昭和25年(1950年)、東京生れ。ノンフィクション作家。また、自身の体験した怪談をまとめた著書も知られる。
バンクーバー、コロンビア・カレッジ卒業。「工藤写真館の昭和」で講談社ノンフィクション賞受賞。 他の著書に、「海燃ゆ−山本五十六の生涯」(講談社)、「ラフカディオ・ハーン―漂泊の魂」(NHKライブラリー)、「日々是怪談」(中公文庫)など。
関東大震災に関するネトウヨ連中のヘイトスピーチの元ネタとなっている悪質な虐殺否定本『関東大震災「朝鮮人虐殺」の真実』(工藤美代子、2009年)。 この本の中で工藤は、ロンドンのナショナル・アーカイブスで見つけた外交文書と称するものを紹介している。[1] 帝国ホテルの恐怖体験記 警備当局が把握していた「鮮人による襲撃」情報が間違いではなかったことは、ここまでの新聞記事と目撃談などで明らかである。 そのなかで、炎上する警視庁の目の前、皇居前広場、日比谷公園界隈の避難民は襲撃に脅えながら二日目の夜に入っていた。 丸の内一帯から日比谷公園にかけてはすでに避難民が密集し、身動きもとれないほどの混乱状態を…
「日々是怪談」を加筆訂正の上、改題した本だという。 工藤美代子氏の本はこれが初めてである。 ノンフィクションという分野にあまり食指が動いてないせいだと思う。 フィクションでない文章なんてない、と思っているから、正面切ってノンフィクションと言われると、さてどうしたものかと身構えてしまう。 この本は、著者が出会った怪異譚である。 作り話ではないという程度の意味で、ノンフィクションなのかもしれないが、怪談という語りのスタイルではない。 怪談はフォーマットのようなものがあって、因果律に収束してゆく。 この本にあるのは因果律ではない。 だから、怪談として楽しむものではない。 怪異があった、という怪異譚で…
今NHKBSプレミアムで毎朝『マー姉ちゃん』を放送しています。 1979年放送です。 初々しい熊谷真実さん(松田龍平翔太兄弟の伯母さんですね)や田中裕子さん、けっこう台詞噛んでるんですけど(笑)当時はそれが許されたんでしょうかね? 脚本は小山内美江子さんですが、台詞がとても長いように思います。 でも新人ながら、インパクト十分で、とても魅力的です。 そのドラマを毎朝楽しみながら、気になる本を購入いたしました。 この先の記事には、本のネタバレが多く含まれます。 また、本を読んでの、長谷川家の史実も語らせていただきますので、その点ご注意ください。 目次 ~工藤美代子著『サザエさんと長谷川町子』~ 『…
最近読んだ怪談本を短い感想でまとめようと思う。 まず一冊目 ホラーアンソロジー「黒い遊園地」 黒い遊園地 (光文社文庫) 作者:井上 雅彦 監修 発売日: 2004/04/14 メディア: 文庫 これはアンソロジーとなっており遊園地をテーマにした怖い話を読むことができるんだけどもどちらかというと、ホラーというよりも世にも奇妙な物語的な話が多いように感じた。 色んな時代や架空の世界の遊園地をテーマにしていたり、ショートショートだったり作家さんによって個性を感じるアンソロ。 私がこの本の中で怖かった話は飛鳥部勝則さんの「番人」 息子とともに遊園地に来た湯川だったが、メリーゴーラウンドから降りてきた…
もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら:工藤美代子著のレビューです。 感想・あらすじ 昨晩食べたものを話す感覚で、お化けの話を…これが案外怖い! 文庫本 もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら (幽ブックス) 作者: 工藤美代子 出版社/メーカー: メディアファクトリー 発売日: 2011/05/20 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 13回 この商品を含むブログ (13件) を見る (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 感想・あらすじ 昨晩食べたものを話す感覚で、お化けの話を…これが案外怖い! お化け…
