。 倒れる直前に入籍をしており、退院後は妻の努力で子供も2人も授かることができました。幸い、入浴と排泄は入院中に自立できたので左半身不随だけど最低限生きて行ける状況ではあります。 嘘をついてもしょうがないので、以降のブログ記事では嘘偽りなく身体障害者のリアルについて書いていこうと思います。 ⚫︎歩行について 歩行については倒れてから意識が戻り、気づいた時にはもう動かせない状態でした。 幸い太ももの上げ下げは…
近年、身近な病気として注目されている「認知症」。内閣府の「平成29年版高齢社会白書(概要版)」によると、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症にかかると推計されています。そんな認知症について、若いうちから意識した生活を送ることでリスクを下げられるといわれているのをご存じでしょうか。 本記事では認知症予防に興味がある方へ向けて、予防は何歳からすべきか、認知症になる原因、具体的な予防方法などを解説します。 目次 認知症の予防は何歳から始めるべき? 「発症リスクを高める要因とは? 予防に効果的な対策とは? 早めの対策で、発症リスクは下げられる (監修者)矢島隆二 先生 総合リハビリテー…