封切り二日目。 席数172の【シアター4】の入りは八割ほど。 『東野圭吾』原作による〔秘密(1999年)〕は印象的な一本だった。 亡くなった妻の意識が、高校生の娘に宿り、しかし次第に元々の娘の意識が交互に現れるようになり、やがては・・・・との流れ。 夫であり、また父でもある主人公の苦悩を見事に描き、哀切極まる一本に仕上がっていた。 それと比較すると、本作は格段にレベルが下がる。 近しいモチーフでありながら、お話があまりに一本調子に過ぎるのだ。 自分の子供、或いは親しくしている周囲の人が、実は過去に亡くなった人間の意識をしかも赤の他人のそれを宿していると知ったら普通の人はどう反応するだろうか。 …