イザヤ・ベンダサン著 山本七平訳の著作。ISBN:404704167X
比較文化論を述べた著作としては当時異例のベストセラーになった。
「日本人は安全と水は無料だと思っている」の一文も当時話題を呼んだ。
1971年、第2回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
本書はイザヤ・ベンダサンという一ユダヤ人の視点から見た日本人論という形式を取っているが、この本がベストセラーになった当時から、実際の作者は日本人なのではないかという疑惑がささやかれ、その候補として多くの名前が取りざたされた。大宅賞受賞の際も選考委員の開高健が「正体不明だそうで、洒脱な謎を仕掛けたものだ」と評している。
統一協会批判で有名な東北学院大学の浅見定雄教授は、『にせユダヤ人と日本人』(ISBN:4022604166)において、それが「訳者」としてクレジットされている山本七平に他ならないことを示し、後に子息や未亡人もそれを認め、現在では山本七平名義で再刊されてもいる(ISBN:404704167X)。
山本自身が生前に書いた文章には、同氏とジョセフ・ローラ(アメリカ人)、ミーシャ・ホーレンスキー(ユダヤ人)の三人による対話を基として作られた、との記述もある。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/09/part_1.htmlより孫引き
当時、帝国ホテルにはオペラ歌手の藤原義江をはじめ五、六人の住人がいた。たまに寄るホテル内のコーヒーハウスで出会ったのが、ホテルの住人ジョン・ジョセフ・ローラーと、彼の友人ミンシャ・ホーレンスキーだった。二人とも私と同様ライトマニアで、ライトマニアが三人集まっていろいろ話をしたのが『日本人とユダヤ人』のそもそもの始まりである
(VOICE別冊 山本七平追悼号)
なお、浅見教授によると、同書の中で最も話題を呼んだ記述の一つである「ユダヤ人の間では全員一致は無効」という話は事実ではないそうである。