元NHK記者、作家。
NHKでは記者活動の傍ら、「ニッポンFSXを撃て」「一九九一年、日本の敗戦」などのノンフィクションを執筆、高い評価を受ける。
2003年のイラク戦争当時に同局のワシントン特派員として活躍。 2005年にNHKを退職し、2006年に国際謀略小説「ウルトラ・ダラー」で小説家デビュー。
詳しいプロフィールは以下の通り。
http://www.ryuichiteshima.com/profile.html
ウルトラ・ダラー
公式サイト http://www.ryuichiteshima.com/
佐藤優さんと手嶋龍一さんの「クライナ戦争の嘘~米露中北の打算・野望・本音~」を読みました。佐藤さんが2022年から人工透析を週三回で受けているのは衝撃を受けました。また、一回の透析時間に4時間かかり、その時間を有効に活用されているのもびっくりでした。 気になった文について、少しだけ紹介します。 ■日本のテレビや新聞で流されるニュース 大半がアメリカABCやCNN、イギリスのBBCといった欧米メディアを基にした二次 情報です。独自取材が少ないのは残念ですが、それならば、もう一方の当事者である ロシアのメディアもしっかりチェックして、活用しないのはおかしい。 日本は、西側諸国の2次情報は流しますが…
仰々しくタイトルを付けておきながら、かわぐちかいじの漫画『空母いぶき』と手嶋龍一のインテリジェンス小説『鳴かずのカッコウ』の2冊を読んだ方なら、「接点」が何なのかはすぐにわかるだろう。 『カッコウ』の主人公は神戸公安調査事務所で働く新人青年。以下は本作のクライマックスになるので、ネタバレになることをご容赦頂きたい。 神戸を舞台にアメリカと中国が非公開極秘接触をしていた。同盟関係にある日本にも内報せずに。米ソ冷戦時代もそうだったように、対立する超大国同士は不測の事態に備えて公式の政府間だけではない、独自の非公開極秘チャネルを築く必要がある。その動きを日本の公安がキャッチしたという物語だ。 物語で…
幻冬舎新書2006 インテリジェンスを扱った本で2006年のものだとちょっと古いかもしれないと思いながら読み始めたが、今でも読むに堪える内容が多い一冊だった。著者2人の知識の披露のし合いで、多少読者を置いてけぼりの部分はあったけれど。 スパイ天国なのは、上手く使いこなせれば悪いことではないのかもしれない。とりあえず、各国の専門家をたくさん育てないといけないのではないかと思った。少し前にリスキリングが話題になったけれど、確かに入社時の研修だけであとは自分でというのは無理がある。優秀な人材には学ぶ機会を都度与え、大学で講義が出来るくらいのレベルの専門家を育ててゆくことがインテリジェンスのみならず役…
1 日本は感謝されない? ウクライナ外務省は4月26日、公式ツイッターに投稿した動画で、支援国に対して感謝を伝えた。その柏手国は米国、カナダ、英国、オーストラリア、ドイツ、フランス、ポーランド、トルコ、エジブトなど31ヵ国が紹介されたが、ウクライナに対して3億ドル(約370億円)の支援を行った日本は含まれていなかった。このことについて、様々なところから非難の声が上がっている。 www.nikkei.com 資金の支援を行なった日本が感謝の相手から漏れたことについて、過去に同じような出来事があったことを思い出した人が多かっただろう。1991年の湾岸戦争時、日本円で1兆円を超える巨額の資金援助を行…
手嶋龍一さんは時々テレビで見かけるコメンテーター。最近ですと日曜日の朝の番組、「シューイチ」で時々お見掛けするような。そんな認識しかありませんでした。twitterで脳科学者の、茂木健一郎さんをフォローしているのですが、彼のツィートでご自身のFMラジオ番組で手嶋さんが出演され最近(ちょっと前ですが)出版された鳴かずのカッコウに関して紹介をされることを知りました。 早速、radikoのタイムフリーで茂木さんと手嶋さんの対談された番組を拝聴。鳴かずのカッコウはノンフィクションでは書けない諜報活動の話だとか・・・・・。 鳴かずのカッコウ 作者:手嶋龍一 小学館 Amazon 日本語では情報=info…
鳴かずのカッコウ作者:手嶋龍一発売日: 2021/02/25メディア: Kindle版本のタイトルが面白いなと思いませんか?カッコウの卵がヒントになりますが、種明かしは実際に読まれて頂ければと。 公安の物語ですが、公安自体何をしているかわからない職種ですよね。まぁスパイみたいなものでしょうか。ストーリーは淡々と展開されますが、公安業務が具体的にしっかり表現されていて、普段お目にかからない仕事内容が垣間見れるのがなかなか面白かった。 ストーリーの幅も世界展開しているので日本国内だけではなく、他国との関係性など細かく描かれており、筆者の経験や取材能力の高さが伺われる。多少の経済知識、外交知識がある…
