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氷河時代

(サイエンス)
ひょうがじだい

Ice Age 

地学的な年代の考え方で、地球上で氷床(大陸氷河)が発達した寒冷な時代を指す。

概略

研究によれば、先カンブリア時代以降では少なくとも4回の氷河時代があったと考えられている。
氷河時代の間は大陸の広範囲が氷床に覆われる寒冷な氷期と、比較的温暖な間氷期が周期的に訪れる。最後の氷期は約1万年前に終わっているが、現在は間氷期に過ぎず、依然として氷河時代は続いていると考えられている。
なぜ氷河時代が発生するのか(そしてどうやって終わるのか)は、はっきりとは分かっていない。

気候変動の要因としては、大は太陽系の銀河系内公転*1から、太陽そのものの活動の変化*2であるとか、あるいは大陸の移動*3や大気成分の変化による温室効果の変動*4、火山活動*5、海流の変化*6や海退*7など、多数のメカニズムが影響していると考えられる。

ミランコビッチ・サイクル

氷河時代内の氷期と間氷期の変動については、上限10万年を周期に繰り返すことが知られている。
ミランコビッチは地球の軌道要素を計算し、地球軌道の離心率の変化*8、地軸の傾きの変動*9、歳差運動*10の三つの変化が地球のうける日射量の周期的な変化をもたらすとした。
現時点ではこれだけですべての氷期と間氷期の変動を解明できるわけではないが、実際の変動状況の証拠と合致する部分も多く、主因(の一つ)であると考えられている。

*1:太陽系を含む銀河系は、約3億年で1周する自転を行っており、それによって例えば星間物質の量が変化するなどの影響が考えられる

*2:核融合の都合上、誕生以降太陽は次第に光度を増していると考えられる。

*3:単純には、氷河が増えると太陽光を反射して地球が受け取る熱の総量が減って気温が下がり、益々氷床が成長するというフィードバック現象が起きるはずである。よって、氷床を維持できる陸地が極地付近に存在すると、気候を寒冷化させる作用があると考えられる

*4:現在の地球の温度は、水蒸気を筆頭とする大気の温室効果によって30K程度ゲタを履かせた状態になっている。一方で生物活動や海洋の「呼吸」などで二酸化炭素の量はそれなりに簡単に変動し、気候に影響を与えると考えられる

*5:大気中に微細粒子を大量にまき散らし、これが太陽光を遮って寒冷化を招くことが知られている

*6:地球は丸いから、赤道付近で受け取る太陽エネルギーと、極地で受け取るそれとには大きな違いがある。海流によって赤道付近の熱を両極方向に輸送していれば、氷床を形成する力は弱まるはずである。逆もしかり。海流自体の変動の他に、大陸移動で海流が阻害されたり新しい物が生まれたりといった要素も考えられる

*7:氷床の発達で陸上に拘束される水分量が増えると、その分海水が減ることになる。大陸の周辺には大陸棚として比較的浅い海域が広がっており、これは氷床の発達次第では簡単に陸地に転換される。陸地が増えて浅海面が減ることによる影響は一概には言えないが、二酸化炭素循環に大影響を与えそうではある

*8:約9.3万年周期

*9:平均4.1万年周期

*10:約2.6万年周期

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