江戸川乱歩賞は、社団法人日本推理作家協会が主催し、講談社・フジテレビが後援する探偵小説を奨励するために制定された文学賞。 1954年、江戸川乱歩の寄付を基金として設立され、新人作家の登竜門として、推理小説の賞としては、もっとも有名。 受賞者は第二作発表の場も含め、講談社の強いバックアップによって育成されていくという慣行があるため、のちのち活躍していく作家の率が非常に高いとされる。
文学賞
死刑制度について考えさせられる 13階段 過去の江戸川乱歩賞受賞作品をたどってみるのも自分の読書選定の一つの手段になっています。 もともと江戸川乱歩が大好きということにも起因していると言えるでしょうかね。 この作品は 第47回の江戸川乱歩賞受賞作品です。 死刑制度について深く考えさせられる内容になっており、じっくりと読むことができました。 死刑制度という言葉は時々ニュースなどでも耳にすることがあり、都度問題意識を再燃させるものですが、正直あまり深く考えられてはいませんでした。 このお話の中では死刑執行までについての生々しい記載があるため、死刑制度について深く考えてみたい方にも非常に参考になると…
1 本作の概要 池井戸潤さんの小説デビュー作だそうです。 江戸川乱歩賞を受賞しています。 ここから輝かしい小説家人生が始まったわけですね。 果つる底なき (講談社文庫) [ 池井戸 潤 ]価格: 858 円楽天で詳細を見る 銀行員を主人公としたサスペンスものですが、初期作ということで後作と比べると一般的な特徴が散見します。 まずは、いわゆるハードボイルド風だということです。 暴力シーンがけっこうありますし、登場人物があっさりと亡くなります。 後年の金融サスペンスものとは、ちょっとちがったエンターテインメント味がついている感じがします。 印象に残ったのは次の2点です。 2 アナフィラキシーショッ…
焦茶色のパステル 新装版 (講談社文庫) 作者:岡嶋二人 講談社 Amazon 「焦茶色のパステル」 岡嶋二人(著) 講談社 あらすじ 岡嶋二人という作家 まとめ こんな人にオススメ こんばんは、ちわぷ〜です! 本日は少し古い作品なのですが、江戸川乱歩賞を受賞した傑作ミステリーをご紹介いたします! 二人組の作家さんが描いている異色の作品です☆ 「焦茶色のパステル」 岡嶋二人(著) 講談社 あらすじ 東北にある競走馬の牧場で、牧場長と競馬評論家、そしてパステルとモンパレットというサラブレッドの母子が銃殺されてしまう。 殺害された競馬評論家の妻、香苗は真実を解き明かそうとするが、次々と怪事件に巻き…
あらすじ:第67回江戸川乱歩賞受賞作! 博士号を持ちながら30歳で北海道警察の警察官となった沢村依理子。 ある日、5年前に未解決となっていた誘拐事件の被害者、島崎陽菜の遺体が発見される。 犯人と思われた男はすでに死亡……まさか共犯者が……?捜査本部が設置されるも、再び未解決のまま解散。 しばらくのち、5年前の誘拐事件の捜査資料が漏洩する。なんと沢村は漏洩犯としての疑いをかけられることに。 果たして沢村の運命は、そして一連の事件の真相とは。 組織に翻弄されながらも正義を追い求める沢村。 警察官として、ひとりの女性として葛藤し成長していくーー。 ー【引用元・楽天ブックス】 books.rakute…
此の世の果ての殺人 作者:荒木あかね 講談社 Amazon まっさらな状態でこの本を読み始めた。 物語の世界で、ぐわんぐわんと頭を揺さぶられる。 いったい、どうなってるのか いったい、どこへ向かうのか、、 ぜひ、ぜひ、なんの予備知識もないままで この本を手に取ってください、、 物語の世界を楽しめること間違いありません。 まだ、読んでない人は、以下書いてることは どうぞ、すっ飛ばしてくださいね。 物語は、2022年末、福岡県太宰府市の自動車学校から始まる。 当たり前の日常の様子が、まったく当たり前ではなかったとわかるのは 読み始めてすぐだ。 実は、翌2023年3月には、地球に小惑星が衝突するとい…
