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新必殺仕事人

(テレビ)
しんひっさつしごとにん

必殺仕舞人 → 新必殺仕事人 → 新必殺仕舞人

人気時代劇「必殺シリーズ」第17弾。第15弾「必殺仕事人」の続編である。
1981年(昭和56年)5月8日より1982年(昭和57年)6月25日まで全55回にわたって放送された。
必殺シリーズを代表するキャラクターの一人、三味線屋勇次が初登場した作品。また、長年主水の上役としてシリーズに出演する筆頭同心田中が初登場した作品でもある。
企画段階のタイトルは「必殺処刑人」。
最終回において秀は死を迎えるはずであったが、ファンからの投書や嘆願が影響し、脚本は変更され生き残ることとなった。
この作品によって、後期シリーズの方向性が定まることとなった。

ナレーション、あらすじ、スタッフ、キャスト、登場人物紹介、各話タイトル

ナレーション

世の中は 行くな戻るな居座るな

寝るな起きるな立つな座るな

生麦生米生たまご

どじょうニョロニョロ三ニョロニョロ

合わせてニョロニョロ六ニョロニョロ

しっぽ押さえりゃ頭が逃げる

頭押さえりゃ 尻尾がはねる

とかくこの世は悪党ぞろい

悪人ヒョコヒョコ三ヒョコヒョコ

四ヒョコ五ヒョコ

六ヒョコ七ヒョコ

八ヒョコ九ヒョコ十ヒョコ

ええい面倒くせい! 殺っちまえ!!

(作:山内久司/語り:古今亭志ん朝)

内容

仕事人最終回において、妻を失い記憶喪失に陥った娘を連れ旅に出た畷左門(伊吹吾朗)に裏稼業の"業"を見た主水(藤田まこと)と秀(三田村邦彦)は、裏稼業から足を洗い、表の仕事を続けていた。
そんなある日、主水はボロボロになって江戸に戻ってきた加代(鮎川いずみ)と偶然再会する。仕事人から足を洗った2人に加代は失望し、また殺しをやろうと持ちかけるが、2人とも二度と殺しはやらないと誘いを断るのだった。
加代はある日、三味線屋の女主人・おりく(山田五十鈴)の存在を知る。おりくに只者ではない気配を感じた加代は三味線屋を見張るが、彼の息子である勇次(中条きよし)に気付かれ、命を狙われるが秀に助けられる。
この三味線屋の親子は加代が睨んだとおりの殺し屋なのだが、裏では強請り屋の太兵衛(綿引勝彦)に強請られていた。その配下の女が太兵衛に嬲られ、自害して果てるとき、「この恨みを仕事人に…」の言葉が主水の耳に届いた。秀と加代を呼び出し、その場で主水は太兵衛の仕置を宣言し、裏稼業への復帰を果たす。そこへ現れるおりくと勇次の親子。手伝わせてほしい、との申し出に、主水は不本意ながら承諾する。
おりくと勇次の華麗な殺しを見届けた主水は、また会えるかしらと呟く加代に「向こうは向こう、こっちはこっち。別に会いたくもねえや」と一言。だがやがて、悪徳逃がし屋の事件を縁に、二つの仕事人組織は一つの糸へと寄り合わさっていく…。
続編に「必殺仕事人III」がある。

スタッフ

  • 制作
    • 山内久司(朝日放送)
  • プロデューサー
  • 音楽
    • 平尾昌晃
    • 主題歌「想い出の糸車」作詞:山本六介/作曲:山本六介/編曲:竜崎孝路/歌:三田村邦彦 東芝EMI
  • ナレーション
    • 古今亭志ん朝
  • 題字
    • 糸見渓南
  • 撮影
  • 照明
  • 編集
    • 園井弘一
  • 助監督