『お帰りやす、天皇陛下。』は、京都の深い歴史と皇室との関わりを掘り下げた一冊。国際日本文化研究センターの井上章一所長と皇室に精通する作家工藤美代子氏の対談形式で綴られている。この作品は、井上所長の『京都ぎらい』の成功に続く鑑賞作であり、読者に京都と皇室の1000年にわたる関係性を示すことを目的としている。 中心となる考察は、歴史的背景と文化的影響を駆使して「京の都」がどう形成されてきたか、そしてその過程で皇室がいかに関与してきたかという点に焦点が当てられる。井上氏の深い洞察によれば、戦国時代以前における皇室の権威は、美しい女性との関係性ー具体的には、朝廷の女房を介した美人力ーにその起源を持つ部…
だいたい本当の奇妙な話:嶺里俊介著のレビューです。 ☞読書ポイント 感想・あらすじ 嶺里俊介プロフィール 合わせておすすめ ☞読書ポイント 説明のつかない不思議な出来事は私たちの身の回りでは日々起きている。「異色ホラー小説」は、実話と作り話との曖昧な世界を漂う。この話はどっち?と必ず考え込んでしまう一冊。 だいたい本当の奇妙な話 (講談社文庫) 作者:嶺里 俊介 講談社 Amazon 感想・あらすじ ホラーや怪談など、作られた怖さみたいな本はたくさん読んできたけど、私的に怖いなぁって感じるのは、「どっちなの?」的なものだと思っている。「どっちなの?」とは、本当のことなの?これって怪奇現象なの?…
作家・有馬頼義は華族で政治家の有馬頼寧の息子だが、1967年2月25日の「朝日新聞」に「二・二六事件と私」を載せて、同事件は革命ではなく単なる人殺しだと述べた。これに対して河野司が3月5日の同紙で「二・二六事件の意味 有馬頼義氏に反論する」を載せ、「前提に思想があった」などと書いた。河野は、事件首謀者の一人の家族である。 これは当時、糸魚川浩(利根川裕、1927-(存命)の『宴』という二・二六事件を扱った小説がベストセラーになっており、事件の美化を憂えた有馬が書いたもので、私は有馬に賛同するが、ここから有馬は『二・二六暗殺の目撃者』(読売新聞社、1970)を上梓することになる。有馬は「二・二六…
二つの区の図書館から八冊の本を借り出してきたら、いやはやその重たいこと。 それでも楽しみの詰まっている重さというのはなかなか楽しいものでもございます。空に星があるように: 小説 荒木一郎作者:荒木 一郎小学館Amazon 別に借り出す気はなかった。というのは確かめたかったところはとっくに本屋の店頭で、立ち読みしたからである。彼がNHKの「バス通り裏」に洗濯屋のサブちゃんでデビューしたときから見てはいたけれど、当時私は痩せていて、彼にそっくりな顔立ちだったので、小学校の同級生からは「サブちゃん」と呼ばれていた。それで関心を持ってみていたし、彼の音響のステージも見たことがある。その時、彼は出てくる…
大学生時代に所属していた運動部の行事の一環として、年に一回、街頭で「あしなが」の募金活動を手伝っていた。これが理由で、今も駅前などで募金を見かけると、あしなが学生募金には、絶対に協力する(と言っても少額)というマイルールを自分に課している。 ところが先日、募金箱を持っている人からパンフレットを手渡されたので読むと、「あしなが」の奨学金は、交通事故「以外」の理由で親を亡くした子どもを対象にしていることが分かり驚いた。学生時代に募金活動をしていたときの口上では絶対に「交通遺児」と言っていたはずなのに…。 少し調べてみると、もともと1つの団体だったものが、交通遺児を対象とした「交通遺児育英会」と、交…
大阪唯物論研究会会員 岩 本 勲 デマをトップ記事で報じる1923年9月3日付の東京日日新聞 8月初旬に、「関東大震災100周年 —— そこから何を学ぶべきか —— というタイトルで小冊子を発行した。その後に映画『福田村事件』の公開があり、また主要マスメディアが関東大震災100周年関連の主張や論評を掲載・放映したことを受けて、それらについての論評を「補遺1」として発表した。 それらに対して友人諸君から批評を頂いたり、私が未読の文献の紹介を受けたりした。その中に貴重な資料が多数含まれており、ぜひ多くの人にその内容を知ってもらいたいという強い誘惑にかられた。そこで参考文献の紹介を中心に、「補遺 そ…
(2023.8.27) U氏の「笹川良一=右翼=悪人」評価と批判にコメントしたものを転載しておきます。左派ステロタイプの典型のような気がしましたのでーー悪しからず。 戦前右翼運動は注意を要します。私は右翼や保守と言われる人物の複雑さを理解し、左派のような子供じみた善悪のモラルの断定評価は危険であると思っているからです。 なお、浮かんだことを書きなぐりましたので、意味不明があるところは飛ばしてください。 * * 戦後進歩的知識人や左翼の軽薄な笹川評価には嗤ってしまう。確かに右翼運動の延長で戦後を生きたが、笹川は収益を一切私物化していない。すべて無給で社会還元として財団から支援に回した。もちろん道…
