東北の知られざる歴史を記したとされる古史古伝の一。作者は秋田孝季とされている。
出現当初、古田武彦らが支持したことや、畿内だけでなく東北にも王権があったとする内容から地元の支持を集め(よって天皇家には批判的なスタンスである)、市町村史の資料として多数採用された。
が、多くの研究者は『東日流外三郡誌』に対して批判的であり、筆跡鑑定や内容の検討・発見状況の不自然さ等から、第一発見者である和田喜八郎氏が1970年代以降に偽作したものであるとの結論に至っている。安本美典らの著作を参照されたい。
和田氏と古田氏の旺盛な活動については、関連ページも多いため割愛するが、和田氏はさほどの思想的・学問的背景があって偽作に及んだわけではなく、むしろ確信犯的詐欺師の性格が強い。この点『東日流外三郡誌』と他の古史古伝を比較する際には勘案すべきであろう。