// position - windowHeight){ //スクロール位置が要素の位置を過ぎたとき $(this).addClass('is-active'); //クラス「active」を与える } }); }); // ]]> 今回紹介するのはミステリー小説『此の世の果ての殺実』になります。 第68回江戸川乱歩賞受賞作で、史上最年少の選考委員満場一致作品だそうです。 これは絶対面白い作品に違いないですよね。 私はほんタメというYouTubeで知ったのですが、(本自体は本屋さんで何度も見かけましたよ)ここでの紹介に惹かれるものがあり購入しました。 以下の本の紹介のあらすじにも記載しているの…
こんにちは。本日の読書レビューは、桐野夏生さんの『顔に降りかかる雨』です。この作品は、1993年、第39回 江戸川乱歩賞受賞作!バブル期のオシャレな雰囲気と、カッコいい女性主人公の活躍が印象的でした。この作品の登場で、日本にも、女性のハードボイルド小説が誕生した! と当時、話題になったそうですね。桐野夏生さんは、その後、直木賞作家となり、2015年には紫綬褒章も受賞されていますね。 主人公は探偵の娘、村野ミロ 親友の失踪事件に巻き込まれる 燿子の死体写真が発見される 盗み癖のある燿子の秘書 金髪女の存在 さいごに 主人公は探偵の娘、村野ミロ 主人公は、2年前に夫に先立たれた31歳の女性。大卒で…
今週のお題「やる気が出ないときの◯◯」 おはようございます。やる気が出ないときは、目標を達成している人たちを、自分の眼で見に行くことで、テンションを上げることでしょうか?去る、2022年11月7日(月)に、豊島区内で、栄誉ある2022年度、第68回 江戸川乱歩賞贈呈式が行われ、私も見学に行ってきました! 第68回 江戸川乱歩賞授賞式 はやくも『此の世の果ての殺人』の主題歌が披露! 日本推理作家協会賞 贈呈式 贈呈式に登壇された作家さんたち 贈呈式のあとは西武百貨店《にっこりまっこり》のサムゲタン 第68回 江戸川乱歩賞授賞式 本番中の撮影は、禁止されていたので、会場風景の雰囲気だけ。 『小説現…
おはようございます。本日の読書レビューは、今年(2022年)の江戸川乱歩賞受賞作『此の世の果ての殺人』です。荒木あかねさんは、江戸川乱歩賞史上、最年少!23歳で受賞された傑作。今年の乱歩賞の最終選考は、審査員の意見が分かれることなく、満場一致だったそうです。早速、Kindle版を購入しました。 地球に小惑星が接近 地球が終わるのに免許を取りに行く小春 教習車のトランクから女性の遺体が発見 福岡県警に行くと…… 小春と女性教官が犯人捜し! 小春の弟が失踪 事件は小春と関与していた? さいごに \ご案内/『なぜ人は食べすぎるのか?』 地球に小惑星が接近 この物語は、あと半年ほどで、地球に小惑星「テ…
おはようございます。本日の読書レビューは、2005年度の江戸川乱歩賞受賞作、薬丸岳氏の『天使のナイフ』です。この作品は、この年度の乱歩賞予選時から独走しており、満場一致で受賞した名作です。入り組んだ複雑な人間関係と、未成年者の犯罪という法の壁。難解な社会問題を、見事にミステリー小説として調和させた力作だと思いました。 主人公の妻が13歳の少年に殺害される 4年後、少年Bがコーヒーショップの近くで殺害される 桧山は加害者少年のその後を調べる 妻の遺品整理 群馬県の老人 少年Aが殺される 保育士の謎 少年保護団の弁護士 妻の過去 黒幕は意外な人物だった! さいごに \新刊のご案内/『なぜ人は食べす…
Book Review 36-1 殺人 #手紙 『#手紙』(東野圭吾著)を読んでみた。本書は犯罪加害者の親族の視点に立って、その心情の動向を丹念に追った作品である。 2001年7月1日から2002年10月27日まで「毎日新聞」日曜版に連載された。 著者は、1985年、『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。1999年に『秘密』で日本推理作家協会賞を受賞し、2006年に『容疑者Xの献身』で直木賞や本格ミステリ大賞を受賞する。 殺人者を出した家族は、世間からどう扱われ、どのように生きてゆけばよいのか。刑務所から定期的に弟や被害者家族へ反省に溢れた手紙が出され、そのことがそれぞれ関係…
