女性が社会重要性を担っている社会、またはその社会制度。
古代史における父権・母権が現在とは異色の形であり、
女性に対する信仰性が強かったことなどを学者バハオーフェンが
著書「母権制」のなかで示し、父権制の対立概念として
近代思想に大きな影響を与えた。
現在では、少なくとも公的領域で女性が長期的に男性に優越するという意味での母権制社会の存在は否定されている。どの社会でも、公的な領域では男性が通常支配権を行使し、女性はよほどの力量と運に恵まれない限り、支配権を行使できなかった。しかし、同時にどの社会でも女性は母や妻としての権威を通じた、舞台裏の権力を握る機会が与えられており、母系制ではその程度が高い傾向がある。