核兵器の全世界的な廃止、もしくはそれを目的とした運動のこと。
世界唯一の被爆国である日本の国是とされる*1。
核兵器の全廃は、すべての核保有国(が核兵器*2を手放すことに同意しない限り達成できないことになる*3。
これは(現在の国際秩序を前提とするのであれば)核保有国の有権者(政権)の選択によるもので内政の範疇に含まれる問題であり、したがって他国からの働きかけには限度があるとも考えられる。
実際には核廃絶に関しても多面的あるいは段階的なアプローチがなされており、NPT(核拡散防止条約)であるとかCTBT(包括的核実験禁止条約)とか各種の非核地帯の設定であるとか、国際司法裁判所の1996年の勧告*4などはそれらの成果である。
しばしば言われていた「核保有国が自ら核兵器を手放すことはあり得ない」との論理は、南アの行動*5によって、一応否定された形になっている。
軍事的には、ある兵器が廃絶されるのはその兵器がより優れた兵器によって取って代わられるとか時代遅れになるというのが定番ではあるが、対人地雷禁止条約(オタワ条約)などに見られるように「非人道的な兵器を条約によって禁止する」というアプローチが存在するのも事実である。