日没 (岩波現代文庫, 文芸352) 作者:桐野 夏生 岩波書店 Amazon 日没 (岩波現代文庫, 文芸352) 著者 : 桐野夏生 岩波書店 (2023年10月14日発売) f.2024/3/4p.2023/11/6 from amazon site 小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末は――。足下に拡がるディストピアを描き日本を震撼させた衝撃作、待望の…
ゴリ部長Audible(オーディブル)でおすすめのミステリーをお探しですね。プロの朗読で聴くミステリーは、鳥肌モノだよ。 本記事では、Audible(オーディブル)で聴けるミステリー29,663作品の中から、「この本を聴いてみてください!」という、選りすぐりのミステリーをご紹介します。 それでは早速いってみましょう! 【本記事の内容】 オーディブルとは おすすめミステリー5選 オーディブルでおすすめのミステリーを無料で聴く方法 オーディブルとは オーディブルでおすすめのミステリー5作品 1.襲撃 2.鎮魂 3. 誰かがこの町で 4.神のダイスを見上げて 5.静おばあちゃんと要介護探偵 オーディ…
三上幸四郎氏の蒼天の鳥を読んだ。本作は第69回江戸川乱歩賞受賞作だ。この方の名前に全然見覚えはなかったが、テレビドラマやアニメに脚本を執筆してきた方のようだ。小説としては新人なのだろうが、執筆のキャリアが無いわけではないようだ。本作は実在の女流作家である田中古代子とその娘の千鳥を主人公の探偵役としたミステリーで、大正13年頃の鳥取浜村を舞台にしている。古代子は探偵奇譚ジゴマという映画が12年ぶりに、それも鳥取で公開されると聞き、娘の千鳥といそいそと出かけてきたのだった。12年前15歳だった古代子は父親とジゴマを見るのを楽しみにしていた。ジゴマは変装の名人で大怪盗、犯罪の限りを尽くしてパリの町を…
「名言との対話」は2016年1月1日から、毎日書き続けている。本日、2024年3月19日に、3000日に達した。 2016年「命日編」、2017年「誕生日編」、2018年「平成命日編」、2019年「平成命日編2」、2020年「戦後命日編」、2021年「大正から昭和へ」編(誕生日)、2022年「明治誕生日編、2023年「近代命日編」、そして9年目の2024年は「令和命日編」が進行中だ。 飽きないように、時代を毎年前後しながら書くという工夫もしてきて何とか続いている。これを時代順に並べ直してみると、江戸時代後期の文化・文政、明治、大正、昭和、戦後、平成、令和と、日本の近代・現代の人物を中心に300…
神保町のPASSAGE(パサージュ)3号店「SOLAIDA」の「深呼吸書店」で橘川さんと待ち合わせ。鹿島茂がオーナーのシェア書店「パサージュ」の旗艦店だ。 雑誌「イコール」の常備店になる「深呼吸書店」の棚に、私の本も2冊置いてもらった。 ギャラリー珈琲店「古瀬戸」で、橘川さんと「イコール」創刊号に掲載する「知研」号の見本ページについての相談。市販の本格的な「雑誌」というものがどんなものかよく理解していなかった。やり直し。これも新しい体験だ。 ーーーーーーーーーーーーー 「名言との対話」3月13日。内田康夫「推理は愛」 内田 康夫(うちだ やすお、1934年11月15日 - 2018年3月13日…
『テスカトリポカ』の作者の江戸川乱歩賞受賞でデビュー作。『テスカトリポカ』『爆発物処理班の遭遇したスピン』が素晴らしかった。本書の評判は設定がライトノベル的というところまでしか知らず手に取っていませんでした。 最初はライトノベル的かなと思いつつ、昔の近所で私的な物語が起こる村上春樹的な語り口に変化し、最後は現実と意識が紛れ込む信頼できない語りに収れんしていき、真相が語られるものの、本当にそれが真相なのかという感じで頁を閉じる。そういう意味で、かなりオリジナリティのある作品だと思います。 読後、Amazonのレビューと江戸川乱歩賞の選評を読んで、自分の読後感と比較しましたが、どの評も一理ありとい…
