何年か前に寸葉会という絵葉書などの紙ものの即売会で、戦前の『学士試験成績簿』を購入した。東北帝国大学工学部電気学科の学生の成績簿である。東大や京大の文学部で更にある程度知名度のある人のものだったら、速攻で買いだ。しかし、これは東北帝大工学部に昭和5年に入学した山内清彦という未知の人物の成績簿である。迷ったが、1,000円だし『学士試験成績簿』の実物は初めて見たので購入。 中には入学試験時の受験票や大学からの送付文、封筒も入っていてややお得であった。山内はグーグルブックスで検索すると、昭和8年東北帝大を卒業後同大の副手、助手を経て11年山梨高等工業学校教授となり、戦後は福井大学教授だったようだ。…