キャスト

登場キャラクター

中村主水(藤田まこと)
裏稼業のために一家崩壊となった畷左門の姿に、裏稼業の業の恐ろしさを突きつけられた主水は、裏稼業から足を洗い、職務怠慢ながらも同心勤めを果たしていた。妻のりつからは、「時折見せる鋭さが無くなった」「腹が出てきた」などとなじられるのだが、そんなことも気にせずマイペースに日常を送っていたが、加代と再会したことと、哀れな女の切ない恨みがきっかけで、再び裏稼業へ足を踏み入れることとなる。本作では、後期シリーズで頻繁に見られる「俺がこの稼業(同心)やっているから、お前らは生き延びていられるんだ」というような自己中心的性格が更に強化されており、時折自分の手柄のために加代や秀を使いっぱしりにすることもあった。反面、「主水友情に涙する」「主水娘と同居する」といった、主水の人間性に迫るエピソードも加えられ、キャラクター像に一層深みが出たように思われる。おりく・勇次親子とは、当初敵対関係とも言えるような形で裏稼業を遂行していたが、主水、おりくの両者がお互いの実力を認め合うことにより、協力関係が芽生え始める。とは言え、主水、勇次にしてみたら、お互いが面白くない存在であるのは変わりは無い。殺し技には変化がなく、相変わらず凄腕の剣技で相手を仕留めている。尚、本作において主水の旧姓が「北大路」であることが判明している。
飾り職の秀(三田村邦彦)
主水と同じ理由で裏稼業から足を洗う。ある程度年と経験を重ねたが、左門一家の崩壊を目の当たりにしたせいか、血気盛んで我武者羅な無鉄砲さは無くなり、「次は殺られる。次は殺られる……そう思うと、夜も眠れないんだ」とかなり神経質になっている。この頃から「寡黙で腕の立つ飾り職人」という設定が固められていった。また、加代と同じ長屋に住むため、主水と3人が秀の長屋によく入り浸っていた。最終回で死ぬ予定だったのだが、ファンによる嘆願により生き残る。殺し技は簪の急所突き。勇次の糸によって手繰り寄せられた悪人の首筋に突きたてるといった、ツープラトン攻撃も見せることが多い。
加代(鮎川いずみ)
前作では六蔵の優秀な美人秘書といったイメージがあった加代だったが、おしまと別れ、旅先で食うや食わずで金に困ったことが何度もあったせいで、金や仕事に対して強い執着心を見せるようになる。とは言え、今後の仕事人シリーズでの「金!カネ!かね!!」といった性格にはまだ至っておらず、時折勇次を誘惑するなど、小悪魔的なキャラクターに変化している。また、本作では男を真剣に愛し、裏稼業から足を洗いたいとさえ決意するのだが、結果的にその男が標的となり、けじめのために自らが刺したことによって、初めて裏稼業で人に傷を付けた。主に情報収集が役目。
三味線屋勇次(中条きよし)
生まれは上方だが、三味線屋おりくと共に江戸に流れ着き、三味線屋を開業した凄腕の仕事人。そのクールな眼差しと、冷酷な表情で相手を苦しみ悶えさせながら死に至らしめる殺し技は恐ろしいほど華麗。卑劣な悪人には怒りを露にし、例え命乞いをされたとしても、表情一つ変えることなく地獄へ送る。大変ストイックな性格なのだが、黙っていても女が寄ってくるため、結局は「女たらし」と思われてしまう。そういう所が、主水の嫌がるところなのかもしれない。結成からしばらく経っても主水とは対立を続けることもあり、ある仕事を巡っては「お前とは、いつか決着をつけなければならないと思っていた……」と主水と本気で殺しあおうとした。ちなみに三味線屋おりくとは表向きは親子だが、実の親子ではない。しかし、勇次のおりくへの愛情は、実の母以上のものであることは間違いない。三味線糸を相手の首に引っ掛け、吊るし上げるというインパクトの大きい技で仕留める。相手の隙を突いての殺しであるため、真正面から向かってこられた時には、危機に陥ることが多い。
