大竹英雄(1942‐ ) 十二月十五日、大竹英雄名誉碁聖の引退会見。一時間以上にもわたる囲碁記者との質疑応答。含蓄ふんだん終始感服。お見事としか申しあげようのない一時間だった。 開口一番、「盤上に思い浮ぶ図が、貧相になってきた。自分に幕引きすべき時が来た」 寸分の弛みもない清く豊かな世界を視た人にして、云える台詞だ。とある時期、囲碁の手が日本で(ということは当時世界で)一番見えた人の台詞だ。 日本棋院の理事長をも務められた。健康上のご心配はないとのことだから、今後も後進の指導や囲碁の普及の面で、棋界に貢献なさろうとのお志だろう。 「トーナメントのプロだけでなく、解説のプロ、書くプロ、初心者指導…