手嶋龍一氏の「汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師 インテリジェンス畸人伝」を読んだ。手嶋氏は元NHK職員で、気付いたらいつのまにかNHKを辞めていた。辞めたのが2005年ということだから、もう12年も前のことだ。年齢的にもNHKの定年に達していたのかもしれない。本書は手嶋氏が趣味として集めている諜報活動にかかわる人物の評伝といった感じなのだが、一点本人にかかわる非常に興味深いエピソードが書かれている。 ゾルゲ事件、伯爵令嬢と手嶋氏 それは、あの日本で逮捕されたリヒャルト・ゾルゲの章の所なのだが、ゾルゲと親交があった伯爵令嬢山本満喜子に関するところだ。手嶋氏は山本満喜子と一度会ったことがあ…
毎月200冊の本を読んできたのですが、外国語の本を読むために、読むスピードを意図して少し早めました。 そうすると、なんだか月に250冊ぐらいの本が読めるような気がしてきました。 外国語の本を読み出すのは、もう少しあとでもいいのではないかという気持ちもあり、そのまま続行して日本語の本を読み続けました。 その結果、先月から「今月の読破リスト」の冊数が250冊となっています。 月に250冊だと、年間3,000冊になります。 年3,000冊読めば「一流の読書家」だと以前から感じていたのですが、「一応、仕事もしているし、自分にはムリだ」と思い込んでいたわけです。 「ついに一流読書家の仲間入りをした!」と…
雑誌『プレジデント』のWEB記事に次のような見出の対談が載っていたので読みました。 佐藤優が"筆を断つ覚悟"で断言「ガザの病院を隠れ蓑にハマスがテロ行為を行っている蓋然性は極めて高い」 佐藤優は、病院の地下にハマスの司令部があったのだとして、国際法違反だと言います。佐藤は地下司令部があればイスラエル軍の攻撃も仕方のないことだという意見のように受けとらざるをえません。。 これまで佐藤優の文は時流に流されない好評論だと思っていました。ガザの戦争についてはイスラエルの病院攻撃を免罪するような感じがします。 今ガザ攻撃を無差別的に行っているイスラエルに思想的に一定の共感を持っているのであれば明確にすべ…
画像の転載、複製、改変等は禁止します。 本記事およびイラストは https://ameblo.jp/0831nuko/ および https://nukobook.com/ で掲載されているものです。 上記以外で記事やイラストを掲載しているサイトがありましたら、ご一報いただけますと幸いです。転載や引用につきましてはご連絡ください。 『鳴かずのカッコウ』 手嶋 龍一 (著) 小学館文庫 のイラストブックレビューです。 梶壮太は、国際テロ班に所属する公安調査官。ジョギングの途中目にした看板から中国・北朝鮮・欧米の組織が複雑に絡んだきな臭い事案の調査を担当することに。同僚の西海帆稀とともに神戸の町で裏…
くっしゅー やぁ一平です。 あ、最近違法賭博で話題の一平ではないですよ。お間違えの無いように まぁそんなことはどうでもいいだろう 文章が支離滅裂になる癖どうにしかしたいが、無理だろう 深く脳にいや、脊髄に深く刻まれている 脊髄反射というものだよ。諸君 私が文章をしたためているときは、大脳を経由していないからな 無意識的にやっているのさ さぁ本題に入ろう 近くて遠いあの日 2017年にマレーシアで暗殺された人物を覚えているだろうか そう金正男だ 今日はその話ではなく 2001年に5月1日に行われた密入国の話だ。 あの時政府はどんなjudgeを下したのか なぜ入管で止めることができたのか ちょっと…
危機の読書 (小学館新書 436) 作者:佐藤 優 小学館 Amazon 最近、”知の怪人”佐藤優さんの読書指南が、かなり実践的というか、事象があまりに複雑化していて、余程の人でなければ読書を現実に応用することが難しくなっていると感じているのか、かなり「即物的」になってきているような気がします。 この本で取り上げられているのが、 内村鑑三『代表的日本人』 ヨゼフ・ルクル・フロマートカ『なぜ私は生きているか』 宮本顕治『鉄の規律によって武装せよ!』 アーネスト・ゲルナー『民族とナショナリズム』 手嶋龍一『鳴かずのカッコウ』 斎藤幸平『人新世の「資本論」』 の6冊で、ワタクシ自身既読なのは『人新世…