三味線屋おりく(山田五十鈴)
勇次の母。本作以降の仕事人シリーズにおける主水チームの元締。年齢は高いはずなのだが、それを感じさせない妖艶な色気を持った女性。表の仕事におけるバチ捌きは、裏稼業の人間であることを隠せない程に鋭い。元々は上方で名の売れた大ベテランの仕事人であったが、仲間割れから散り散りに。その時、仲間を奉行所に売り渡したことの粛清のため、勇次の父親を自ら手にかけた。中村主水と対当に渡り合えるだけの技量と迫力。そして、用心深い主水から上手く情報を引き出すなどの知恵と要領を持つ。しかしながらよく旅に出るため(山田五十鈴のスケジュール的な問題、など)、普段は勇次一人が店を預かることが多い。おりく自身、勇次を育てることで勇次の父親を手にかけた業を背負っており、同じような境遇の仕事を主水たちが引き受けた時の一言は、大変重みがある。殺し技は三味線の撥。
筆頭同心内山(須賀不二男)
主水の上役。南町奉行所の筆頭同心。ベテランの同心で、面倒見の良い江戸っ子なのだが、いつも主水の尻拭いをさせられるためストレスから胃を病んでおり、胃薬が欠かせない。結局、一番恐れていた「八王子」へ転勤させられることになる。その後はどうなったか分からない。
筆頭同心田中(山内としお)
必殺シリーズにおける名物キャラクターの一人が遂に登場する。初登場の田中様は、以降のシリーズで見られるオーバーアクションのオカマキャラではなく、知識と嫌味と上役への要領良さを兼ね備えた典型的なキャリア候補生であった。24歳という若さで筆頭同心に抜擢されたが、明らかに年上揃いの奉行所同心たちを前にしても臆せず、堂々と「筆頭同心の職は腰掛であり、やがては勘定奉行所のさる重職に就くことになっている。私のやり方について来れない人は相手にしない」とまで言い切る所を見ると、家柄はかなりの身分であるに違いないだろう。だったらオカマの気は無かったのか、と言うとそうでもなく、新人の同心が入所すると笑顔で意味も無く体を触ったり、少しでも若くて親切な同心がいると「あなたはいつも優しいですね……」と目を見つめて手を握り返すなど、オカマであることを表に出さない、普通のオカマ(?)と言った感じであった。奉行所の最古参者である主水とは親子に近いくらい年が離れているが、主水のことを完全に小馬鹿にしている。しかしながら、主水も田中様のことを「偉そうな若造」程度にしか考えておらず、その辺りの掛け合いが現代のビジネス社会の滑稽な部分を取り入れており、主な視聴者層であったサラリーマン世代に人気を呼んだ。もちろん女は嫌い。実は臆病者であり、刀を一度も抜いたことが無かったりする。
中村せん(菅井きん)、中村りつ(白木万理)
相変わらずのコンビ。今回は勇次に端唄を習うことになり、主水にとっては裏稼業の仲間が自分の家に出入りすることに複雑な心境を抱いている。勿論、端唄のセンスなど欠片もなく、主水の親族ということで勇次も仕方なく付き合っているような感じだ。一度おりくが訪れたときがあったが、主水は気が動転したのか、それ以降来なくなってしまった。ちなみに、秀が主水の家の傍を通りかかったときに、二人が端唄の稽古のために歌っていたようだが、その時の秀の感想は「八丁堀!ありゃ人間の声か?」

