軍事クーデターから3年経って、ミャンマー情勢は混とんとしてきている。民主派勢力を弾圧し、イコンであるスー・チー元国家元首らを拘束したまでは良かったが、その後の軍事政権にはいいことが少ない。当然民主派の抵抗はあるし、諸外国からの経済制裁もある。10年ほど前<最後のフロンティア>と思われた、かの地の様相(*1)は一変してしまった。 当初は軍事力で市民を押さえつけていた軍事政権にも、このとことほころびが見られる。仏教国だが、イスラム教徒の一派ロヒンギャはじめ、少数民族は国内に多い。北部山岳地帯など近代戦に不向きなところに根付いた彼らを、軍事政権は攻めあぐねた。 ひとつひとつは小さな部族だが、対軍事政…