1895-1985。 高等教育を受けず独学で、書誌学、近世日本文学、人物研究等に多大の功績を残す。 現在では岩波文庫及び講談社文芸文庫から以下の作品集を入手することができる。
『書物』(柴田宵曲との共著)(岩波文庫,1997) 『増補 新橋の狸先生』(岩波文庫,1999) 『新編 明治人物夜話』(岩波文庫,2001) 『新編 おらんだ正月』 (岩波文庫,2003) 『新編 物いう小箱』(講談社文芸文庫,2005)
「歯の健康」。 蓋し聴き慣れたフレーズである。 口腔衛生用品なんぞの「売り文句」として日常的に耳にする。 あまりに身近であり過ぎて、逆に注視しにくかったが――どうもこいつは相当以上に年季の入ったモノらしい。 具体的には百五十年以上前。維新早々、明治五年の段階で、大衆の目に既に触れていたようだ。 そのころ東京赤坂で輸入雑貨を扱っていた斎藤平兵衛なる者が、「独逸医方西洋歯磨」なる商品に関連し、こんな広告を出している。曰く、 「我国従来の歯磨は房州砂に色香を添、唯一朝の形容のみにて歯の健康に害(わる)し。抑此歯みがきは西洋の医方にして、第一に歯の根をかため、朽(くち)ず減(げんぜ)ず動(うごか)ざる…
おはようございます。 読書がライフワークになっている 医療業界のコンサルタント ジーネット株式会社の小野勝広です。 別に自慢できるほどではありませんし 私以上の読書家の方は多くいらっしゃいますし 決して比較できるレベルでないのは百も承知ですが、 子供の頃からわりと本を読むのは好きでした。 自分では読書家の1人と自負しています(笑) 今でも記憶にあるのは 小学生の時に家の近くにあった児童館で 頻繁に本を借りてきて 星新一さんや江戸川乱歩シリーズを 貪るように読んでいたことです。 その後、中学、高校、大学は 野球部に所属し 頭の中まで筋肉のような生活を送ってしまいましたので しばらく本から遠ざかっ…
京都で「西本願寺」を訪ねた。以下、浄土真宗の開祖・親鸞について「名言との対話」の記述。 親鸞「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」 親鸞(しんらん、承安3年4月1日 - 弘長2年11月28日 )は、鎌倉時代前半から中期にかけての日本の僧。 「教行信証」には、「苦しみを抜くことを「慈」といい、楽しみを与えることを「悲」という」「どんな徳もすべて具えているものを涅槃といい、どんな道にもすべて通じているものを菩薩と名づけ、どんな智もすべてを収めているものを仏陀と称するのである。」とある。 幕府が念仏禁止の挙に出たため、20年を過ごした常陸を捨て京都に帰る。このとき62歳。このあとさらに30年と…
昨日は一日中雪交じりの雨が降っていました。こんな日はストーブの前で本を読むに限ります。森銑三との共著『書物』(岩波文庫)にある柴田宵曲の「書物を題材とした作品」という文に、「第一に京伝の『御存商売物(ごぞんじのしょうばいもの)』が浮かんでくる」(308頁)とあり、それが読みたくなりました。『手前勝手 御存商賣物』は北尾政演(きたおまさのぶ)畫作です。北尾政演は山東京伝の画号で、京伝はまず画工として草双紙に携わりました。『御存商賣物』は書物を擬人化した黄表紙です。わずかしか本は持っていませんが、居ながらにして京伝を読めるのは幸いです。
日曜日に神保町で3冊の本を購入。目利きの書店主たちが選んだ本が並んでいるので、やはりいい本が多い。そして安い。その安さが、くじ引きで4割引き券があたり、さらに安くなった。この古本街をぶらつくと、買いたい本が目に飛び込んでくる。 坪内祐三『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代』(マガジンハウス)。「名言との対話」で、今年の1月13日に坪内祐三を取り上げた。その時に選んだ名言が「慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代」だった。その本が目に入ったのだ。 慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子…
1月のベストは朝比奈秋の「植物少女」です。 プロジェクト・ヘイル・メアリー/アンディ・ウィアー ほむら/有吉佐和子 物いう小箱/森銑三 男ともだち/千早茜 静かな人の戦略書/ジル・チャン(神崎朗子訳) 植物少女/朝比奈秋 アーモンド/ソン・ウォンピョン プロジェクト・ヘイル・メアリー/アンディ・ウィアー プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon プロジェクト・ヘイル・メアリー 下 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon 昨年のベスト本でもよく名前を見かけた、各所で大絶賛のSF小説。寡聞にもれず、むっちゃくちゃ面白かった!!! 刊行からまる2…
マダムに依頼を受けて巻物に歌詞を書くことになったんだけどおれが落書きなどをしてインスピレーションを得ようとしているときに同じ依頼を受けて横にいた男女コンビは下書きもなしに筆でサラサラと書いて終わらせて次の依頼に向かっていたのでおれだけ置き去りにされた形になり焦ってしまったしこじつけのような歌詞をやっとの思いで書きつけて次に進むと今度は英語の対話を完成させろという指示が出ておりこれは男女コンビも苦手らしく足踏み状態だったので形勢逆転できると英語の教本を開いてみたら五色の正誤表がハラリと落ちてきてこれを参照しながら解くのは面倒だなと思いつつも男女コンビより早めに終わらせてよし次の依頼だとなった辺り…