いったい、どこの、どいつらだ? 放送法の不偏不党、公平公正に著しく反しているように思えるが (少なくとも両論併記ではねーやな。)、 明治以降、今日に至るまで、我が国最大規模の自然災害とされる9月1日までWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)に組み込んで、未来永劫、日本人、日本国民に罪悪感(と半強制的な贖罪意識)を植え付けようとでもしてんのか? 東日本大震災は、12都道府県で2万2,318名の死者・行方不明者 明治三陸地震(明治三陸大津波)は、2万1959人の死者・行方不明者 GDP比被害額では、関東大震災と伊勢湾台風が双璧らしいが。 俺は公共の電波でも何でもないので、あえて…
先週末の3連休、金土と続けて買いに行った妻のバイト先のCD棚。 ソウルの品ぞろえがとにかく良くて爆買いするとキリがない。 一度に買うのは5枚までにして、次の週末の楽しみに取っておこう、と思っていたら。 今日妻がバイトに入ったら、昨日100枚近く売れたのだという。 そして今日も同一人物が来て棚をしらみつぶしに見分していったのだという。 そして時折スマホに入力。amazonでの価格を調べていたのだろう。 うーむ。早くも敵に知られてしまったか。 俺だけのパラダイスが…… 僕は妻に LINE でメッセージを送った。 「そいつ、俺のドッペルゲンガーなんじゃないか?」 「そんな気がする」 (まあ実際はどこ…
08/07(月) 7時前起き。 6時台はこころ旅の再放送2本が始まっていた。 エアロバイク。コーヒー。 猫草の植え替え。 可もなく不可もなく打ち合わせがあって1日が終わる。 このところ怠っていた課題一覧の整理など。 後輩にも仕事を振る。 昼はざるそば。 昼過ぎに大雨。一時的な。 仕事が終わってライフに買い物。 下の部屋で缶チューハイ。 鶴瓶の家族に乾杯は吉岡里帆でハワイ。 妻が具合悪いとお粥を作る。 呑み鉄本線の再放送。室蘭本線。 月曜から夜ふかしで後半寝落ち。 左手の甲から指の付け根の部分をダニに刺されたのか赤く腫れて痒い。 --- 08/08(火) 7時前起き。 クッション腹筋再開。エアロ…
昨晩、工藤美代子『日々是怪談』を読み終えた。 ノンフィクション畑の作家だけど、視えるけど鈍感という体質らしく、 いろいろ怪異な出来事を引き付けてしまう。 そんな日々を淡々と綴ったエッセイ。 姪が生まれた同じ日に亡くなった祖父から、 既に亡くなっていたはずの時間に産婦人科に電話がかかってきた、 遠くから聞こえるような声だった、とかそんなのはざら。 最後の話が松江を訪れる話でラフカディオ・ハーンにも触れることになる。 読み終えて数時間後、新日本風土記の再放送を見ようとしたら テーマが松江。ラフカディオ・ハーンの怪談の朗読もあった。 ゾッとはしない。 こんな偶然もあるんだな、と思う。 引き寄せられる…
—— そこから何を学ぶべきか —— 大阪唯物論研究会会員 岩 本 勲 まもなく9月1日がやってくる。この日は「防災の日」とされており、政府や地方自治体では、種々の防災行事を予定している。「防災の日」とされる所以は、「明治維新」(1868年)以降の日本の地震災害として最大規模の被害を出した「関東大震災」が、1923年の9月1日に起こったことによる。そして今年は、その「関東大震災」の発生から100年目に当たる。 「関東大震災」の被害は、死者約10万5千人(推定)、全壊家屋約11万戸、焼失家屋約21万戸というすさまじいものであった。「東日本大震災」の死者・行方不明者数22,318名、「阪神淡路大震災…
07/24(月) 7時前起き。 今週も腰と左足の指が痛いため、エアロバイクのみ。 コーヒー。 会議が夕方までなく、資料作成など。 昼、ざるそば。ライフに買い物。 20時からの打ち合わせが入る。 PJの対策会議。21時半まで。 22時前にシャワーを浴びてようやく一息つく。 夜は妻の買ってきてくれた総菜。 肉団子、唐揚げ、牛タンサラダ。 少し物足りなく、柿の種。 月曜から夜ふかしを見て、寝る。 午前0時前。 土曜にお尻と腰の間が痒くてかいていたら 真っ赤に腫れあがり…… 雪の元が効いたかと思いきややはり肌に合わないのか。 その後ステロイド剤を塗ってみたが、どちらがよくなかったのか。 ベビーパウダー…