原発プロパガンダ (岩波新書)作者:本間 龍岩波書店Amazon目次 はじめに 「広告」は何を担ったか 日本の広告業界の特殊性 序 章「欺瞞」と「恫喝」 「プロパガンダ」とは何か ヒトラーの「反省」 日本における結実 原発プロパガンダを流布したメディア 原発プロパガンダのキャッチフレーズ 2兆4000億円の宣伝広告費 「刷り込み」を担った広告代理店 原発立地県と消費地で異なるメッセージ 東京電力広告費、膨張の歴史 原発広告の特異な二面性 広告こそ原発プロパガンダの力の源泉 原発プロパガンディストたち 原発プロパガンダの構成要素 第1章 原発プロパガンダの黎明期(1968~79) 最初の原発広告…
毎週日曜日は、この一週間( 1/22~1/28)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上のもの) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 2/4 号 2 冊染織工芸家浦野理一の仕事 小津映画のきもの帖 浦野理一 katsura books 3,960晩酌の誕生 飯野亮一 ちくま学芸文庫 1,430 ◆女性自身「今週の本」: 2/6 号 4 冊続きと始まり 柴崎友香 集英社 1,980 ⑤バーバパパのは…
自分で始めた事なので・・・💦💦。 2022年(59冊読了)からは大幅に低下した読書量ですが、2023年の読書記録を以下、エクセルにまとめてみました。 table { border-collapse: collapse; } th { border: solid 1px #666666; color: #000000; background-color: #ff9999; } td { border: solid 1px #666666; color: #000000; background-color: #ffffff; } No タイトル 著者 出版社 読了日 感想 1 焼酎の科学 発酵、蒸…
スギハラ・サバイバル (小学館文庫) 作者:手嶋龍一 小学館 Amazon 先日紹介した手嶋龍一さんのインテリジェンス小説『ウルトラ・ダラー』に続く第二弾にあたる小説です。 タイトルにある「スギハラ」というのは「命のビザ」のエピソードで知られる杉原千畝で、”知の怪人”佐藤優さんとのインテリジェンスについての対談本三部作『動乱のインテリジェンス』『知の武装』『賢者の戦略』の中で、杉原千畝がかなり優秀なインテリジェンス・オフィサーだったという横顔について触れられていて、この小説でも「命のビザ」の発給が人道主義的な動機のみならずインテリジェンスの側面があったことを示唆されています。 その「命のビザ」…
物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術 (幻冬舎単行本) 作者:けんすう(古川健介) 幻冬舎 Amazon 早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚!」読書法 作者:浅田 すぐる SBクリエイティブ Amazon 不破哲三氏への手紙 (宝島社新書) 作者:松竹 伸幸 宝島社 Amazon ウクライナ戦争の嘘 米露中北の打算・野望・本音 (中公新書ラクレ) 作者:手嶋龍一,佐藤優 中央公論新社 Amazon ポケットスタディ AWS認定 SysOps アドミニストレーター アソシエイト 作者:海老原寛之 秀和システム Amazon
ウルトラ・ダラー (小学館文庫) 作者:手嶋龍一 小学館 Amazon 先日、手嶋さんの佐藤優さんとの初期のインテリジェンスに関する対談本三部作『動乱のインテリジェンス』『 『知の武装』『賢者の戦略』をイッキに紹介しましたが、その中で有数のインテリジェンス・オフィサーであった”知の怪人”佐藤優さんが再三激賞していた日本初のインテリジェンス小説である本作が気になって手に取ってみました。 文庫本で手に取ってみたのですが、ちゃんと解説は”知の怪人”佐藤優さんでした!(笑) 一応この本は純然たるフィクションである小説の体裁をとっているのですが、北朝鮮が制作したとされる、精巧な偽札チェッカーでもすり抜け…
賢者の戦略 (新潮新書) 作者:手嶋 龍一,佐藤 優 新潮社 Amazon 一昨日の『動乱のインテリジェンス』、昨日の『知の武装』に引き続き手嶋龍一さんと佐藤優さんのインテリジェンスに関する対談本なのですが、どうもこの3冊で三部作ということを意図されていたようですね。 この本が出版されたのが2014年で、ロシアのクリミア併合があった年だということもあって、そのことについて触れられています。 佐藤さん自身、ロシアにかなりの人脈があるということもあり、手嶋さんは出世作であり、佐藤さんが3部作の中で再三激賞されている日本初のインテリジェンス小説『ウルトラ・ダラー』でウクライナの武器の闇市場を題材とさ…