各話タイトル(全55話)

  1. 主水腹が出る 脚本:野上龍雄 監督:貞永方久 ゲスト:大和田礼子 綿引勝彦
  2. 主水気分滅入る 脚本:野上龍雄 監督:松野宏軌 ゲスト:風祭ゆき 山本清 河原崎次郎
  3. 主水子守する 脚本:野上龍雄 監督:田中徳三 ゲスト:三浦真弓
  4. 主水寝言に奮う 脚本:保利吉紀 監督:前田陽一 ゲスト:小野進也 松山照夫
  5. 主水アルバイトする 脚本:石森史郎 監督:井上梅次 ゲスト:西沢利明
  6. 主水喧嘩の仲裁する 脚本:長瀬未代子工藤栄一 監督:工藤栄一 ゲスト:秋野陽子 永井秀
  7. 主水女の気持分かります 脚本:林企太子 監督:松野宏軌 ゲスト:本郷直樹 高木二朗
  8. 主水端唄で泣く 脚本:南谷ヒロミ 監督:井上梅次 ゲスト:佐山俊二
  9. 主水留守番する 脚本:高山由紀子 監督:田中徳三 ゲスト:江木俊夫 大前均
  10. 主水純情する 脚本:吉田剛 監督:田中徳三 ゲスト:草薙幸二郎
  11. 主水ふてくされる 脚本:石森史郎 監督:松野宏軌 ゲスト:寺田農 石田信之
  12. 主水金一封あてにする 脚本:南谷ヒロミ 監督:水川淳三 ゲスト:山岡徹也
  13. 主水体を大切にする 脚本:長瀬未代子 監督:松野宏軌 ゲスト:東山明美
  14. 主水悪い夢を見る 脚本:吉田剛 監督:田中徳三 ゲスト:中井啓輔 佐野アツ子
  15. 主水公休出勤する 脚本:高山由紀子 監督:田中徳三 ゲスト:田島令子
  16. 主水家で説教する 脚本:吉田剛 監督:水川淳三 ゲスト:鈴鹿景子
  17. 主水心中にせんりつする 脚本:高山由紀子 監督:水川淳三 ゲスト:小野進也
  18. 主水上役に届け物する 脚本:望木俔東子・保利吉紀 監督:貞永方久 ゲスト:原良子
  19. 主水夜長にガッカリする 脚本:石森史郎 監督:松野宏軌 ゲスト:稲葉義男
  20. 主水つらく夜勤する 脚本:石森史郎 監督:田中徳三 ゲスト:風間舞子 黒部進
  21. 主水左遷を気にする 脚本:吉田剛 監督:工藤栄一 ゲスト:弓恵子 御木本伸介
  22. 主水浮気する 脚本:高橋稔 監督:松本明 ゲスト:赤座美代子 神田隆 平田満
  23. 主水かくれて夜勤する 脚本:南谷ヒロミ 監督:黒田義之 ゲスト:松橋登 本阿弥周子
  24. 主水泣いて減食する 脚本:吉田剛 監督:貞永方久 ゲスト:竹井みどり
  25. 主水猫を逮捕する 脚本:南谷ヒロミ 監督:松野宏軌 ゲスト:犬塚弘 早乙女愛 升毅
  26. 主水仮病休みする 脚本:石森史郎 監督:松尾昭典 ゲスト:早川保 林泰文
  27. 主水出張する 脚本:南谷ヒロミ 監督:工藤栄一 ゲスト:織本順吉
  28. 主水弁解する 脚本:篠崎好 監督:松野宏軌 ゲスト:奈良富士子
  29. 主水ねこばばする 脚本:石森史郎・福岡恵子 監督:田中徳三 ゲスト:宗方勝巳
  30. 主水御用納めする 脚本:南谷ヒロミ 監督:田中徳三 ゲスト:中井啓輔 はしだのりひこ
  31. 主水蜂にゴマする 脚本:田上雄 監督:松本明 ゲスト:大谷直子 長谷川明男 叶和貴子
  32. 主水安心する 脚本:松原佳成 監督:黒田義之 ゲスト:有川博 遠藤太津朗
  33. 主水粗食に我慢する 脚本:藤城洋子 監督:黒田義之 ゲスト:正司歌江
  34. 主水家でほっとする 脚本:南谷ヒロミ 監督:松野宏軌 ゲスト:弓恵子
  35. 主水友情に涙する 脚本:吉田剛 監督:田中徳三 ゲスト:菅貫太郎 近藤宏
  36. 主水凧市で交通整理する 脚本:石森史郎 監督:山本邦彦 ゲスト:峰岸徹
  37. 主水娘と同居する 脚本:吉田剛 監督:田中徳三 ゲスト:棚橋久美
  38. 主水女の節句に遠慮する 脚本:南谷ヒロミ 監督:松野宏軌 ゲスト:吉沢京子
  39. 主水友達を気にする 脚本:吉田剛 監督:松野宏軌 ゲスト:高木均
  40. 主水ケチに感心する 脚本:高橋稔 監督:水川淳三 ゲスト:遠藤太津朗
  41. 主水父親探しする 脚本:篠崎好 監督:山田良明 ゲスト:竹井みどり
  42. 主水バクチする 脚本:南谷ヒロミ 監督:前田陽一 ゲスト:葉山葉子
  43. 主水表の仕事に熱中する 脚本:石森史郎 監督:田中徳三 ゲスト:石山律雄
  44. 主水予算オーバーする 脚本:南谷ヒロミ 監督:水川淳三 ゲスト:北九州男 玉生司朗
  45. 主水心配する 脚本:松原佳成 監督:松野宏軌 ゲスト:曽根晴美
  46. 主水火の用心する 脚本:篠崎好 監督:松野宏軌 ゲスト:早川純一 八名信夫
  47. 主水かくし芸する 脚本:高橋稔 監督:田中徳三 ゲスト:神田隆 井上孝雄
  48. 主水倹約する 脚本:仁多雪郎 監督:黒田義之 ゲスト:亀石征一郎
  49. 主水三味線にビクビクする 脚本:石森史郎 監督:黒田義之 ゲスト:梅津栄
  50. 主水金魚の世話をする 脚本:南谷ヒロミ 監督:松野宏軌 ゲスト:田坂都 三浦ミカ 黒部進
  51. 主水ビックリする 脚本:松原佳成・正中恵 監督:松野宏軌 ゲスト:今井健二
  52. 主水つゆ支度する 脚本:松原佳成・福岡恵子 監督:田中徳三 ゲスト:小田切みき 大島宇三郎
  53. 主水甘味対策する 脚本:南谷ヒロミ 監督:田中徳三 ゲスト:芦屋小雁
  54. 主水入学祝いする 脚本:加田藤穂 監督:松野宏軌 ゲスト:渚まゆみ 芝本正
  55. 主水仕事仕舞いする 脚本:野上龍雄・筒井ともみ 監督:水野純一郎 ゲスト:佐藤万理
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