まえがき 2022年。近代男色文学、もしくは近代少年愛文学が好きな人間にとって画期的な文庫が出た年であった。中公文庫から刊行された『給仕の室-日本近代プレBL短篇選』によって、今まで読むことが困難だった男色小説(中公文庫の言葉を借りるなら近代プレBL)に気軽にアクセスできるようになったのだ。そればかりではない。季刊男色で以前取り上げた綿貫六助の発禁雑誌に掲載された作品群が次々とKindleで刊行され、うれしい悲鳴を上げることに。200円払えば綿貫作品が気軽に読める時代がやってくるなんて!そんな空気に即発されて、もっと近代文学に男色作品があるのではと編んだのがこの本。主にツイッター(現X)のフォ…