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欧州債務危機

(社会)
おうしゅうさいむきき

ヨーロッパ各国で発生したソブリン・ショック(債務危機)のこと。
2010年に入って、ギリシャで問題化した国家単位の粉飾により
同国の財政が極めて悪化していることが発覚した。
そのためギリシャ国債は一挙に暴落、公務員改革などの
財政再建も思うように進まず、2011年9月上旬にはギリシャ政府が
「財政再建の達成は困難」と発表した*1ことから、IMFなどの支援審査が中止され
同国の国債2年物利回りが100%を突破*2、EU諸国の支援にもかかわらず
デフォルト(債務不履行)の可能性が現実味を増した。
この問題は支援していたEU諸国にも波及し、元々財政が懸念されていた
PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)にも飛び火。
10月にはイタリア国債が3段階引き下げ、スペイン国債が2段階引き下げられた。*3、11月にはイタリア国債10年先物利回りが7%台に乗った*4
また、PIIGSのみならず周辺のEU諸国も信用不安が増し、12月16日にはベルギー国債が格下げ*5
欧米主要銀行も格下げされたほか、外為市場も12月30日にはユーロが初めて100円を割った。
明けて2012年の1月11日、ハンガリーの財政赤字削減に対する取り組みが不十分だとして欧州委員会は
同国への抜本的な赤字削減を勧告するようEU財務相理事会に要請*6
1月13日には、S&Pがフランス国債の格下げを行ったことが同国により確認された*7
欧州では、2013年6月に債務リストラが行われる予定だが、信用不安は当面解消されそうにない。
また、アメリカもリーマン・ショックやサブプライムローン問題を
財政出動で切り抜けつつあったため、財政赤字はGDP比でギリシャと同水準に達した*8
8月には、S&Pによる格下げが行われ*9、深刻な状態になりつつある。
これらの現象は、わが国においても円高を加速させるという状態を招き
東日本大震災の影響もあって、当面は経済の落ち込みが続くと見られた。
ところが、12年12月に行われた衆院選で政権交代が実現すると
デフレ脱却と名目3%の経済成長を掲げたアベノミクス効果により
日経平均株価が1万円台を回復。円高から円安へシフトしつつある。

*1:asahi.com ギリシャ政府「財政再建の中途目標、達成困難」 http://www.asahi.com/business/update/1003/TKY201110030080.html

*2:http://media.yucasee.jp/posts/index/9417

*3:http://kabu-fx-news.seesaa.net/article/229684435.html

*4:ロイター イタリア国債利回り、7%超え危機水準にhttp://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-24086620111110

*5:WSJ ムーディーズ、ベルギー国債を2段階格下げ http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_361782

*6:ロイター ハンガリー、赤字削減への対応なければEU基金支援停止の可能性 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120112-00000000-reut-bus_all

*7:ロイター 仏「トリプルA」格付け、S&Pが1段階引き下げたことを確認 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120114-00000015-reut-bus_all

*8:2011年9月26日現在。アメリカ商務省経済分析局による。

*9:WSJ トピックス:米国債初格下げ http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_286334

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