昭和50年〜51年にTBS系列で放送されたTV時代劇シリーズ。
これまでTBSでは朝日放送の「必殺」シリーズを放送していたが、昭和50年のネット編成の変更*1に伴い、ネット局となった毎日放送に「必殺」シリーズの要素を持った時代劇の制作を依頼し誕生したという経緯がある。…また、続編として「影同心II」も制作された。
ちなみに「必殺」シリーズが松竹の制作に対し、こちらは東映の制作だった。
*1:朝日放送がTBS系からテレビ朝日系へ、毎日放送がテレビ朝日系からTBS系に変更された
さて今回取り上げるのは必殺シリーズの模倣品と言い切れる「影同心」である。これ、酷い言い方かも知れないのだが、この作品が作られた動機もとい経緯を知るとその感が強まると思う。なお今回はいつもと違って真面目な考察になる。 その前に私が子供の頃を書こう。私が幼稚園年少の時代、仮面ライダーシリーズは10チャンネルつまりNET(今のテレビ朝日)で放送されていた(なおデジタル放送移行後は5チャンネルに変更されている)。毎週土曜日の夜に放送されていたのは覚えている。放送時間帯までは記憶に残っていなかったが、実際の放送時間帯は19:30 - 20:00である。仮面ライダーを制作していたのは毎日放送だったが本放送…
今回は84年以降 NOVA「さて、年末放送からの流れと、先週に発売された仕事人インタビュー本のネタも交えて、俺個人の必殺愛や蘊蓄を語る記事の続きだ」 必殺シリーズ始末 最後の大仕事 (立東舎) 作者:高鳥 都 立東舎 Amazon 翔花「もう、飽きちゃったよ」 NOVA「俺は飽きてないから、まだ続く」 晶華「私としては、さっさと妖精女王ズの続きをして欲しいけど、NOVAちゃんが必殺こじらせ脳から脱却しないと、必殺妖精稼業になっちゃいそうなので、とりあえずは必殺成分を吐き出してしまわないといけないのよね」 NOVA「必殺妖精稼業か。悪くない企画だな。で、表の稼業は花屋か? 花の枝で首を刺すのだと…
自分はユーチューブ大好きですね。 見たい動画を検索するば、たいていの物が見られます。 自分がよく見るのは心霊(怪談)系、必殺シリーズ若しくは マイナーな特撮や映画とかですね。 全編がフルで見られることはあまりないですが、それでもDVD レンタルでも見られなかった希少な作品が見られるのは嬉しい ことです。 前に封印作品のことを書きましたが、それはなかなかユーチューブ でも視聴は難しいようです。 でも本で読んだだけのマイナーな特撮物が見られると嬉しいですね。 「白獅子仮面」なんて不気味なマスクを着けた時代劇ヒーロー ですが、これはフルで第1話見れました。 見たら「こんなものか」という感想も正直あり…
必殺仕置屋稼業 第21話「一筆啓上 逆夢が見えた」(脚本:保利吉紀、監督:大熊邦也 (C) 松竹)より お話自体は結構凝っているのだが、ネタになりそうなのは冒頭と中間と一番最後の部分のみになるのかな。 さて冒頭、筆頭与力の酒井が死亡し、葬儀が行なわれていた。駕籠に乗って南町奉行の鳥居耀蔵(志村喬)もやってきた。まあ、この時点では放送が終わっているが、『影同心』にも登場した鳥居耀蔵である。やはり『影同心』対策、と言うよりは当てつけで中村主水を北町奉行所から南町奉行所へ移したのかもしれないねえ。と言うのは本題ではないので置いといて、配役でわかる通り、既に初老。葬儀の場では酒井の後任をどうするのかと…
必殺シリーズでは京都映画が京都の岡崎にあったかんのんホテルに部屋を借りて脚本家や監督などを滞在させていた。 hirofumitouhei.hatenablog.com さて火野正平さんも宿泊していたそうだが、門限破りのためにこんな役までしていたそうである。『必殺シリーズ異聞 27人の回想録』に載っている証言である。 rittorsha.jp 火野 (前略)俺はかんのんホテルの表に面した部屋に泊まってたの。あそこは門限があって鍵を閉めちゃうんだけど、俺の手に紐を繋いでずっと下に垂らして、みんな酔っ払って帰ったら、その紐をガンガン引っぱる…そうしたら下に降りて鍵を開けてって、そんな係までやらされて…