走ってきたのに目的のコンビニに今ちょうどシャッターが下りたので二十四時間営業じゃないのかと思ってみてたら経営者夫婦がシャッターの閉まり具合を確認してじぶんたちの住んでいるアパートに引き上げていたんだけど妻の方のド派手なハンドバッグが気になってしまうという夢を見た。あと、せっかく風呂に入ったのに体を洗うのを忘れて脱衣所に出てしまったんだけどいつの間にか縦横無尽にドアが取り付けられていて脱衣所が完全に近隣住民の通り道になってしまっているという夢を見た。あとあと、下品なモチーフのビールを出す店に来日中の外人男が大はしゃぎしてたら地元の日本人女が露出度を上げてその外人に絡みだしたのでああいうイモみたい…
芸能人にクレクレって言ってるやつが猛烈にあしらわれている夢を見た。夢はこれだけ。挿し穂したシルバーグラスを植え替えてたら夢も忘れたし、パソコンをつけるのも遅くなっちゃったんだよね。植え替え途中に根元からブチッてやっちゃったりしたのでダメかもしれないが、挿し穂なのでどうなっても構わない、むしろ外に出そうかな~などと考えて検索、耐寒性強って書いてあったので出したんだけど、調べ直したらやっぱ寒いのが苦手って書いてあった。またフェスツカグラウカの情報じゃん! でもまあ今の時期はまだ寒くないから、とりあえず乾かす間だけでも外に出しておくことにした。草の方のシルバーグラスも多肉の方のシルバーグラスもあって…
僕は今でも紙の新聞を毎日読んでいます。ネットニュースも読みますが、やっぱり「一覧性」という点においては紙の新聞の方が圧倒的に優れています。でも最近の新聞は読むところが少なくなってきているような気がします。誌面の多くを占拠している「膝関節痛のサプリメント」や「育毛剤」、そして「尿漏れ対策パンツ」などなど、ページをめくるたびに高齢の読者層を意識した広告が目に飛び込んできます。選挙と一緒で、紙の新聞も高齢者しか読んでいないんだろうなあと思うと複雑な気持ちになります。 さて、そんな紙の新聞の中でも毎朝楽しみにしているものがあります。それは新刊や人気書籍などが紹介されている”書籍広告”の欄です。家の近所…
江戸ッ子の湯治は夢でしかない?半年ほど前に「江戸ッ子の湯治」という文章を読んだ。作者は江戸の文化や風俗にくわしい三田村鳶魚(えんぎょ)氏である。江戸に詳しい作家先生方には、他には穎原退蔵氏、森銑三氏、饗庭篁村氏、淡島寒月氏、そしてわたしの私淑する幸田露伴氏などがいるが、三田村氏ほど庶民の生活を調べて、書いて、後世に残している方を知らない。で、今日お話しするのは、三田村氏の受売りであることをお断わりしておきます。江戸時代、湯治の出来る者は相当な費用がかかるので、庶民には高嶺の花。長屋に住む庶民には、湯治費用などどこにもありません。なんせその日暮らしなんですから。ですから江戸ッ子は親も子も孫も湯治…
おっそ。おっっっそ。もう9月になろうかというのに、今7月の記録である。 自分で「忙しい」っていうのなんか違う気がするけど、結構忙しかったんです。でもまとめる。これもまた自分のためなので。 ●ユクスキュル/クリサート著 日高敏隆・羽田節子訳『生物から見た世界』岩波文庫 www.iwanami.co.jp 大好きな漫画である『思えば遠くにオブスクラ』(靴下ぬぎ子、秋田書店)にも登場する1冊。小さな虫や鳥だとかが、どう世界を「見ている」のか。「環世界」というキーワードを使って説明してくれる。 この「環世界」は同一の生物種の間でも異なりうる。生活してきた文化や風土が違う人間同士でも、見えている風景がま…
語学学習用にリライトされたシャーロック・ホームズ短篇のアンソロジーを終えたので、いよいよコナン・ドイルの原文に進んだ。とはいえ一人立ちはまだ難しくまずは柴田元幸、西村義樹、森田修の先生方による『シャーロック・ホームズで学ぶ英文法』に取り組んでいる。本書には『シャーロック・ホームズの冒険』収載「 青いざくろ石の冒険 」の原文がそのまま収められている。 当然ながらわたしにとってシャーロック・ホームズの原文は易しくはない。それでも読み進めるうちにすこしはコナン・ドイルの調子に慣れたかなと思うときがあって、挫けずにラストまで行き着こうという気になる。まさに蝸牛のあゆみにほかならない。 「人間は仕事が出…
自身の著書を、友人知人や尊敬する方に贈る際、通例として献辞とともに相手の名前をしるす。ところがときにこの献呈本が古書店に出ていたりする。古本屋廻りの好きな方ならおわかりだろう。わたしも何度かそうした献呈本をみている。 著書を贈ったからとて相手が読んでくれるとはかぎらない。一読され書棚に飾られてあるのは望外の幸せというべきで、読後物置にしまわれるのはまだしも、一瞥もされずに捨て去られたり、古本屋に払い下げられたりするかもしれない。それで傷つく人ははじめから他人様に署名入りの自著を贈ったりしてはならない。ただし、贈られた側が知らないうちに献呈本が古書店に出ることがあり、これがときに「事件」となる。…
『闇夜に怪を語れば 百物語ホラー傑作選』 東雅夫(編)/2005年/340ページ 月のない晩、一堂に会した人々が百筋の灯心に火をともし、怪異を語り合っては、一話ごとに灯心を一筋ずつ消してゆく。やがて百話満了した真闇のただなかで、必ずや怪しい出来事が起こるという…。江戸から続く「百物語」怪談会の伝統と恐怖を今に伝える、小説、エッセイ、詩歌から評論まで、多彩な作品を精選収録。時の流れに磨きぬかれたホラー・ジャパネスク=究極の怪談をお楽しみあれ。 (「BOOK」データベースより) 京極夏彦&東雅夫の対談「新説『百物語』談義」で幕を開け、小説のみならず多彩な「百物語」ホラーを収録している。 遠藤周作「…