東野圭吾のおすすめ4選について 東野圭吾のおすすめ4選 福山雅治、柴咲コウが主演したガリレオシリーズで有名ですね。数学的なトリックと人間ドラマが面白かったですね。 香港の民主化の星アグネス・チョウ氏も獄中で東野圭吾の本を読みふけったという。 東野圭吾の世界へようこそ! 東野圭吾は、日本を代表するミステリー作家です。数々の名作を生み出し、その巧妙なストーリー展開と深い人間ドラマで多くの読者を魅了し続けています。 ミステリーファンはもちろん、読書初心者にもおすすめなのが東野圭吾作品です。読みやすく、ページをめくる手が止まらなくなるような作品ばかりです。 今回の記事では、数ある東野圭吾作品の中でも特…
県警の捜査一課を舞台に短編の事件で構成された小説。 蜃気楼の犬 (講談社文庫) | 呉 勝浩 |本 | 通販 | Amazon ----------------------- 正義など、どうでもいい。俺はただ、可愛い嫁から幸せを奪う可能性を、迷わず排除するだけだ。明日も明後日も。県警本部捜査一課の番場は、二回りも年の離れた身重の妻コヨリを愛し、日々捜査を続けるベテラン刑事。周囲は賞賛と若干の揶揄を込めて彼のことを呼ぶ――現場の番場。ルーキーの船越とともに難事件の捜査に取り組む中で、番場は自らの「正義」を見失っていく――。新江戸川乱歩賞作家が描く、新世代の連作警察小説。 ------------…
13階段 著者:高野 和明 出版社:講談社 発売日:2004年08月15日頃 ページ数:400p 内容 犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。 Amazonレビュー ⭐4.1 😁評価が高かったレビュー 読書YouTuberの何人かの皆様が勧めていたので読んでみました。死刑囚の口から出てきた「階段」について二人の人物が探索を始めます。死刑囚のえん罪…
青っぽい装丁の表紙を初めて手に取った時に思ったことは二つあった。 著者のイニシャルはA・Aだと、しょうもないことが面白かった。そして、まだ二十代前半で江戸川乱歩賞を受賞してデビューしたこの人に猛烈な嫉妬心を覚えた。 さて、世界中に向けて”不幸な水曜日”に開かれた会見で、2023年3月7日に小惑星が地球に衝突すると発表された。衝突予測地点は日本、おそらく熊本地方だと言われた。事実が公表されたのはちょうど半年前になる。日本中、特に九州地方は騒乱を極めた。人々は混乱しうろたえ恐れおののく。絶望感と恐怖心に負けて数えきれない人間が自死を選んでいく。九州から、日本から少しでも離れようとどこかを目指して逃…
第68回江戸川乱歩賞を受賞されたこの作品は、タイトルと装丁からかなり惹かれるものがありました。 作家の荒木あかねさんは23歳という若さで本賞を獲得されています。 小惑星衝突による地球滅亡が2ヵ月後に迫った世界で、主人公である小春(ハル)と自動車教習所教官のイサガワ先生が連続殺人の謎を追うという他にはあまり見ないようなシチュエーションとなっています。 荒木さんはインタビューでも「自分のこの作品が大好きです」とおっしゃっています。 お若いのに、しっかりとした自分思想が含まれているこの作品は、年配者の私にとっては少し困惑するワールドだったかもしれませんが、良い意味で脳みそを刺激してくれた衝撃の作品で…
真珠とダイヤモンド下:桐野夏生著のレビューです。 ☞読書ポイント 感想(ネタバレなし) 桐野夏生プロフィール 真珠とダイヤモンド(上)レビュー ☞読書ポイント 上下巻で読むのが大変かと思いきや、上下ともに面白くあっという間に読める一気読み系小説です。バブルの恩恵を受け、札束が飛ぶような派手な生活から、バブル崩壊後の転落の様子は恐怖そのもの。バブル世代も、知らない世代も必読の一冊。 上巻はどんな話だったか➡(上巻レビュー) 感想(ネタバレなし) 真珠とダイヤモンド 下 どういう展開になるのか、まだまだ掴めなかった上巻。証券会社に勤める男女3人の行方はどうなるのか。上巻はバブル景気に沸き立つ日本で…