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核抑止

(一般)
かくよくし

Nuclear Deter Rence(英)


核兵器による抑止。
「抑止」は戦略論的には「耐え難い反撃を想定させることで攻撃を抑制させる」ことである。
よって核抑止とは、「核兵器を配備しておき、それによる反撃を想定させることで攻撃を抑制させる」ことになる。

概略

実際には、どういう攻撃に対して核反撃を行うかの選択肢がある。

  1. 核兵器による攻撃には核兵器で反撃する
  2. 核に限らず大量破壊兵器には核兵器で反撃する
  3. とりあえずどんな攻撃でも核兵器で反撃する

狭義には「核には核を」を指すことが多く、いわゆる核抑止論とか「核の傘」とかの議論で前提されるものはこれである。
他、たとえば冷戦中はNATOは戦術核兵器を欧州正面に配備し、ワルシャワ条約機構軍による攻撃の阻止に失敗した場合には(半ば大っぴらに)戦術核での反撃を認めていた。これも核抑止の一種であると言える。

評価と課題

50年近くに及ぶ冷戦期間中、一度も核戦争は起きていない。これを核抑止の成果と見るか、それとも単なる外交努力の集積や偶然の成果とするかは立場によって分かれる。
ただ、核抑止は「こういう時に核兵器で反撃するぞ」ということが分かっていないと効果を発揮せず、核兵器を「使いやすくする」努力がないと成立しない。これは核使用への敷居を下げる危険な振る舞いであるといえる。
また「『こういう時』に抵触しなければ何をやってもいい」というフリーハンドを相手に与えてしまう危険があることになる。
また、昔からあるポーカーゲーム的なジレンマ、「相手が『事態が悪化したら核兵器を使う』と宣言してるんだったら、いっそこっちが最初から核攻撃をした方が得じゃねえ?」みたいな考え方が成立する余地もある。
いずれにせよ力の使用を抑制させるには拮抗する力が必要というのが(ホッブズ的な)国際社会の常識であり、「細かい話」は別にして、予見しうる将来にわたって(戦略核が全廃されない限り)核抑止というアイデア自体が放棄されることはないと思われる。

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