故・山際淳司さんの著書に「最後の夏」(マガジンハウス、角川文庫版では「男たちのゲームセット」)という作品がある。 今から50年前の1973年のプロ野球(NPB)セントラル・リーグ、前人未到の9連覇を狙う読売ジャイアンツと、それを阻止せんとする阪神タイガースとのデッドヒートを描いたノンフィクションだ。 優勝の行方は阪神甲子園球場での両チーム直接対決による最終戦までもつれ込み、結果は巨人が9-0で阪神に大勝して9連覇を達成した、伝説のシーズンである。 今でも語り草になっているのが、10月10日と11日に後楽園球場で行われた首位攻防戦だ。 10日の試合では、巨人が大きくリードしていたが、阪神が田淵幸…