(compulsory execution) 刑事訴訟法上の処分のうち、「個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段」のこと。広義では、強制力をもって行う一切の処分。狭義では、証拠調べの性質をもつもの(検証・証人尋問・鑑定など)以外の処分をいう。
強制執行
法制審議会(法相の諮問機関)が答申した刑事訴訟法改正要綱に、捜査機関がパソコンなどのデータ提供を罰則付きで命じることができる制度が盛り込まれた。 要綱は捜査から公判まで刑事手続きの電子化が目的で、検察が開示する証拠書類がデジタル化されるなど利便性の向上が期待される半面、プライバシー侵害や不利益な情報提供の強要など人権侵害への懸念が残る。法案内容を慎重に検討するよう求めたい。 改正の柱の一つが「電磁的記録(データ)を提供させる強制処分(提供命令)」制度の新設だ。 現行法では、捜査機関が犯罪捜査でパソコンやスマートフォンなどにあるデータを押収する際、裁判官の令状に基づいて、保管者や利用権限を持つ人…
時間119分くらい(構成20分)7枚丁度 予想A→B評価 第1 設問1 1 捜査①について (1)前提として、捜査①は、「強制の処分」(刑事訴訟法(以下、略)197条1項但書)(以下、「強制処分」)たる捜索(218条1項)に当たらないか。 ア 有形力の行使を伴わない処分を念頭に置くと、それを伴う処分を全て強制処分とするのは妥当ではなく、また、既存の強制処分との均衡を考慮すると、法益の内容性質制限の程度を問わずおよそ意思に反する全ての法益侵害を強制処分とするのも妥当ではない。 そこで、強制処分とは、①個人の意思を制圧して、②重要な法益に対する実質的な侵害制約を伴う処分をいう。なお、対象者に知られ…
【氏名】 S.T さん 【大学】 関西大学 法学部 【合格実績】 2023年8月 関西大学法科大学院 合格(学費全額免除) 2023年9月 同志社大学法科大学院 合格(学費全額免除) 2023年11月 大阪大学法科大学院 合格 【個別コーチのご利用内容・感想など】 1.個別コーチの利用経緯 私は、学部3年生の春から法科大学院に向けた学習を始めました。しかし、ほぼ独学であったこともあり、薄い基本書+憲民刑の演習書を一周したものの、どうしたらいいのか、どうやったら論文が書けるようになるのかが全く分かりませんでした。そんな不安が2023年の1月に爆発し、こんな状態ではどこのローにも受からないと思い、…
2023年はウサギのように跳ねたりした1年でしたね。 円安や戦争等の社会情勢により、生活コストがぐんと上がってしまい、そこで家計を少しでも助けるために、株投資に焦点を当てました。 狙いはやはり、キャピタルゲインと配当でした。 そこで、2023年1年で、株投資で以下の収益を得られました。 実現損益合計:+1,686,000円 配当金合計(税引前):+116,340円 その中、幾つかの収穫と教訓を身を持って感じました。 収穫① 2023年2月の1ヶ月間実現損益合計が初めての100万円超えました。 それは2023年から信用取引を始めて、とにかく売買単位を100株でなく、最低でも1000株としていまし…
最高裁平成29年3月15日 1.概要 自動車を用いた連続窃盗事件のために、自動車やバイク19台に、令状を発布することなく、GPS端末を取り付け位置情報を取得する捜査を行った。 この捜査によって得た証拠が裁判時に証拠能力を持つのかどうか問題となった。 2 問題となる条文 刑事訴訟法197条1項 「捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることはできない」 3 簡易判決内容 車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付け、位置情報を検索し把握する刑事手続き上の捜査は、合理的に推認される個人の意思に反し…