この記事では必殺シリーズ第7弾の『必殺仕業人』を取り上げましょう。 『必殺仕置屋稼業』の続編で唯一江戸に残った捨三も引き続き登場します。このタイトルは一般公募してつけられました。TBS系列では引き続き東映・毎日放送制作の『影同心II』が放送されていたので、その対策もあったので、中村主水を引き続き登場させたのでしょう。 さて第1話は牢屋見回りに格下げとなり、町に出て袖の下も貰えなくなって困窮を極める中、裏稼業を続ける中村主水が描かれます。この時点での仲間は捨三の他は鍼灸師のやいと屋又右衛門のみ。仕置屋の時代とは違って殺しを行なうのが二人しかいないので腕の立つ殺し屋を主水が探していた、ちょうどその…
この記事では必殺シリーズ第6弾の『必殺仕置屋稼業』を取り上げましょう。 前作の『必殺必中仕事屋稼業』は好評だったものの朝日放送がTBS系列からNET(テレビ朝日)系列に移った事により放送時間帯も変更されてしまい、視聴率半減の憂き目に遭ってしまいました。またTBSは毎日放送に『影同心』を制作させて必殺シリーズの視聴者獲得を目論みました。この状況を朝日放送と京都映画が黙って見ているはずがありません。 と言うわけで『必殺必中仕事屋稼業』の次作は中村主水を主役にした『必殺仕置屋稼業』になりました。もっとも中村主水が登場した前作『暗闇仕留人』は黒船来航直後の時代の話。その時代を元にした話を『暗闇仕留人』…
この記事では必殺シリーズ第5弾の『必殺必中仕事屋稼業』を取り上げましょう。 この番組は賭博すなわちギャンブルを全面に押し出した作風が特徴です。殺し屋の知らぬ顔の半兵衛(緒形拳)と政吉(林隆三)は二人とも博打が好きで初めて顔を合わせたのも賭博場。なのでほぼ毎回ギャンブルが登場しました。博打だけではなく闘鶏や富くじ、流鏑馬(の勝ち負けを賭ける)、挙げ句の果てにはポーカーまで飛び出しました。 半兵衛は坊主そばと言う蕎麦屋を営む男ですが、内縁の妻お春(中尾ミエ)に任せることも多く、店も博打で手に入れた過去を持ちます。負けることも多いのですが、度胸があり土壇場の勝負運は強いものがあります。得物は口髭の手…
必殺仕置人 第14話「賭けた命のかわら版」(脚本:三芳加也、監督:工藤栄一 (C) 松竹)の脚本について、松原佳成さんの貴重な証言がこちらの本に載っていたので引用しよう。 rittorsha.jp 松原 私は『必殺』では、他のライターと異なる立場だったんです。亡くなられた仲川利久プロデューサーからの依頼でしたが、もともと朝日放送が大阪テレビだった時代から脚本を書いておりまして、昭和40年にメインライターに指定されて30本ものの時代劇をずいぶん頼まれました。 (省略) その次の『必殺仕置人』(73年)も何本か直しています。三芳加也というライターのホンを直せというので当人に会ってみると、かつて松浦…
さて今回は高田JAPAN、いや、シン・高田JAPAN(?)にまた動きがありましたのでそれを紹介しましょう。なお前回のはこちらです。 hirofumitouhei.hatenablog.com JAEチャンネルで公開されたこの動画、蔦宗正人さんとある人が登場します。長さは9分48秒です。 youtu.be 我々は多くの珍獣が潜む未開の(コンクリート)ジャングルへとやってきた!!蔦宗正人探検隊!!珍獣オグアラシを追え!! 東映大泉撮影所の色々な場所が映りまくるので私のような一般人には貴重な映像です。ただ私が子供の頃に観た作品とは変わっているところがあるような気がしますねえ。 さて最後の最後に登場す…