NHK出版から2008年4月に創刊された思想誌。
東浩紀と北田暁大の共編で、論文を一般から募っていた。2010年までに5冊刊行された。
後に東浩紀はこれを引き継ぐ形で、新しい言論史「思想地図β」を2010年に創刊した。
NHKブックス別巻 思想地図 vol.5 特集・社会の批評
NHKブックス別巻 思想地図 vol.4 特集・想像力
NHKブックス別巻 思想地図 vol.3 特集・アーキテクチャ
NHKブックス別巻 思想地図 vol.2 特集・ジェネレーション
NHKブックス別巻 思想地図 vol.1 特集・日本
* 雑役仕事と金が尽きて、もうしばらくになる。おかしなもので足りないときほどしたくなるものだ。創作や自涜、どちらも空想と実感を一致させてゆくという点でよく似ている。台所には甘味料、香辛料、油、肉などなし。あるのはしなびた野菜のいくつかと、わずかな麺類。そしてとうとうあいてしまった靴の孔――そこへ公園のベンチがこちらに近寄ってくる。 おかしなものであまっているときはこういった苦痛について、おそろしく鈍感で、まえにも遭った、経験済みの苦痛をまたしてもやらかしてしまう。反復また反復、おそらく精神医学じゃあ、とっくに名札のついた動きなのだろうが、こちらとしてはどうにもならない。それを知ったところで日雇…
* 人間の消滅とポスト・ヒューマニズム ポスト構造主義を代表する思想家の1人であるミシェル・フーコーは『言葉と物』(1966)において「人間の消滅」という挑発的なテーゼを提示して一躍時代の寵児としての地位を確立しました。難解な専門書にもかかわらず「バゲットのように売れた」といわれる同書は中世以降の西洋における「エピステーメー」の変化を主題としています。ここでいう「エピステーメー」とは、ある時代や社会の思考システムの基本的な布置を指しています。そしてフーコーは西洋の歴史におけるエピステーメーはルネサンス期(16世紀以前)、古典主義時代(17〜18世紀)、近代(19世紀以降)という三つの段階の境界…
想像力を働かせて生きていく 人生はわからないことだらけです 答えはなくただむなしい荒野が広がるのみ そう感じられる時もあるでしょう 意味がないと感じるのも その日その時にしか感じられない気持ちなのかもしれません 人生の大半は劇的な出来事の連続というより 平凡で平(たい)らな意味がないとしか思えない そんな日々なのかもしれません 人生100年時代と呼ばれるようになった今日(こんにち) 誰でも情報をSNSでキャッチできるようになった一方で いまだに解明されていない出来事もちゃんと存在していて それを知りたいと思う人々の思いは尽きることはありません しかしながらすべてを知って生きている人などどこにも…
◆2024年◆ ・年鑑 ・「図書」 ・文芸時評 ・ゲンロン ・近代出版研究 ・[連載]大澤聡「文芸時評《3月》――本という人生 「ある」と「ない」のあいだで」(『毎日新聞』、毎日新聞社、夕刊文化面、2024年3月27日) ・[連載]大澤聡「見聞録 メディア[3月]――技術革新と書き言葉 声を文字へと変換する世界」(共同通信、2024年3月27日配信)*全国各紙に順次掲載 ・[論文]Satoshi OSAWA. "Miki Kiyoshi as Editor: The Landscaping of Japanese Philosophy." Miki Kiyoshi and the Crisis…
◆執筆一覧【2016年】 ・[連載]大澤聡「アーカイブ[52]――人工知能問題はアーカイブ問題である。」(『出版ニュース』、出版ニュース社、17頁、2016年12月下旬号)・[連載]大澤聡「ネット社会時評[12月]――必要な情報が埋没する DeNAサイト問題」(共同通信、2016年12月20日配信) *全国各紙に順次掲載・[回答]大澤聡「2016年下半期読書アンケート」(『図書新聞』、図書新聞、第3284号、12面、2016年12月24日)・[鼎談]竹内洋+片山杜秀+大澤聡「教養主義の“没落”と出版の未来」(『中央公論』、中央公論新社、162-169頁、2017年1月号)・[コラム]大澤聡「《…
2023年7月1日に『デジタルテクノロジー図鑑 「次の世界」をつくる』が出版されました。デジタルテクノロジー図鑑 「次の世界」をつくる作者:comugiSBクリエイティブAmazon フライヤー www.flierinc.com マインドマップによる整理 参考文献 B・J・フォッグ著、 高良理/安藤知華訳 『実験心理学が教える人を動かすテクノロジ』 日経BP、 2005年 M・チクセントミハイ著、 今村浩明訳 『フロー体験 喜びの現象学』世界思想社、1996年 NHK 『平成ネット史(仮) 』 取材班 『平成ネット史 永遠のベータ版』 幻冬舎、2021年 東浩紀 『動物化するポストモダン オタ…
東浩紀著『観光客の哲学 増補版』(ゲンロン)が届いた。「はじめに」、各翻訳に書き下ろされた序文に、新章二章を加えた充実の一冊だ。パンデミックが起こり、戦争が始まって、一見すると「観光」の危機のように思われるが、しかしその内容が提起する議論はいまだに色褪せていない。寧ろ翻って、「観光」「観光客」を鍵概念とした哲学の提示は、その重要性を増しているよに思われる。もしくは、『ゲンロン0 観光客の哲学』が出版された六年前と較べてその問うている議論の意義が変わっているとも言える。 私は著者の熱心で良い読者ではない。東の著者を初めて読んだのは、自分の世代にはおそらくよくあるようにそのデビュー著作である『存在…
どうも、漫画研究者としては『ユリイカ』の2008年6月号にて商業デビューし(初期は「イズミ」名義)、後に『ユリイカ』の2018年7月号でもVTuber論を掲載させていただいている泉信行と申します。 参考:2015年時点までの発表まとめ(PDF) VTuber評論を集めた同人誌である『青春ヘラ』Vol.7への反応記事としては、今回でひとまず最後となります。 漫画(VTuber)研究者の読む『青春ヘラ』Vol.7「VTuber新時代」~その①~ - izumino’s note 漫画(VTuber)研究者の読む『青春ヘラ』Vol.7「VTuber新時代」~その②~ - izumino’s note…