はじめに… プロフィールには、法科大学院生と書いていますが、本稿を執筆している時点では、今はまだ都内の法科大学院の合格が出ているだけの一端の法学部生です。本稿では、この4年間勉強してきたことを踏まえ、刑事法(刑法・刑事訴訟法)で学生が躓きやすい重要な論点を中心に解説し、基本スタンスは学問的に(本質や真理の探求に)、答案上の説明にも気を配りつつ説明することで、学生諸君の疑問を払拭できればと思います。あくまでも、その辺のバカ大学生が気まぐれで書いているだけなので、過信はしないようにしてください。 本稿は、論点を網羅するものではなく、あくまでも学生が刑事法を学修するにあたり、本質的な理解を要する議論…
例によって目を通せた分について、呟いた内容を基に感想をメモ。
例によって呟いたことを基に感想を箇条書きでメモ。
例によって一通り目を通したので、呟いたことを基に箇条書きで感想をメモ。
宮本弘典(関東学院大学教員、刑法・刑法史) 過度に広汎な処罰の禁止と刑法上の違法性(前半)は「1.第1審判示と認定事実 2.威力業務妨害罪成立の無限定性 3,業務妨害罪と可罰的違法性 4.刑法上の違法性とソフトな違法一元論」は→ kyuenmusasino.hatenablog.com 宮本弘典(関東学院大学教員、刑法・刑法史) 5.過度に広汎な刑事規制の禁止と違法性判断 結語 5.過度に広汎な刑事規制の禁止と違法性判断 以上のとおり,実務においてもソフトな違法一元論を前提とする可罰的違法性の思考は実践されている。注意すべきは,ソフトな違法一元論であれ可罰的違法性の概念であれ,その自由保障機能…
令和3年2月1日最高裁判所第二小法廷決定 裁判要旨 1 電磁的記録を保管した記録媒体がサイバー犯罪に関する条約の締約国に所在し,同記録を開示する正当な権限を有する者の合法的かつ任意の同意がある場合に,国際捜査共助によることなく同記録媒体へのリモートアクセス及び同記録の複写を行うことは許される。 2 警察官が,(1)リモートアクセスによる電磁的記録の複写の処分を許可した捜索差押許可状記載の捜索場所においてコンピュータから記録媒体にリモートアクセスをして当該コンピュータの使用者のメールアドレスに係るメール等の電磁的記録を複写するなどし,(2)同所に所在するコンピュータの使用者からアカウントの付与を…
平成29年3月15日最高裁判所大法廷判決 裁判要旨 車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は,個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによって,合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であり,令状がなければ行うことができない強制の処分である。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/600/086600_hanrei.pdf 所論に鑑み,車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手…
二十年前に出版されたこの判例集を読むことにどんな意味があるのか、いまひとつ定かではないが、ただいま「読書デモ」中であり、先日読んだ『入管問題とは何か――終わらない〈密室の人権侵害〉』の著者、児玉晃一さんの本が読みたかったので、手に取った。/ 【⑥名古屋高裁平成16年2月2日決定(略) ビルマ難民に対して発付された退去強制令書の収容部分・送還部分の執行停止が高裁段階でも認められた事例 「回復の困難な損害を避けるための緊急の必要」 「収容(拘禁)が違法なものであった場合、それによって被った損害は原則として金銭により賠償されることになるところ、拘禁反応は精神的なものであり、拘禁反応により精神に変調を…
いま竹中工務店のギャラリーA4(エークワッド)で「中村哲の挑戦」展をやっている。これがすばらしい。 東京・江東区の竹中工務店本社 1階のGallery A 4で6月22日まで 中村さんが、らい(ハンセン病)患者の足を保護するために独自に研究・開発したサンダルや手書きの設計図などの「ブツ」も見ものだが、私がもっとも感銘を受けたのは、これまで未公開だった中村さんのロングインタビューの動画だ。2006年4月に、日本電波ニュース社の谷津賢二さんが聞き手になって撮影された。 現代という時代とその文明をどうとらえるか、その中で我々はどう生きたらいいのかについて語っていて、中村哲の思想を知る上でも貴重だ。谷…